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Matzにっき


2003年12月03日

_ [PC]Thinkpad X40

前々から出ると言われていた「薄くて軽い」Thinkpadがとうとう 発表された

私が欲しい条件は一通りカバーしている。

  • 今よりも速いCPU(Pentium M 1GHz)
  • 今よりも長いバッテリ寿命(標準3.5時間、Lバッテリ+拡張バッテリで10時間)
  • ある程度の軽さ(1.24Kg)
  • RGBコネクタ

が、しかし、ディスクが20Gしかないのは寂しい。 あと、1.4GHzくらいだと良かったなあ。

お金がありあまっているわけじゃないんで悩んでしまう。

_ [Ruby]preview3

遅れている。残っている問題は

くらいか。まあ、previewなんだから、全部解決しなくても出せばよいのだが。


2004年12月03日

_ [OSS]なぜグローバルか、私の場合

2日のエントリでは、 「なぜグローバルに出るべきか示されていない」という話をしたが、 私の場合について書いておくべきだろう。

とはいえ、たいしたことをしたわけではない。私がやったことは

  1. 英文ドキュメントを用意した
  2. 英語メールの問い合わせに対応した

これだけである。英文ドキュメント作成の動機は単純である。 以前、技術的に非常に興味深いSchemeインタプリタのソースを入手した時に、 ドキュメントやコメントが全部ロシア語だったことがあった。 で、非常に腹立たしかったので、自分が人に同じ思いをさせるのはイヤというのが直接の動機だった。 英語の勉強にはなったしね。

とはいえ、私も英語は下手くそなので、 当初はあちこちのドキュメントから切った張ったして作った醜いもので、 いまだったら紅白出場停止になりそうな代物だ。

でもって、検索エンジンなどを経由してRubyに興味をもってくれた人が メールをくれたので、それに返事をした、それだけである。 もっとも「やったこと」はそれだけでも、量は半端じゃないんだけどね。

で、グローバルに出ていったことが私にとってどのようなメリットになったのか、と言えば、

  • 海外でも名前が知られるようになった

    「RubyのMatz」と言えば、知っている人は知っている存在になった。 名誉欲はオープンソース開発の動機のひとつと聞いているので、 価値も意味もあることなのだろう。個人的にはあまり重要ではないけど。

  • 海外に友達ができた

    まあ、これ以外の方法で、Dave Thomas, Andy Hunt, Martin Folwer, Ward Cunningham, Bjarn Stroustrupなどなどと親しく話 す機会は、私にはなかったろうなあ。

  • 人の金で海外旅行ができた

    エージェントが倒産して、踏み倒されてしまったLinux Expo Parisを除いては、 JAOO(x2)、OSCONなど年に数回旅費向こう持ちで海外に旅行している。 もっとも観光は全然してないけど。

  • 「外圧」で国内でのポジションも高まった

    国内で知られているオープンソースソフトウェアを開発している人は珍しくないが、 海外でも広く使われているものは例外的だ。海外でRubyが使われているおかげで、 国内での立場も向上しているような気がする。 おかげで今の職を得ているような気がするので、このメリットは無視できない。

というようなものだろうか。結構あるじゃん。

しかし、Rubyの開発を始めた10年前ならともかく現在なら、 多くの場合、国内だけでオープンソースソフトウェアのエコシステム(生態系)が確立できそうな気がする。 だとすると、「グローバルに出て行くだけが道でない」という意見に対する適切な反論はないような。

私だって「グローバルに出て行かないともったいないよね」とは思っている。 現状で、それが「万人が」、「英語という壁を乗り越えて」、「出て行くべきだ」と言えるほど 強い動機づけかどうかは自信がないってこと。

むしろ、壁があるっていうなら、それを乗り越えることがビジネスになる。 佐渡さんの話ではそれは「Fake Open Sourcer」なのだそうだが、 僕の目から見たら、(日本の事情を反映した)立派なOSSビジネスに見えるけどなあ。

ビジネスじゃなくても、「日本のOSSを海外に紹介する」なんてのはひとつのプロジェクトになるかもね。 個々の開発者を強制するよりもマシなやり方があるかも。

追記:

在外邦人さん:

give してトクしようって話じゃなくて、take ばっかしてると嫌われるから give もした方がいいんじゃないかって話なだけだと思うんだけど違うんですかね。

「嫌われる」んですかねえ。オープンソースソフトウェアに限って言えば、 いくら take されても実害はありません。「使ってやってるんだ」と言われれば腹が立つけど、 静かに使ってくれているぶんには邪魔にはなりません。

もちろん、giveしてくれるぶんには大歓迎だけど、 「giveもしないでtakeばっかり」というのは違う気がします。

knokさん

得する例としては、ローカルパッチをちゃんと上流に取り込んでもらうことで、新しいバージョンへの追従をいちいちしなくて良くなることが挙げられるとおもいます。

パッチを本家に返さないってのは私にも理解できないのですが、 国際化パッチのように挙動や仕様を変更してしまうようなものについては そういうことが起きやすいのかもしれません。


