最新 追記

Matzにっき


2003年12月01日 [長年日記]

_ [言語]Groovy

JVMベースの新言語。Rubyを意識した新世代の言語が登場することは喜ばしい。

  • 名前が長いぞ(6文字)
  • 新規性が少ない気がする。結局ブレースが使えることと、JVMで動作することくらいしか嬉しさがない?
  • いや、それでも十分嬉しい人はいるか。"end"がだめでRubyを使わない人もいるらしいし
  • ブロックの文法がちょっと納得できない。 ブロックはクロージャを引数にしているだけのようにも見えるが、 Rubyのようにブロックを特別扱いしているように見える例題もある
  • Mapにも [] を使うのは面白い。 しかし、空のMapはどうするつもりか。 AWKやPHPのようにListはたまたまkeyが整数のMapというわけではなさそうだし。
  • ほぼ同じ文法でデータが表現できるGroovy Markupは 面白いかも。でも、YAMLの方が便利なような気も

_ [映画]『Matrix Revolutions』

映画の日で割引ということでようやっと見に行った。 個人的な評価は『Revolusions』はMatrix 3部作の中では一番高い。

なぜか。

1作目の『Matrix』はサイバーな雰囲気を構築するのに成功していてなかなか良い映画だと思ったが、 一番最後に主人公が空を飛ぶシーンで幻滅。ここまでしといて空を飛んで終わり? 『ネバーエンディングストーリー』のラストをほうふつとさせるがっかりのさせ方。 ネオの能力は結局仮想空間内でしか有効でないわけで、コンピュータと対立するということは 結局自らの唯一の武器である力を否定することになる構造もいまいちだった。

2作目の『Reloaded』の評価は3作の中で一番低いけど、良い点もあった。 つまり世界を膨らませることで1作目の不備を埋めることができる「可能性」を提示したことだ。 しかし、2時間ではそんなものは表現しきれず、 結局伝わったのは「CGつきワイヤアクションはすごいんだぞ」というメッセージだけだった。 全然納得できなかったんだけど、「まあ3部作ってことだから最後まで見て判断しよう」と我慢する作品だった。

こういう経緯での3作目。かなりの謎は説明されずに残ったが、 時間的制約から考えれば、まあ世界観の構築には成功した方だろう。 「100人スミス」みたいなこけおどしのくだらないシーンがなかったのも評価できる。 最後の一騎討ちは陳腐だが、まあ対立をビジュアルに表現しなければならないという映画の制約から妥協しよう。

だが、しかし、個人的には、もうちょっと違う世界を見せてほしかった。 1作目では「現実」は実は人類がコンピュータに管理された仮想現実(マトリックス)であったという世界、 2作目では、この仮想現実の世界は最初のものではなく繰り返し作られては滅びてきたという世界を提示したわけだ。

ならば、3作目では2作目の世界観をもう一段深めた、 たとえば「(仮想でない)現実世界も実は誰かに構築された閉じた世界であった」というような、 「バベルの図書館」や「リバーワールド」のような世界を見せてほしかったなあ。ぜいたく?

ところで、忘れた頃に『Matrix Resurrection(復活)』とか作りそうじゃない? 柳の下に何匹どじょうがいるか。


2003年12月02日 [長年日記]

_ [家族]自宅作業

息子が具合が悪い(自己申告)ということで、保育園を休んだので 自宅で作業することにする。 小学校に上がるまでは休みたきゃ休めばよいという教育方針なのだが、 一番下の子だけがこのルールを最大限活用しているような気がする。

昼食は息子を連れてラーメンを食べに行く。


2003年12月03日 [長年日記]

_ [PC]Thinkpad X40

前々から出ると言われていた「薄くて軽い」Thinkpadがとうとう 発表された

私が欲しい条件は一通りカバーしている。

  • 今よりも速いCPU(Pentium M 1GHz)
  • 今よりも長いバッテリ寿命(標準3.5時間、Lバッテリ+拡張バッテリで10時間)
  • ある程度の軽さ(1.24Kg)
  • RGBコネクタ

が、しかし、ディスクが20Gしかないのは寂しい。 あと、1.4GHzくらいだと良かったなあ。

お金がありあまっているわけじゃないんで悩んでしまう。

_ [Ruby]preview3

遅れている。残っている問題は

くらいか。まあ、previewなんだから、全部解決しなくても出せばよいのだが。


2003年12月04日 [長年日記]

_ [日記]やっと追いついた

Ruby Conference以来、長きにわたって遅れ続けていた日記だが、やっと追いついた。 実に長かった。書こうとした時にはもう忘れてたりして思い出すのが大変だったり。

_ [原稿]Linux Magazine 2月号

まだ12月になったばかりなのに2月号ってのはどういうことよ、とか思いつつも。 今月は年末進行なので〆切がずっと早いのだ。オープンソースウェイの準備と重なって死にそう。 今回のテーマは「Wiki Wiki Web」。

なんだか毎月〆切になるとこういう大変な思いをしているような気がする。

  • Linux Magazineと日経バイトが重なった8月
  • Linux Magazineと日経バイトとが重なった9月
  • Linux Magazineと学校のレポートとJAOOが重なった10月
  • Linux Magazineと関西O+FとRuby Conference 2003が重なった11月
  • Linux Magazineとオープンソースウェイが重なった12月

もしかして安易に仕事を引き受け過ぎ?


2003年12月05日 [長年日記]

_ [OSS]オープンソースウェイ2003

朝から東京に移動。パシフィコ横浜に着いた時点で最初のプログラムは終了していた。 参加した各プログラムはほぼ満席。150名程度の出席があったようだ。

"オープンソース"という考え方:八田 真行氏(GNUプロジェクト、東京大学)
聞き逃した。配布資料を見る限り、オープンソースとはなにか、ということを 歴史・経緯なども含めて説明していたのかな。
GPLに関する法律問題〜日本法とGPLの整合性〜:小倉 秀夫氏(弁護士、中央大学法学部兼任講師)
日本法という観点からGPLを研究したもの。法律って難しい。 が、ふだん法律や契約的なものは素人談義に終わってしまうのだが、 こういう形できちんと聞けることはありがたい。 なんだが意外に楽観的に聞こえたんだけど空耳かなあ。
産業政策から見たオープンソース:久米 孝氏(経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐)
官僚という立場から経済産業省のオープンソース政策について語る。 久米さんは例の「42件」の人なのだが、ここのところの成長めざましく(おっと失礼か)、 オープンソースの事情というのをよく理解してきている。 こういう人が恒常的にオープンソース政策に関ってくれるとありがたいんだが、 きっと数年でローテーションしちゃうんだろうなあ。
世界各国政府のオープンソース政策と採用動向:比屋根 一雄氏(三菱総合研究所 情報技術研究部 主任研究員)
各国のオープンソース事情と先日のFLOSS-JPの結果の発表。 タイをはじめとする各国の取り組みを紹介。 日本のオープンソース開発者はまだ数千人程度らしい。 また、生計を維持できている人はほとんどいない、とのこと。
オープンソースハッカーズ:まつもと ゆきひろ(ネットワーク応用通信研究所 特別研究員)

弁護士や官僚に囲まれて、実際の開発者の立場から。 まあ、好き勝手なことをしゃべりまくったのだが、まとめると

  • ハッカーになろう(ハッカー予備軍へのメッセージ)
  • ハッカーを使いこなそう(スーツ族へのメッセージ)

というようなことかな。スライド

地方自治体とオープンソース(パネルディスカッション)

長崎、岐阜、沖縄でそれぞれオープンソースを利用した取り組みについて。 3県ともそれぞれの取り組み方が違っていて興味深い(長崎は県庁が直接、岐阜は財団法人経由、沖縄はNPO)。 まだ、オープンソースを利用するだけのレベルだが、まあ、最初はそれでよいとは思う。

ところで、「地場のITニーズを地元で満たす」というのがいずれの県も基本方針のように思えたのだが、 実は「よそ(特に東京)から仕事をもってくる」という視点の方が有効じゃないのかなあ。 すくなくとも、うち(ネットワーク応用通信研究所)ではそうしてるけど。

追記: メディアによるレポート。

_ [OSS]オープンソースウェイ懇親会

中華街「均昌閣」にて懇親会。都合で8時までしかいられなかったけど、大変おいしゅうございました。 どうもごちそうさま。

_ [家族]でえと

妻を迎えに羽田空港まで。今晩と明日1日は東京でデートの予定。

_ [特許]非現実的。

おくじさんのenbug diaryから、

個人的印象につっこんでも仕方ない気もしますが、

ソフトウェアを特許の適用外にするというのも(世界の流れから見て)非現実的。

というのは違和感ありまくり。「世界の流れ」じゃなくて、「アメリカとイギリスの流れ」の間違いでは?

