OSCAR(Open Source Consulting Advisory Relationship)とは
2002年6月1日に設立した「OSCARアライアンス」は、既にオープンソース・アプリケーションを企業システムに活用している成功企業と共に、企業におけるオープンソース活用を推進する非営利の任意団体
だそうだ。なんだか謎の団体だが、 CNET Japanの記事によると、 この団体が提唱した「日本版GPL」が、「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」であるらしい。 ところが、それについて説明されたページを読むと、これは「ビジネスモデル」なんだそうだ。 真実はどこに。
あちこちのページをよく読むと、ビジネスモデルが「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」で、 ライセンスが「オープンソース・ビジネス・リーグ by OSCAR」利用許諾契約約款だということがわかる。 ひと目でわからないのはいかがなものかと思うが、それはたいした問題ではない。
そのビジネスモデルとやらはべつに目新しいものはない。
ごく普通のモデルでこれもなんの問題もない。当のページには
※オープンソースを利用するには、リーグ会員となる必要があります。
などとわけのわからないことが書いてあるが、これはこのページを書いた 株式会社フォーワンファーストの担当者が無知だっただけだろう。それもどうかとは思うが。
ただ、このモデルは誰でも思いつくけど 実際に成功した例は聞かないのはちょっと気になるな。 もっとも成功するかどうかはここでは問題ではない。 問題はオープンソースの精神に合致しているかどうかだ。
重要なのはライセンスの内容(ダウンロードしようとすると初めて表示される)である。 確認してみよう。
「オープンソース・ビジネスリーグ by OSCAR」利用許諾契約約款第1.1版 平成15年9月22日改訂(日医オープンソース使用許諾契約第1.0版を元に改訂)
あちゃあ。この「日医オープンソース使用許諾契約第1.0版」はOSD非準拠なのだよねえ。 「オープンソース・ビジネスリーグ by OSCAR」利用許諾契約約款の方はどうだろう。
(読んでいる...)。
うむ、全般に日本の契約風の文章になっていて、GPLに慣れた身からは気持ち悪いけど、 日医版で問題だったデータの変更を禁止する部分が外してあるから、 問題はなさそうだな。厳密にOSDに準拠してるかどうか判断することは難しいけど。
ということで、結論は
といったところか。
なお、OSCARアライアンスの事務局はゼンド・オープンソースシステムズ株式会社内にあるが、 これはPHPの開発元のZend社とは直接関係がない。 テンアートニの子会社だ。
ここではテンアートニについての論評は避けよう。
追記:
子会社ではないそうで。
調べてみると、 ゼンド・オープンソースシステムズ株式会社は
ゼンド・オープンソースシステムズ株式会社 設立のご案内
平素は、Zendプロダクトをご利用いいただきありがとうございます。この度、Zend/PHPソリューションへフォーカスならびにオープンソースを積極的に活用した業務システムの推進を目的にゼンド・オープンソースシステムズ株式会社(本社:東京都港区西新橋、社長:角田好志)を設立いたしました。平成15年1月1日より株式会社テンアートニから、Zendプロダクトおよびサポートなどを新会社に移管します。営業開始は、平成15年1月6日でございます。
とことで、テンアートニから業務移管しただけで資本関係はないので、子会社ではないのね。
そうか、角田さんテンアートニから離れてたんだ。
うちの次女は最近「メモ帳」で日記を書いているのだが、 今日操作ミスで一週間分の内容を失ったらしい。 あまりのショックにしばらく怒りに打ち震え、泣き叫んでいた。
娘よ、お父さんにもそういう経験があるよ。 もうちょっと大きくなってからだったけどな。 雑誌からダンプリストを何日もかけて打ち込んだのに、 「save」と「load」を打ち間違えて一瞬で全部消えてしまった。
コンピュータの非情さを学んだ一瞬だった。 あの時はショックだったよなあ。