2005年12月03日

_ [OSS] ITmedia エンタープライズ:FSF、GPLライセンス改定計画を発表

1月16日、17日にMITでGPLv3の素案を発表するとのこと。実は昨日、FSFからメールが届いていて、 「来ないか」と誘われたのだが、旅費の工面ができそうにない気がする。

ZDNetの記事によると、新GPLの骨子は以下のようなものらしい。

  • 国際的なライセンス:現行のライセンスは、主に米国の法律を主眼に置いて作成されたものだ。
  • 遡及的な互換性:バージョン2.0を閲覧し、コードを変更する自由を、今と同じように保護する必要がある。
  • 予想される結果の明示:既存の権利保有者に害を及ぼしてはならない。
  • 開発コミュニティとの対話:関係者すべての意見を検討することが重要。

どれももっともだが、すべて満たすことは現実には不可能な気がする。

どの辺を落とし所にするのか非常に興味がある。


2006年12月03日

_ [教会] ブルークリスマス

ブルークリスマス [DVD](倉本聰)

教会。良い集会であった。

神権会でクリスマスの伝統と文化について急遽話す機会があったんだけど、 ちょっと面白かったので、ここでも紹介。

  • 日本では、クリスマスといえばチキンを喰う習慣が根づいてきているようだが、 欧米ではクリスマスに食べるのは七面鳥。 本家ケンタッキー・フライドチキンもアメリカではクリスマスキャンペーンはしない*1
  • クリスマスケーキも日本独自の習慣のようだ。 アメリカにはケーキを食べる習慣はないし、 イギリスはプディング。フランスはブッシュ・ド・ノエルを食べるようだが、 日本のクリスマスケーキとは違うものだ。
  • クリスマスだからデートというのは日本独自の習慣というほどではない、 が、加熱過熱度合はアメリカとは違うようだ。 どっちかっていうとバレンタインデーのノリの方が近いかも、とのこと。
  • クリスマスは元々異教(ミトラ教?)の冬至のお祭り。 だんだん短くなってきた昼が冬至を境にまた長くなるのと キリストの復活のイメージが結びついたらしい。
  • クリスマスカラーといえば,赤,白,緑。 しかし、ここ最近,すっかり青が幅をきかすようになってしまった。 青色LEDが発明されたせいか? クリスマスイルミネーションでも、 青一色で古い色合いに慣れた目にはかえって無気味に感じる。
  • まあ,結局はシンボルにすぎないんだから、 イエス・キリストを思い出すきっかけにするのは良い。 が、クリスチャンとしてはクリスマスにだけ思いだすような態度は避けよう。

ちなみに画像は岡本監督の『ブルークリスマス』。 名作と言われているが、残念ながら未見。

*1  さらに余談だが、カーネル・サンダース人形も日本発


2007年12月03日

_ マシン不調

先週末あたりからマシン(HDD)から異音がする。 SMARTの警告も出ているし、そろそろ寿命かも。

とはいえ、これを買ったのって2006年9月5日だから、 まだ1年ちょっとしか経ってない。外れだったか。

さて、どうするか。

  • とりあえず問題があるのはHDDなのでこれだけ買い替える。 予算: 2万円以下。
  • もう購入して3年以上経つし、 他にもトラブルがあった(たとえばファン不良)のだから、 買い替える。予算: 20万以下

ううっ、出費が重なるなあ。 やっぱ、今週東京による時にHDD買うのかなあ。

160Gより大きいHDDはシリアルATAしかないんだっけ。

追記

時間の前後関係がわかりにくいので補足。

Thinkpad X31を購入したのが3年前の9月。

160G HDDを購入して交換したのが1年前の9月。

_ ConsistentHashing - コンシステント・ハッシュ法

複数のキャッシュを運用する方法。ROMAの基本アイディアでもある。

が、実装担当のTさんはこれをまったく独力で思いついたのだそうで、 それはそれですごいことだと思う。

_ The Chord/DHash Project - Overview

上記のConsistentHashingを用いた分散ハッシュテーブルの実装。 参考になる。

_ [Ruby] 市報松江12月号

なにげなく、うちに届いた市報を見たら、 ほぼ1ページ使ってRubyのことが書いてあった。

産業振興の効果はともかくとして、 松江がRuby Cityであることは疑いはない。

でも、Rubyなんて「わかりにくいテクノロジー」に対して 「普通の人」はどう思ってるんだろうね。

_ [Ruby] 山陰中央新報 - 島根県の産業活性化戦略 住みたくなる環境も必要

市報に続き、地元紙の社説でも。

時代は変わった、というか、なんというか。

恥ずかしい。

_ 梅田望夫×まつもとゆきひろ対談「ウェブ時代をひらく新しい仕事,新しい生き方」(前編):ITpro

先日の対談が記事として公開された。後編は明日。

グーグルのブラックホール化について、語っているが、 別にグーグルに恨みがあるわけではない、念のため。

で、あまりに対談が楽しかったので、 「もっと話したかったです」とメールしたら 第二弾が企画された。というわけで、年が明けたら、 もう一度梅田さんと対談することになった。

今度はどんな話をしようかなあ。


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