というフォローをいただく。

まあ、日本(だけじゃないけど)はアメリカの影響を強く受けていて、無視できないってことがあるんで、 「アメリカとイギリス(もそうなの?)の流れ」というのは確かなんだけど、 むしろ問題にしてたのは「ソフトウェア特許」という言葉が指しているものが本当はなにかということ。

私が聞いたことが正しければ、 (少なくとも日本では)特許のクレームに「ソフトウェア」と書くケースはほとんどなく、 実際には「方式」とか「システム」という言葉で表現されているはず。 ソフトウェアというのはその実現手段のひとつに過ぎない。

とすると、「ソフトウェア特許」の定義とは本当はなんなのか。

で、前提として「特許制度そのものを無くすことは現実的でない」とすると (ここまで特許制度を否定する人はあまり多くないようなので)、 特許の保護となる対象である「アイディア」のうち、 どのようなものを「ソフトウェア特許」とするのか 特許の法制度に沿った「言語」で表現するのは非常に困難ではないだろうか。

我々の視点からは「(ハードウェアを含まない)ソフトウェア開発の障害になる特許」と言いたいところだが、 私の目から見ても、いくらなんでもそれは適切な基準でないだろう。

だからこそ、今回のEUの決定は「ソフトウェア特許」という言葉でなく、 インタフェースやプロトコルは特許の対象にしないという判断だったと理解しているのだが。

日本にいると海外の特許事情はなかなかわからないので(というか、国内の事情もあんまりわかってないのだが)、 おくじさんなどからEUの「実情」を聞かせてもらえることはありがたい。

_ [家族]宿泊(と映画)

宿泊はもともと泊まるつもりだった東横インをツインに変更して。 意外と快適。テレビで『オーロラの彼方へ』(だっけ、タイトル忘れちゃった)と『ザ・コア』を見る。 が、どちらも半端にしか見れなかったので、また今度見よう。


2003年12月06日 [長年日記]

_ [家族]でえと

朝から広尾に移動。東京神殿に参入。宗教的なデートだ。 神殿では知り合いに何人も会う。

昼食にはパスタを、と思ったのだが、入ろうと思っていたイタリア料理店がカレー屋に変わっていた。 勢いでそのままカレーにする。

午後は恵比寿経由で東京駅周辺に。デパートや地下街やブックセンターに。 別に東京でしかできないことはしなかったけど、「東京の雰囲気」を感じれたからよいのだそうだ。 まあ、彼女は滅多に旅行とかしないからねえ。

あ、東京に来たらグラコロ食べようと思ってたんだっけ。 忘れてた。

7時55分のANA便で米子へ(機体はA-320、初めて乗った)。 米子の実家で子供たちと合流して、玉造へ帰る。


2003年12月07日 [長年日記]

_ [教会]松江出席

昨日の旅行で疲れてて、ぐったりしてたことをのぞけばごく普通の日曜日。 今日は日曜学校などにもちゃんと出れたしね。

日曜学校は「黙示録」、先頭の手紙の部分。 「教会の御使(みつかい)」の部分は、英語でも「Angel」だが、天使というわけではなくて、 それぞれの教会の指導者のことを意味する、とか、当時の「アジア」は今でいうトルコの周辺であるとか。 しかし、象徴が多くてひっかかる。たぶん文化的バックグラウンドを押さえていないと理解しがたいのだろうなあ。

急に寒くなったが、 帰ってから 子供はベランダでシャボン玉を吹いて遊んでいる。風邪引かなきゃいいけど。

疲れに堪え切れず10時前には寝てしまう。


2003年12月08日 [長年日記]

_ [会社]IPA検査

IPA「オープンソフトウェア活用基盤整備事業」の前期の検査。 前回の実地調査に引き続き、前期分の検収を行う。

えー、今回も滞りなく進み、IPAの担当者から「完璧」とのお言葉をもらう。 後期もがんばりましょうね。> 関係者。


2003年12月09日 [長年日記]

_ [OSS]オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR

OSCAR(Open Source Consulting Advisory Relationship)とは

2002年6月1日に設立した「OSCARアライアンス」は、既にオープンソース・アプリケーションを企業システムに活用している成功企業と共に、企業におけるオープンソース活用を推進する非営利の任意団体

だそうだ。なんだか謎の団体だが、 CNET Japanの記事によると、 この団体が提唱した「日本版GPL」が、「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」であるらしい。 ところが、それについて説明されたページを読むと、これは「ビジネスモデル」なんだそうだ。 真実はどこに。

あちこちのページをよく読むと、ビジネスモデルが「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」で、 ライセンスが「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」利用許諾契約約款だということがわかる。 ひと目でわからないのはいかがなものかと思うが、それはたいした問題ではない。

そのビジネスモデルとやらはべつに目新しいものはない。

  • ソフトウェアそのものはオープンソース
  • 会員にはサポートと迅速なバージョンアップを提供
  • 非会員にはより長いサイクルでのバージョンアップ

ごく普通のモデルでこれもなんの問題もない。当のページには

※オープンソースを利用するには、リーグ会員となる必要があります。

などとわけのわからないことが書いてあるが、これはこのページを書いた 株式会社フォーワンファーストの担当者が無知だっただけだろう。それもどうかとは思うが。

ただ、このモデルは誰でも思いつくけど 実際に成功した例は聞かないのはちょっと気になるな。 もっとも成功するかどうかはここでは問題ではない。 問題はオープンソースの精神に合致しているかどうかだ。

重要なのはライセンスの内容(ダウンロードしようとすると初めて表示される)である。 確認してみよう。

「オープンソース・ビジネスリーグ by OSCAR」利用許諾契約約款第1.1版 平成15年9月22日改訂(日医オープンソース使用許諾契約第1.0版を元に改訂)

あちゃあ。この「日医オープンソース使用許諾契約第1.0版」はOSD非準拠なのだよねえ。 「オープンソース・ビジネスリーグ by OSCAR」利用許諾契約約款の方はどうだろう。

(読んでいる...)。

うむ、全般に日本の契約風の文章になっていて、GPLに慣れた身からは気持ち悪いけど、 日医版で問題だったデータの変更を禁止する部分が外してあるから、 問題はなさそうだな。厳密にOSDに準拠してるかどうか判断することは難しいけど。

ということで、結論は

  • 「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」はオープンソース的に問題はなさそう
  • ただ、担当者の無知からか、隙が目立つ。今後の精進に期待
  • これが成功するかどうかはよくわからない。結構危険な気がする

といったところか。

なお、OSCARアライアンスの事務局はゼンド・オープンソースシステムズ株式会社内にあるが、 これはPHPの開発元のZend社とは直接関係がない。 テンアートニの子会社だ。

ここではテンアートニについての論評は避けよう。

追記:

子会社ではないそうで。

調べてみると、 ゼンド・オープンソースシステムズ株式会社

ゼンド・オープンソースシステムズ株式会社 設立のご案内

平素は、Zendプロダクトをご利用いいただきありがとうございます。この度、Zend/PHPソリューションへフォーカスならびにオープンソースを積極的に活用した業務システムの推進を目的にゼンド・オープンソースシステムズ株式会社(本社:東京都港区西新橋、社長:角田好志)を設立いたしました。平成15年1月1日より株式会社テンアートニから、Zendプロダクトおよびサポートなどを新会社に移管します。営業開始は、平成15年1月6日でございます。

とことで、テンアートニから業務移管しただけで資本関係はないので、子会社ではないのね。

そうか、角田さんテンアートニから離れてたんだ。

_ [家族]データ消失

うちの次女は最近「メモ帳」で日記を書いているのだが、 今日操作ミスで一週間分の内容を失ったらしい。 あまりのショックにしばらく怒りに打ち震え、泣き叫んでいた。

娘よ、お父さんにもそういう経験があるよ。 もうちょっと大きくなってからだったけどな。 雑誌からダンプリストを何日もかけて打ち込んだのに、 「save」と「load」を打ち間違えて一瞬で全部消えてしまった。

コンピュータの非情さを学んだ一瞬だった。 あの時はショックだったよなあ。


2003年12月10日 [長年日記]

_ [OSS]オープンソース・ビジネス・リーグ(2)

greenteaさんが怒ってらっしゃる。その怒りは理解できないでもない。

バカが征く」はリンクしにくいんでこっちで要約しよう。 greenteaさんの指摘する問題と、それぞれに対する私の意見は以下の通り。

会員にならないと利用できないんなら、それはオープン・ソースじゃないでしょ?

その通り。しかし、「オープンソースを利用するには、リーグ会員となる必要があります。」 という記述は、 株式会社フォーワンファーストによるものでゼンドのものではない。 ライセンスをはじめとするその他の記述との整合性を考えると、 こっちの記述が間違いである可能性が高い。 つまり株式会社フォーワンファースト(の担当者)の無理解が原因である。

それはそれで困ったものだが、彼らがオープンソースに貢献しようという態度をキャンセルするほどには まずくはないと思う。

出資したゼンドが、オープン・ソースを誤用するナンタラリーグに加担してるのか、してないのか。それは極めで重大なことですよね?
オープンソース・ビジネス・リーグがオープンソースを誤用しているかどうかは微妙。 無知や無理解を露呈しているのは事実だが「極めて重大」というほど重大かどうかというと私には疑問である。 ここでは叩くよりも指摘して改善を期待する方が建設的だと思う。
肝心のナンチャラリーグのライセンスですけど、自分が一番疑問に感じたのは「乙は、甲が要求する場合、改変したプログラムのソースコードを甲に提供しなければならない」という文言です。
これは気づいてなかった。 確かに、厳密に読むと改変するだけでソースコード提供の義務が発生してしまう。 この条項は廃止するか、せめて 「再配布する場合」という制限を付ける必要があるだろう。 ちなみにこの条項は「日医ライセンス」にはない
「GPL日本改」ってのもいかがなものですかね。FSFに叱られませんか。
マーケティングの連中のやることはこんなもんか。段階をおって啓蒙する必要があるでしょ。

それと、この件に関して私はgentlemanというわけではなく、 オープンソースをビジネスとする身として、 住んでいる領域が彼らの領域に近いってだけだと思うなあ。


2003年12月11日 [長年日記]

_ [ゲーム]くまうた

江渡さんから宅急便が届く。中身は「くまうた」。 先日、京都でお会いした時に、

いやあ、ゲームを作りまして。 「くまうた」っていうんですけど、 私の担当した部分プロトタイプはRubyで作ったんですよ。

とか話していらっしゃったぶんだ。江渡さんは自動作曲機能を担当されたそうだ。

しかし、私、PS2どころか自宅にゲーム機が一切ないんですけど...。

とりあえず、金曜の会社の忘年会にPS2を持ってきてもらって遊んでみようという話になる。

_ [ゲーム]insaniquarium

うちにゲーム機ががないのは、私があんまりゲームが得意でないのと*1、 子供の教育のためなのだが、先日 insaniquarium を目ざとく見つけた息子がはまってしまった。 ゲーム経験の少ない6才児にはあまり難しいゲームは遊べないのだが、 これはレベルがちょうど良かったらしい。

免疫がないからはまりまくり。ちょっと厳しくしつけないといけないかなあ。

*1  でも、rogueとかxsolはたまに遊ぶ

_ [日記]テーマ

クリスマスが近いんでテーマを変えてみました。でも、クリスマスが終わったらまた戻すかな。


2003年12月12日 [長年日記]

_ [Ruby]面倒なバグ

test/unitの作者、Nathaniel Talbottが悩んでいる。[ruby-talk:87519][ruby-core:01943]

libpthreadをリンクしたライブラリを実行するとRubyがブロックしてしまうらしい。 手元でテストすると--enable-pthreadしたライブラリではごくまれに発生する。

デバッガで追いかけると __pthread_wait_for_restart_signal()の中で、 sigsuspendをするところで止まっているようだ。

現象を推測するとpthread用の割り込み(SIGUSR1または__pthread_sig_restart)と Rubyスレッドの割り込み(SIGVTALRM)のハンドラが呼ばれるタイミングによって、 sigsuspendが効かなくなる(あるいはsigprocmaskが壊れる)ようなんだけど。

__pthread_wait_for_restart_signal()でgoogleすると、 「ハングします」というレポートがいくつか見つかるので、よくある問題らしいのだが、 こまったことに、どのレポートにも有効な答えが付いていないようだ。

困った。

_ [会社]忘年会

今日は玉造温泉で会社の忘年会です。 東京事務所も含めて全社が一堂に会するのは年に一度しかありませんから、 貴重な機会です。

上のバグが気になるので、宴会中にデバッグということにならないといいなと思っているのですが (思っているならしなきゃいいのに)。

では、行ってきます。

_ [会社]忘年会(その2)

というわけで、忘年会です。温泉に入って、おいしいものを食べて、滅多に会わない人とも話をして。

今年は体調不良で欠席の一人を除いて全社員が出席でした。 この人は去年も体調が悪くて忘年会に出れなかったんだよなあ。鬼門か。 去年は他にも仕事の〆切に追われて出席できなかった人もいましたが、 今年はずいぶん平穏だったようです。

さんざん食べた人や、さんざん飲んだ人や、アルコールは一滴も飲まずに車で帰った人や、 飲み過ぎてコアダンプした人や、旅館のエレベータの前で寝入ってしまった人や、 いろんな意味で暴れた人や、PS2を持ち込んで「くまうた」をプレイした人や、 やっぱりデバッグした人などがいました。

えー、しらふの目から見ると、社会人としてこれはどうかという行為も散見されましたが、 酒の席ということで口外しないことにします。でも、来年も同じことしないでくださいね(苦笑)。

私は近い(徒歩5分)ので深夜2時頃に自宅に帰りましたが、ほとんどの人はそのまま会場の旅館に泊まりました。 東京組(の一部)は明日は大山でスキーだそうです。気温が下がったので今日あたり雪が降ってるかもしれません。

_ [ゲーム]『くまうた』

くまうた(-) で、『くまうた』です。 どうもレアモノで入手困難という噂も聞きます。

私の周りでは評価が真っ二つに分かれました。「これは面白いっ」という反応と、 「ぜんぜん盛り上がらない、低調」という反応です。

私にはゲームに関する経験がないので、これがゲームとして良いのか悪いのか、 売れ線なのかどうなのか判断することはできないのですが、 個人的に「プログラムを育てる」モノが好きなので、結構面白く思いました。

ただ、くまの演歌のランキングが高かったり低かったりするのですが、 評価基準が全く予想できないので、ややモチベーションが下がりました。

最後には「くまうたTV」で自動生成した演歌を聞き続けて環境ビデオとして楽しみました。 というか、結局はこの「自動生成した曲を聞き続ける」というのがこのゲームの一番の機能ではないかと。

前田くんは「予定調和な音楽なら同じことができそう、演歌だけでなく、クラシックとかヘビメタとか」と 語ってました。江渡さん、「くまうたヘビメタ版」とかどうでしょう?

_ [Ruby]pthreadバグ

で、温泉に入って同僚とpthreadについて語り合っている時にひらめきましたよ。

これはたぶんLinuxThreadのバグで、 pthreadのコンテキスト操作とSIGVTALRMの割り込みのタイミングの関係でブロックしてしまうのだろう、 ということは、pthread対応時には割り込みを止めてタイマー処理用のスレッドを起動してはどうだろうかと。

で、いろいろいじって完成したのですが*1、 ブロックする頻度はずいぶん下がったようです。でも、まだたまに止まるなあ。

*1  また宴会中にデバッグしてしまった


2003年12月13日 [長年日記]

_ [Ruby]pthreadバグ

その後、あちこち修正することにより、私のマシンでは一晩テストプログラムを動作していても ブロックすることはなくなった。でも、Guy Decouxのところではまだブロックするらしい*1

しかし、この副作用により、使えるスタックが減ってしまい、再帰が深いとエラーが発生するなあ。

これはVM化するしかないのか。しかし、それは茨の道だ。

*1  その後、[ruby-core:01969]の中田さんの修正で直ったようです


2003年12月14日 [長年日記]

_ [教会]岡山

今年最後の岡山での会議。久しぶりに自分で運転した。

朝は結構冷え込んでいて、米子道では凍結した橋の上でスリップ事故があった。 私の車もまだタイヤを履きかえてなかったので、 事故車を見かけなかったら派手にスリップしてたかも。くわばらくわばら。

今度晴れたらタイヤ換えよう。


2003年12月15日 [長年日記]

_ [日記]日付違い

16日付けのこれ らの エントリは、本当は15日分です。

_ [家族]防犯ブザー

ここは田舎とはいえ、物騒なことが起きないとは限らないので、 娘たちに防犯ブザーを買い与える。 紐を引っ張るとけたたましい音がして、相手をひるませるというものだ。

で、ためしに紐を引っ張ってみると予想外に大きな音がした。 いや、小さい音では役に立たないので大きな音なのは当然なのだが。

で、紐の先についているピンを戻せば音は止まる、はずであったが、 なかなか戻らない。簡単に戻せては悪党に止められてしまうので、 解除ボタンを押しながらでないと戻せないようになっているのだそうだ。

そこまではいい。落ち着いて解除ボタンを押しながらピンを戻せば音は止まるはずであった。

問題は、その場にいた家族全員が「自分こそは音を止めることができる」と信じて疑わず、 けたたましい音で鳴り続けるブザーを取りあいになったことだ。誰かが途中までやりかけて 少々まごつくと別の誰かが取り上げて自分でやろうとするのでいつまでたってもうるさいままだ。

まったく似た者家族である。ご近所には迷惑をかけたかも。


2003年12月16日 [長年日記]

_ [会社]宴の跡

金曜の忘年会のあと、 週末スキーに行って体調を崩した人、 ゴルフに行って風邪をひいた人、 とにかくなんだか具合の悪い人が続出。遊び過ぎです、みなさん。

_ [Ruby]インスタンス変数

先日のスライドでの インスタンス変数の変更に対して、ruby-talkで異論がある人が結構多い。

複雑になるのを嫌ってのことのようで、理解できないでもないのだが、

  • "@_"というprefixが嫌
  • インスタンス変数の挙動が説明しにくくなるのが嫌
  • 今までのプログラムが動かなくなるのが嫌

のそれぞれが整理されずに噴出しているようだ。

しかし、複数のモジュールが使うインスタンス変数が、重なっちゃった時には悲劇なわけで、 それを確実に避ける手段はなんとかして提供したいんだが。

あるいは「:=」を、初期化されていないことを検証する代入として導入すると、 重複の検出だけはできるようになるなあ。自分の管理下にないもの同士が重複しちゃうと 検出しただけでは駄目なんだが。

_ [OSS]オープンソースビジネス

オープンソースに関する記事みっつ。後ふたつはk3cの日記から。

  • オープンソースは日本のソフトウェア産業に福音をもたらすか

    オープンであることを強みに換えようという鼎談の記事。 この記事には当たり障りのない内容しかないけど、現場にいれば面白い話があったかも。

  • 誤解していませんか? オープンソース「ホントのホント」

    日本随一の(唯一の?)オープンソースジャーナリストとして名高くなった風穴さんの記事。 OSDを満たすことよりも、その結果成立するバザールモデルが重要との内容。

  • オープンソースビジネスは成立するか?

    Web Publisherの作者である成島さんによるオープンソースビジネス論。

    作者がオープンソース関連ビジネスをやらないようなら、その作者が行うオープンソースプロジェクトの価値自体を見直したほうがいいのではないかと思います。なぜなら、作者がそれをやらないということは、そのオープンソースの価値もそこまでだということだからです。

    オープンソースを書くことによって自分にどういう利益があるのか、これを意識しないオープンソースはダメだと思います。惰性でオープンソースを書いていては、長続きしません。

    というのは残念ながら自分の立場の押しつけの印象がある。 オープンソース開発者の意識やスタンスはそれこそ多種多様である。

    しかし、気持ちはわかる。私自身もいわば「オープンソース作者を抱え込むメリットがある組織に属」する方法を実践しているわけだし。オープンソース開発で飯を食う人はもっともっと増えるべきだ、というのは私の持論なので、 ぜひ実践していただきたい。期待している。

_ [OSS]オープンソースなライフプランニング

オープンソースビジネスは成立するか?」が、 たださんのところでも話題になっている。

その中でも

開発者として、オープンソースだけでメシが食っていけるならそれに越したことはない。おれもつい先日、某誌から受けたインタビューで「できることならそうしたい」と言ったし。Linux KernelやRuby、それからWeb Publisherのようなインフラに近いプロダクトは寿命が長いので、うまくすれば継続して収入をもたらしてくれる可能性は高い。逆にアプリケーションは寿命が短いので、そのプロダクトだけで食っていくのは難しいだろう。

しかし新陳代謝の激しい業界である。いくら寿命の長いソフトを作っても、いずれは使われなくなる時が来る。その時のことまで考えたライフプランニングはあるのか。例えば単一のソフトウェアプロダクトを元に興されたベンチャー企業が、製品寿命を越えて生き延びるために買収や合併を繰り返すのと同様、オープンソースの作者だって(それで食っていくなら)より長く生き延びる方法を考えなくては。

という部分は私にない視点であった。私は自分の得意分野が変化がゆっくりで寿命が長い プログラミング言語なので、上記のことはあんまり意識していなかった。確かにそうだな。

ただ、「きちんとしたプロジェクト」の寿命はそれなりに長い(10年スパン?)と思うのだ。 もちろん立派なプロジェクトでもっとずっと早く使われなくなるものは多いけど、 それは寿命がきたというよりは、むしろ「継続できなかった」という問題ではないかと。

となると、「最初の難関」を乗り越えたオープンソース開発者の次の目標は、 十分長い期間継続することでプロジェクトのプレゼンスを増すことで、 最終的な目標は、その「ある程度長い期間」の間に今度は自分の プレゼンスとか地位とかいうようなものを確立すること、ではないだろうか。

そんなあやふやなのはライフプランニングとは呼べないかもしれないが、なに、 ほとんどのベンチャー企業の将来に対する目論見もその程度だ(暴言)。

オープンソース開発者は、オープンソース開発(特にバザール体制による開発)が楽しいのでやっているのだが、 プロジェクトが成長するにつれだんだん片手間では手に負えなくなる。ここで、選択肢がやってくる

  • 発展のペースを抑え、片手間に終始する
  • 集団管理体制に移行する(あるいは他の人にバトンタッチ)
  • それで生計を立てる

前二者は継続性について不安がある。これらに成功せず衰退したプロジェクトは多い。 後者は結局「プレゼンスの向上」こそが鍵である。これをいかに実現するか。

(結論のないまま終わる)。

_ [OSS]オープンソース作者を抱え込むメリット

について質問された。きっと、このメリットは「企業にとって」という意味だろう。

普通に考えると

  • そのプロジェクトが継続されることが保証される

というのが一番大きい。オープンソースプロジェクトを使う時に一番不安なのは継続性だ。 途中で消え去ってしまうものがいかに多いことか。 もちろん、ソースが公開されているのだから、たとえ主開発者が引退しても 原理的には継承できるのだが、そんなに簡単というわけではない。 ならば、いっそ主開発者を抱えることで すくなくとも自分が必要な間の継続性を保証しようというのは論理的な企業戦略だ。

その他に重要そうなものを考えてみると

  • オープンソースプロジェクトを支援することで、 その企業のオープンソースへの取り組みが真摯であることを証明できる
  • オープンソース開発者の名前と技術を一種の企業の看板にできる(ブランドの確立)
  • オープンソース開発者から技術移転により社内の技術向上が期待できる
  • オープンソース技術者が働きやすい環境として認知され、他の技術者を集めやすい

などがある。要するに「Rubyの作者」を一人飼うのは、 雑誌に広告を出したり、リクルートに募集依頼をしたりするよりずっと安くて効果的ってこと。


2003年12月17日 [長年日記]

_ [Ruby]XP

もちろん、Windows XP のことではない (お約束)。

ふぇみにん日記より。

Linux Magazine のまつもとゆきひろさんの連載で XP について触れてあり、今さらながら XP のお勉強をちゃんとしようかなと思っています。

Webという性質上、Matzにっきの方には頻繁にコメントや反応があるのが肌で感じられるのだが、 おそらく何倍も多くの人から読まれているはずのLinux Magazineの連載に対する反応は めったに見かけないので、こういうのは嬉しい。

しかし、はたから見ているだけの「評論家」の私が書くよりも、 実際に何度もXPプロジェクトを経験している前田くんがXPについての実践的な記事を書いた方が 世の中のためになりそうな気がするなあ。どう? > 前田くん


2003年12月18日 [長年日記]

_ [OSS]オープンソース作者を抱え込むメリット(2)

Moleskinさんは、昨日一昨日

  • オープンソースプロジェクトを支援することで、 その企業のオープンソースへの取り組みが真摯であることを証明できる
  • オープンソース開発者の名前と技術を一種の企業の看板にできる(ブランドの確立)
  • オープンソース開発者から技術移転により社内の技術向上が期待できる
  • オープンソース技術者が働きやすい環境として認知され、他の技術者を集めやすい

に対し、

3番目のやつはともかく,それ以外は宗教団体あるいは企業なんかで芸能人や文化人が果たす,俗に「広告塔」と呼ばれる役割とどのへんが違うのでしょう?

(中略)

身に付けたスキルで直接的に飯が食えない商売って,やっぱり問題あると思うよ.

コメントしておられる。

で、最初の質問に対する答えは「違わない、広告塔上等」である。

オープンソース開発者(というか私)にとって重要なのは、 好きなこと(開発)をやって食べていけることであり、 それができるのであれば、企業が私のことを広告塔と見なしていようがなんだろうが 別に気にしないことにしている。 企業が私にどのように価値を見いだすかということと、 私がなにを企業に求めるかということはある程度独立だ。

後者に関しても、私は気にしない。 身につけたスキルがあるからこそ広告塔になれるわけで。 「身に付けたスキルで直接的に飯が食えない商売」って、 それこそ星の数ほどあるのだが、それについてもそれが世の中の現実としかいいようがない。

やりたくもない「スキルで直接的に飯を食う」仕事をするよりは、 広告塔になってでも好きなことをして飯を食う方が私にとっては百万倍健全だ。

とはいうものの、

「プレゼンス」とか「業界内の地位」なんてのは技術力とは直接関係のない話で、 どちらかといえばマーケティングに近い領域だ。 そこに面白くないものを感じる私がいるのは事実だけどね。


2003年12月19日 [長年日記]

_ IVME03

午前中、IVME03の論文集を読んでいたら 寝入ってしまった。やっぱ英語の論文は辛いわ。

注目したのは午後のsession 3で発表された以下の論文。

  1. Generation of Fast Interpreters for Huffman Compressed Bytecode

    Mario Latendresse (FNMOC/US Navy), Marc Feeley (Universite de Montreal)

  2. The Case for Virtual Register Machines

    Brian Davis, Andrew Beatty, Kevin Casey, David Gregg and John Waldron (Trinity College Dublin)

  3. Dynamic Native Optimization of Interpreters

    Gregory T. Sullivan, Derek L. Bruening, Iris Baron, Timothy Garnett, Saman Amarasinghe (MIT)

簡単に紹介すると、(1)はメモリが少ないデバイス用にハフマンエンコーディングしたバイトコードを高速に解釈するインタプリタについて。(2)はレジスタベースのバーチャルマシンについて。参考文献にはParrotがあったりする。(3)はLightweight Languageという言葉の生みの親Greg Sullivanがfirst author。難しくて(寝てしまったし)よくわからなかったので、また後で読もう。Gregはここで紹介されているPartial Evaluationを使ったDyamicRIODynamoRIOという技術を Rubyに適用しようと考えていたようだが(何度もRubyの実装に関する質問メールをもらった)、 この論文ではOcamlを使っている。あんまり実装がきれいじゃないんであきらめたかな。

しかし、このカンファレンス出た方が良かったかなあ。来年はどうしよう。


2003年12月20日 [長年日記]

_ [車]タイヤ交換

雪。寒い中だるまのように服を着込んでタイヤ交換。前回のようなバカな真似はしないぞ。 でもあんまり寒いんで前輪交換だけで挫折。後輪は後で換えよう。

_ [家族]クリスマス

近隣に住む妹家族と弟家族とともに米子の実家に集合。総勢14名。 ほんとに全員集まるとさらに5人追加。一族と呼ぶにふさわしくなってきてるな。 となると親父は族長(patriarch)か。冗談のような本当の話。

クリスマスの歌やプレゼント交換などが行われる。 料理がまったくクリスマス的なメニューでないのは、 日本的クリスマスという伝統が生まれつつあるのか。 違うような気もするが。

宣教師として働いている弟へのメッセージをテープに吹き込む。


2003年12月21日 [長年日記]

_ [教会]倉吉訪問

今週は倉吉だ。倉吉の教会には以前に二度ほど行ったことがあるのだが、 いつも乗せてもらっていたので、自力で運転していくのはこれが初めてだ。 誰に聞いても「倉吉の教会はわかりにくい場所にある」と口をそろえて言うので 不安だったのだが、案の定迷った。 十数分迷ったあげく到着したのは9時過ぎだった。所要時間2時間弱。 早めに出ていて良かったなあ。

今日はクリスマスということで「キリストの愛」がテーマ。 クリスマスのテーマは愛であり、その愛は世間で言われているような「男女の愛」よりもむしろ、 「友愛」や「慈愛」あるいは「神の愛」であるというような話。 また、クリスマスは思い出す良いきっかけではあるが、神の愛に感謝し、実践するのは 本来一年中であるべきだろうとか。

引用した聖句

  • ヨハネ3:16
  • ヨハネ14:15
  • ヨハネ15:12
  • ヨハネ15:13

『ヨハネによる福音書』ばっかり。私が好きだからなんだけど。

ところで中田さんにそっくりな人が倉吉の教会にいるんだけど、 親戚じゃないよねえ。

集会終了後バプテスマ会がある。いろいろ事情があって人生について深く考えていたところに 宣教師に出会ったということで、偶然以上のものを感じるとのこと。 非常に真摯に福音を探求する姿勢には敬服させられた。

_ [日記]Journal InTime

前田くんの日記がtDiary化している。しかも、写真まで。

うちの子(たち)もかわいいぞ。前田くんのところよりもずっと大きいけど。 でも誘拐されると困るから、写真は公開しないのだ(激バカ)。


2003年12月22日 冬至 [長年日記]

_ [Ruby]1.8.1リリーススケジュール

例年のようにクリスマスリリースを検討しているのだが、間に合うだろうか。

えらい手間がかかった[ruby-dev:22307][ruby-dev:21899]は根治したみたいだから、 今日(22日)にpreviewを出して、問題が無ければ24日か遅くとも25日リリースできるかな。

私の気分としてはとっとと1.9を始めたいんだけど。いっそ誰かに1.8は任せたい。

_ [Ruby]直前のバグフィックス

クリスマスにリリースすると宣言した途端にいろいろとバグレポートがやってくる。 一番の難物はやはり-lpthreadとリンクしたライブラリと一緒に使っていると、 ハングするか、落ちる、というものだろう。 test/unitの作者Nathaniel Talbottのところで頻発している。

getcontext(3)を使うと落ちなくなるらしいが、ブロックはなかなか止まらない。 どうもpthread_mutex_lock(3)の最中にシグナルハンドラからコンテキストスイッチが起きると駄目、 のような気がする。手元で再現しないんでテストできないんだけど。

しかし、-lpthreadをリンクするとスタック領域が浅くなるので現在のRubyではつらい。 FreeBSDでは標準のtest suiteでさえスタックが足らずに実行できない。


2003年12月23日 天皇誕生日 [長年日記]

_ [教会]クリスマス会

教会でクリスマス会が開かれる。 降誕劇やゲーム、コーラス、ハンドベル、ケーキなどわりと普通の出し物であったが、 まあなごやかな雰囲気に終始し、私としては満足。

娘は学校の友達を呼んでいたが楽しんでもらえただろうか。

長女はそのままキャロリングに参加してきた。

_ [Ruby]リリース準備

バグ取りに追われる。で、一段落ついたらすっかり明るいってのはどういうことよ。

24日リリースは無理。


2003年12月24日 クリスマス・イブ [長年日記]

_ [Ruby]リリース準備

やっぱLinuxThreadのバグなんだろうなあ。とても手に負えない。 1.8.1ではあきらめ。

今日、寝る前にリリースしよう。

直前にたくさん直したので不安はあるのだが、 今までで一番テストしているリリースでもある。


2003年12月25日 クリスマス [長年日記]

_ [Ruby] Ruby 1.8.1 リリース

早朝5時にリリース。クリスマスの約束は果たしたな。

ところが、リリース直後にevalにメモリバグが発見されてげんなり。 よく見ればリリース前に実行したvalgrindのログにもこのバグの兆候が示されていた。 寝不足で集中力が落ちていたのだろうか。

いちおうパッチを[ruby-dev:22415]に用意した。

_ [Ruby] 1.8ブランチ

1.8.1が出たのを機会に1.8ブランチを用意する。しばらくはHEADブランチ(1.9)と1.8ブランチの 両方をメンテする必要があるので面倒だ。

_ [日記]遅れ

1.8.1リリースで燃えつきていて、日記がまた遅れてしまった(書いているのは27日)。

一段落したので追いつくべく努力しよう。

_ [OSS]プレゼンスの維持にもコストがかかる

moleskinさんからの(一応)反論をいただく。

プレゼンスの維持にもコストはかかるのである.残念ながらプレゼンスや地位を確立したからといって楽隠居できるわけではない.むしろその逆である.

そして「プレゼンスや地位を維持して収入を得る」人間が陥りやすい陥穽は,そういう人間は遅かれ早かれ「プレゼンスや地位を維持するための仕事をやる」羽目になるということだ.僕が揶揄したような芸能人や文化人はその典型である.

まつもとさんは18日の日記で「やりたくもない「スキルで直接的に飯を食う」仕事をするよりは、広告塔になってでも好きなことをして飯を食う方が私にとっては百万倍健全だ。」と言われたが,広告塔の地位を守るためにやりたくもない仕事をするのは,やりたくもない「スキルで直接的に飯を食う」仕事をするよりも百万倍不健全だとは思いませんか?

これ以上続けてもあまり面白いネタは出そうにないのだが、一応指摘しておくと

  • プレゼンスの維持は手段であり、目的ではない
  • 「プレゼンスや地位を維持するための仕事をやる羽目」は、 陥穽*1かもしれないが、必然ではない
  • よって、百万倍不健全だという「広告塔の地位を守るためにやりたくもない仕事をする」ことを する「必要」はない。してしまう人はいるかもしれないが、私はしない。
  • 講演や雑誌の原稿を書いていると「ぼくはプログラマでライターじゃないんだけど」と思うことはある。 が、これはプレゼンスの維持が目的ではない。目的は啓蒙と情報提供とおこづかい稼ぎである。 仮にそれによってプレゼンスが拡大されたとしてもそれは副作用である。
  • moleskinさんによれば「人気商売は本質的に不健全だ」だそうだ。 そうかもしれない。共感する部分もある。 でも、それならあえて不健全さを忌避する理由もあんまりなさそう。

ま、陥りやすいからといって必ず陥るわけではない、陥りやすいから気をつける必要がある、 という結論か。ああ、つまんないオチだ。

*1  陥穽(かんせい) - 陥りやすい穴。知らなかった

_ [家族]クリスマス会

家族でささやかなクリスマス会。ケーキはすでに安くなっていたそうだ。


2003年12月26日 仕事納め [長年日記]

_ [仕事]仕事納め

今日は会社の仕事納め。午前中はみんなで事務所の掃除、のはずだったが、 生活の乱れから朝起きられず、会社についたらお昼が近かった。うーむ。

あわてて机の上を掃除する。要らない書類やカタログなどを大量に廃棄。 積み上がった資料や書籍を本棚に返す。ほとんど読んでない電子通信学会の冊子も廃棄。 ACM communicationsやSIGPLAN Noticesは本棚に整理。

やっと机の表面が見えるようになった。普段はノートPCを置くスペース以外は紙と本に埋もれているものな。 毎年同じようなことをしている経験からいうと、このきれいな状態は一ヶ月は保たない。

_ [取材]Linux World

IDGジャパンのLinux World誌の取材を受ける。 オープンソース開発者のインタビューをする 『オープンソース・ブギウギ』という見開きの連載だそうだ。

過去には、ただただしさんとかも取材されている。

しかし、たった2ページのためにライターとカメラマンの二人を松江まで出張させるとは IDGも豪気なことだ。Rubyの特徴や経緯、思想など好き勝手にしゃべったが、 いったいどういう風にまとめることだろうか。楽しみではある。

インタビュー後、事務所の前で写真撮影。レフ板を配置したり、光量を測定したり、 なんだかおおげさな撮影で変な気分。

以前、Tech B-ingの取材を受けた時にもたった1枚の写真のために何十枚も撮影して、 びっくりしたことがあるが、今回も同様だ。

カメラマンの人はさすがに立派なカメラを持ってるな、と思ったらデジカメだった。 文明は進歩している。


2003年12月27日 [長年日記]

_ [原稿]年内〆切

アスキーから出るという『LL Magazine』の原稿(計5ページ)と、 『CODE Reading』の監訳の仕事が両方とも年内の約束である。 例によって引き伸ばしと怠慢によってぎりぎりになりそうだ。

『LL Magazine』ってのは夏に開いた『LL Saturday』の内容をベースにしたもので、 ここでの「LL」は当然「Lightweight Language」のことだ。

私の担当分は以下の通り

  • LL Magazineに寄せて(献辞)

    各言語のデザイナーからのLL Magazineによせる言葉。 Larry, GuidoからはOKをもらったらしい。PHPのZeevにも頼んだそうだが。

  • Lightweight Languageとは?

    一応、日本でLightweight Languageの定義を語る人物といえば、まつもとだろう、 ということで、私に依頼が来た。LL Saturdayでの発表をベースに総括する。

  • Language Update

    各言語の最新情報。Rubyについては、

    • 1.8.1と1.9について
    • Ruby2とRiteについて

    を報告。

『LL Magazine』いつ出るんだろう。

CODE Reading』はすばらしい本なので、 ぜひ日本語化のお手伝いをしたいということで引き受けた。

_ [OSS]「オープンソースとエンジニアの決意」

@ITのDevelopment Style Round Table Talkingなるインタビューの3回目。

この座談会の第1回は、 この日記でも11月25日にコメントしている。

今回も面白そうなタイトルであるが、内容はタイトルを反映していないように思う。 決意について語ってるところあったかな。

興味深い発言としては、浅海さんの

つまり、利用者が無料で使えるというのは確実にいいことなんですが、無料で提供した人が得をするかというと、現状では得をしないんですよね。IBMのように大きな枠組みを構築できる企業は得をするかもしれません。しかも、もしもの場合は別のところでもうけて損失を補填する体力がある。しかし、オープンソースの中核を担う、あるいは担ってほしい人たち(多くの場合個人)は得をしないモデルなんですよね、いまのオープンソースというのは。この辺、どうすればいいのかなと考えてしまうんですが。

(中略)

いまは、オープンソース・プロジェクトの成果が全部法人に還元されてしまうじゃないですか。作った人はほとんどもうかっていない、一部の例外を除いて。また、優秀なエンジニアを個人として社会的に引き上げるシステムが絶対必要なんですが、いまはそういうシステムがないでしょう。

ま、事実の指摘としては、そういうところはなきにもあらずである。 この状態を称して「オープンソースの弱点」とあげつらう人がいるのが問題である。

あ、浅海さんは弱点なんて言ってませんよ。

たとえば、サッカーの試合のチケット収入は興行者に入るので、直接プレイヤーの財布には入らない。 しかし、それを問題視する人はいない。最終的に一部はプレイヤーに還元されることが分かっているからだ。

オープンソースで同じことが成立しない理由があるのか。あるいはまだ環境が整備されていないだけなのか。

個人的には後者だと思う。もちろん、サッカーと違って、 オープンソースソフトウェアは誰でも対価を払わないで利用してもかまわないという点が 違うといえば違うのだが、この条件がオープンソースの発展の障害となることはないと考える。

みんなは知らなかったかもしれないが、すぐれたオープンソース(フリーソフトウェア)は ビジネス的に注目されずもっと経済的に厳しい状況の中でもずっと生き延びてきていた。 ここ何十年も成立してきたものが、注目され状況がかえって良くなっている現代で成立しないと考える人は、 要するに「自分の常識で説明できない」から否定しているだけではないだろうか。

もうひとつの理由は、私は企業はそんなに馬鹿ではないと考えていることだ。 近視眼的には「ほっておいても無料で手に入るものに金を払うのは馬鹿だ」という考えもあるだろう。 しかし、オープンソースを活用する企業がオープンソースが振興するために投資することが 長い目で見れば非常に有効であることは、ちょっと考えれば分かるだろう。 「海に行けば魚が獲れるのに養殖するのは馬鹿だ」と公言するのはあまり利口に感じられないのと 同じようなものではないだろうか。

まだ、システムは確立していないのは事実だ。 オープンソース開発者でオープンソースだけで食べていける人は少ない。 これも事実だが、しかし、現時点までの状況ではかなり希望があると思っている。

100年前、「野球で飯を食う」と公言するとかなり笑われたと思う。 しかし、多くの人がシステムを構築してきたので、年収数億円のプレイヤーが登場するようになった。 今、「オープンソースで飯を食う」といっても「ありえない夢」と思われるかもしれない。 だが、そんなに遠くない未来には「簡単ではないけど実現可能な夢」と認識されるようになると、 私は固く信じている。いや、すでに「簡単ではないけど実現可能な夢」になっているのだ。 プロ野球選手になるよりは100倍簡単だと思うぞ。

ところで、全然違う話だが、この座談会では、第2回のタイトルが「日本発の独自技術を開発する」だったりして、 「日本独自」ということに結構こだわっているように見える。

そんなにこだわる必要あるのかな。ナショナリズムの昂揚とか?

_ [車]タイヤ交換

後輪もやっと交換。このぐずぐずした性格はなんとかならないものか。

_ [TV]ブラックジャック

録画してあったものをようやく見る。原作に妙に忠実かと思えば、 極端にアレンジしてある部分もある。 しかし、原作に忠実な部分は見られるが、 アレンジしてある部分は妙にできが悪い。 なんでアレンジしたかなあ*1

本間先生*2のエピソードで石の鞘を捨てるところは不要。まして娘など。 最悪はU-18のエピソード。「一緒にやり直しましょう」とか「私があなたのお母さん」とかのセリフには 寒気さえ覚えた。だいたい触ったり動かしたりできる立体映像ってなんだよ。

感動させようとして追加した部分が蛇足以下。 やはり手塚治虫の真似は誰にもできないということなのか。

アレンジされた部分で納得できたのはU-18のエピソードでのピノコの携帯の扱い。 あれは現代風で自然だった。別に必要でもないけど。

追記

ブラックジャック病? そんな病名だったかなあ。動物も人間もちっちゃくなっちゃう病気。 本間先生かどうかは覚えてないんだけど(たぶん違うけど)、 あの鼻と恩師という設定は記憶にある。

*1  アレンジしないとクリエータとして創造性を否定されたと感じるのかも。

*2  そういえば本間先生ってアフリカの奇病にかかって死んだんだと思ってた。このエピソードも記憶にあるんだけど。

_ [TV]『鋼の錬金術師』

たまに見ると面白い。この世界では国家錬金術師はそれぞれ独自の銘をもっているらしい。 主人公エドワード・エルリックの銘は「鋼」なので『鋼の錬金術師』ということだ。 ということは、あれだけたくさんいる国家錬金術師の中には銘が「」とかいうのがいて..(バキッ

それはともかく、なんでもありの魔法ではなく科学としての錬金術を表現しようとしている点が 面白いといえば面白いが、その制約が「等価交換」としか表現されていないうえに、 ほとんど説明がない(「質量保存」と「属性不変」ってのはあるらしい)ので、 やっぱり魔法と大差ない。

もうちょっと理論的背景をほのめかしてくれてもいいのになあ、 と思うのは硬めのSF好きのたわごとか。 そういうのが『よくわかる現代魔法』なんだろうか。 まだ読んでないが。


2003年12月28日 [長年日記]

_ [教会]今年最後の日曜日

というわけで今年も終わり。 最後くらいは松江で。やはり家族一緒だと子供たちも安心するらしい。 すまんな、お父さんの責任が忙しくて。 会社の用事よりもはるかに忙しいぞ。

一年のまとめとか。「み恵みを数え上げ」というテーマでのお話があった。 確かにたくさん恵みを受けていても、感謝の気持ちに欠けることはあるよな。 年の終わりには感謝の祈りをささげよう。いや、別に年の終わりでなくてもよいんだけど。

宣教師の任期を終えて帰ってきた兄弟が経験を報告してくれる。 2年間悔いのない生活を送ったと胸を張って話す姿はまぶしいくらいだ。 自分が宣教師していた頃を思い出す。あの頃、私は若かった。

集会終了後、「来年もどうぞよろしく」とあいさつを交わすが、 実際には、ほんの1週間後なんだよね。

_ [本]『どんどん目が良くなるマジカル・アイ

どんどん目が良くなるマジカル・アイ (TJ mook)(貴久, 徳永) という本を先日買っておいたのを眺めてみる。 立体視によって目の緊張がほぐれるという信じていいんだか悪いんだかわからないような本だが、 まあ、話のタネに、と思って(ちょっと遅いです)。 長女の視力が極端に下がっているので少しでも役に立てばという思いもある。

読むと、中に「目にいいブルーベリーエキス」の広告が入ってたりして、ますます眉唾感を高めてくれる。

ま、それはともかく、立体視には交差法と平行法とがあって、 目の緊張をほぐすためにはより遠くに焦点を合わせる平行法の方が良いらしい。

しかし、私は交差法しかできないのだ。

で、立体視しやすくなるための「マジカル・アイ」専用スコープなるものが付録についていたので、 「これを使えば私にも平行法ができるようになるかもしれない」と日曜工作。 しかし、ちっとも見えないのだ。どうも長年の近視生活のため、 焦点の合わせ方が近い方に最適化されているらしい。

息子に与えてみる。わずか数秒で「わあ〜、見える」だと。 まだ柔軟性が高いらしい。きちんと平行法で見えているようだ。

その後、スコープを使うことで家族全員が(風邪ぎみで挑戦しなかった一人を除いて)平行法に成功したが、 私だけはいくらやっても見えないのだ。なんだか悔しい。

_ [日記]テーマ変更

クリスマスは終わりましたよ」という指摘を受けたので、 テーマを変えてみる*1。 今回はeasyを選択。

ついでにCSSをいじったり、tdiarygrepによる検索を追加してみたりする。 さらにtdiarygrepのスタイル対応やプラグイン対応などしてたら日が暮れる。

なにをやってるんだ。

*1  ちなみにうちはまだクリスマスツリーが飾ってあります。例年、年が明けてもずっと


2003年12月29日 [長年日記]

_ [家族]帰省

妻の実家の山口市に移動。R9を240Kmほど西に。

私の実家も、今のうちも、妻の実家も国道9号線から少しだけ入ったところなので、 この国道沿いに移動するだけですむ。楽といえば楽だが一般道240Kmはちと遠い。

夕方には到着するが、移動するだけで疲れ切って、到着後昼寝(というかなんというか)。 こんな調子で原稿終わるんだろうか。

なお、帰省中はAirH"しかネット接続手段がないので、応答性が悪いことでしょう。 すぐ切れるし。

_ [原稿]LL Magazne

「Update」と「Foreword」は書いた。問題は「LLとは?」という文章だ。3ページもなに書くのよ。

_ [OSS]オープンソース生活の別の視点

はんばあぐさんのHysteric Programmer 日記 によれば、

議論にあたって、別の視点も必要だと思います。企業に雇われる場合と個人(自営業)の場合は、事情がかなり異なるので、わけて考えるべきです。さらにもうひとつの視点は、既存のオープンソースか自分が創設したものかです。場合分けは、合計4通りあります。

ふむ、考えてみたことなかったな。 ここでは「自分で創設」というよりは「主開発者かどうか」が重要でしょうな。

となると、えーと、

  1. 雇われ - 主開発者
  2. 自営 - 主開発者
  3. 雇われ - 開発協力者
  4. 自営 - 開発協力者

の4つか。しかし「自営 - 主開発者」ってのは現実的じゃないだろう。 「経営をなめるな」って感じか。あるいは「主開発者の苦労を知らないか」かも。

残り3つ。

残りのものについては「プレゼンス(存在感)があれば有効」というモデルはあまり変わらないような気がする。

たとえば、私は(1)のパターンだ。これについては以前に述べた。

他のものとしては、うちの会社には(3)のタイプの開発者もそれなりにいる。 これは「優れた技術者」としての立場を武器にオープンソースへの貢献を認めてもらっているタイプか。 同時に自分が優れていることを示す道具としてオープンソースの貢献を利用しているとも考えられる。 うまくいけば理想的なケースだろう。

最後のケースはどうだろう。うちの社長は新しいプログラミング言語を覚えるたびに その言語で逆ポーランド電卓プログラムを作る習慣があるが、 そういうのはここでいう「開発協力者」でも「主開発者」でもないだろうな。 オープンソース関連の事業をすることでオープンソースの間接的に開発に協力しているというケースは良く聞く。

日本ではあまりないような気がするが、たとえばDave Thomasのような独立系コンサルタントは、 自営に分類できるかもしれない。彼は仕事が忙しくない時にオープンソースソフトウェアをいくつか開発している。 最近の彼のヒット作はRuby版JavaDocとでも呼ぶべきRDocである。 こういうのは、あるいは「自営 - 主開発者」に分類してもよいのかもしれない。 小粒なプロジェクトが多いけど。

そういえば、Eric Raymondとかも小さなプログラムを開発しては、 他の人にメンテを譲ったりしている(fetchmailとかbogofilterとか)。 彼が自営と呼べるかというのはよくわからないのだけど。普段なにやってるか知らないので。


2003年12月30日 [長年日記]

_ [原稿]LLとは?

朝5時までかかって書きなぐる。Lightweight Languageの定義なんて数行で終わりそうなテーマで 3ページぶんも書くために、LL1の話題から始まって、プログラミング言語50年の歴史を最初からたどった上、 100年後の未来の言語を夢想するという怪作。

あんまりにも怪作なんでちょっとは見直した方が良いかなあ。 それともこの勢いを大切にした方が良いか。

追記

LLについて語る時の参考文献になる」というのは おおげさだと思いますが、少々毒を弱めて入稿しました

_ [家族]温泉

最近オープンしたという「鳴滝温泉満天の湯」という施設にいく。 年末年始特別料金というのは商売熱心なことで。

露天がたくさんあるのが楽しい。10種類くらいか。息子ともどもあちこち入って回る。 すっかり温まった。


2003年12月31日 大晦日 [長年日記]

_ [Ruby]Matz on Craftsmanship

Artimaインタビューの3回目。 コードを読むことについても言及している(のはCode Readingを意識したんだったか)。

なんか自分の話したことが正しい英語になっているのが変な気分。 実際は相当ブロークンな英語で話してました。

_ [家族]買い物

年末の買い物。妻と防府のサティへ。防府へ行くのは何年ぶりか。 道とか完全に忘れていてショックを受ける。毎日あちこち回ったのに。

妻がアクセサリをいくつか。遅れたクリスマスプレゼントということにする。

帰りにヤマダ電機に。USBキーボードが安かった(890円)ので購入。 これでU101の極小キーボードに苦しまないでCygwinできる。 しかし、キーボードが本体の2倍のサイズがあるってのはどうよ。

_ [家族]行く年来る年

年越しそばを食い、紅白歌合戦を見ながら、うとうとする。 LL Magazineの原稿が終わったから気が抜けているのだが、 『CODE Reading』はまだまだだ。「みなし年内」で作業せざるをえないか。

子供たちは近所の寺に除夜の鐘を衝きに行く。ついでにぜんざいをご馳走になり、 菓子をもらったそうだ。彼らは煩悩とか宗教的意義はまったく理解していないに違いない。

私は『CODE Reading』の原稿を見直しながら年越し。2004年もコンピュータ漬けは決定かな。

2003年はRubyの発展の年であったと思う。より多くの人がRubyを知るようになったし、 より洗練された1.8もリリースであった。 また、この『Matzにっき』もそれなりの数の人に読んでもらっているようで、 これによってプレゼンスが向上したような気もしないでもない。

来年はどんな年になるだろうか。


最新 追記