前々から出ると言われていた「薄くて軽い」Thinkpadがとうとう 発表された。
私が欲しい条件は一通りカバーしている。
が、しかし、ディスクが20Gしかないのは寂しい。 あと、1.4GHzくらいだと良かったなあ。
お金がありあまっているわけじゃないんで悩んでしまう。
遅れている。残っている問題は
くらいか。まあ、previewなんだから、全部解決しなくても出せばよいのだが。
2日のエントリでは、 「なぜグローバルに出るべきか示されていない」という話をしたが、 私の場合について書いておくべきだろう。
とはいえ、たいしたことをしたわけではない。私がやったことは
これだけである。英文ドキュメント作成の動機は単純である。 以前、技術的に非常に興味深いSchemeインタプリタのソースを入手した時に、 ドキュメントやコメントが全部ロシア語だったことがあった。 で、非常に腹立たしかったので、自分が人に同じ思いをさせるのはイヤというのが直接の動機だった。 英語の勉強にはなったしね。
とはいえ、私も英語は下手くそなので、 当初はあちこちのドキュメントから切った張ったして作った醜いもので、 いまだったら紅白出場停止になりそうな代物だ。
でもって、検索エンジンなどを経由してRubyに興味をもってくれた人が メールをくれたので、それに返事をした、それだけである。 もっとも「やったこと」はそれだけでも、量は半端じゃないんだけどね。
で、グローバルに出ていったことが私にとってどのようなメリットになったのか、と言えば、
海外でも名前が知られるようになった
「RubyのMatz」と言えば、知っている人は知っている存在になった。 名誉欲はオープンソース開発の動機のひとつと聞いているので、 価値も意味もあることなのだろう。個人的にはあまり重要ではないけど。
海外に友達ができた
まあ、これ以外の方法で、Dave Thomas, Andy Hunt, Martin Folwer, Ward Cunningham, Bjarn Stroustrupなどなどと親しく話 す機会は、私にはなかったろうなあ。
人の金で海外旅行ができた
エージェントが倒産して、踏み倒されてしまったLinux Expo Parisを除いては、 JAOO(x2)、OSCONなど年に数回旅費向こう持ちで海外に旅行している。 もっとも観光は全然してないけど。
「外圧」で国内でのポジションも高まった
国内で知られているオープンソースソフトウェアを開発している人は珍しくないが、 海外でも広く使われているものは例外的だ。海外でRubyが使われているおかげで、 国内での立場も向上しているような気がする。 おかげで今の職を得ているような気がするので、このメリットは無視できない。
というようなものだろうか。結構あるじゃん。
しかし、Rubyの開発を始めた10年前ならともかく現在なら、 多くの場合、国内だけでオープンソースソフトウェアのエコシステム(生態系)が確立できそうな気がする。 だとすると、「グローバルに出て行くだけが道でない」という意見に対する適切な反論はないような。
私だって「グローバルに出て行かないともったいないよね」とは思っている。 現状で、それが「万人が」、「英語という壁を乗り越えて」、「出て行くべきだ」と言えるほど 強い動機づけかどうかは自信がないってこと。
むしろ、壁があるっていうなら、それを乗り越えることがビジネスになる。 佐渡さんの話ではそれは「Fake Open Sourcer」なのだそうだが、 僕の目から見たら、(日本の事情を反映した)立派なOSSビジネスに見えるけどなあ。
ビジネスじゃなくても、「日本のOSSを海外に紹介する」なんてのはひとつのプロジェクトになるかもね。 個々の開発者を強制するよりもマシなやり方があるかも。
追記:
give してトクしようって話じゃなくて、take ばっかしてると嫌われるから give もした方がいいんじゃないかって話なだけだと思うんだけど違うんですかね。
「嫌われる」んですかねえ。オープンソースソフトウェアに限って言えば、 いくら take されても実害はありません。「使ってやってるんだ」と言われれば腹が立つけど、 静かに使ってくれているぶんには邪魔にはなりません。
もちろん、giveしてくれるぶんには大歓迎だけど、 「giveもしないでtakeばっかり」というのは違う気がします。
得する例としては、ローカルパッチをちゃんと上流に取り込んでもらうことで、新しいバージョンへの追従をいちいちしなくて良くなることが挙げられるとおもいます。
パッチを本家に返さないってのは私にも理解できないのですが、 国際化パッチのように挙動や仕様を変更してしまうようなものについては そういうことが起きやすいのかもしれません。
1月16日、17日にMITでGPLv3の素案を発表するとのこと。実は昨日、FSFからメールが届いていて、 「来ないか」と誘われたのだが、旅費の工面ができそうにない気がする。
ZDNetの記事によると、新GPLの骨子は以下のようなものらしい。
どれももっともだが、すべて満たすことは現実には不可能な気がする。
どの辺を落とし所にするのか非常に興味がある。
B000CFWN6C
教会。良い集会であった。
神権会でクリスマスの伝統と文化について急遽話す機会があったんだけど、 ちょっと面白かったので、ここでも紹介。
ちなみに画像は岡本監督の『B000CFWN6C』。 名作と言われているが、残念ながら未見。
*1 さらに余談だが、カーネル・サンダース人形も日本発
先週末あたりからマシン(HDD)から異音がする。 SMARTの警告も出ているし、そろそろ寿命かも。
とはいえ、これを買ったのって2006年9月5日だから、 まだ1年ちょっとしか経ってない。外れだったか。
さて、どうするか。
ううっ、出費が重なるなあ。 やっぱ、今週東京による時にHDD買うのかなあ。
160Gより大きいHDDはシリアルATAしかないんだっけ。
追記
時間の前後関係がわかりにくいので補足。
Thinkpad X31を購入したのが3年前の9月。
160G HDDを購入して交換したのが1年前の9月。
複数のキャッシュを運用する方法。ROMAの基本アイディアでもある。
が、実装担当のTさんはこれをまったく独力で思いついたのだそうで、 それはそれですごいことだと思う。
上記のConsistentHashingを用いた分散ハッシュテーブルの実装。 参考になる。
なにげなく、うちに届いた市報を見たら、 ほぼ1ページ使ってRubyのことが書いてあった。
産業振興の効果はともかくとして、 松江がRuby Cityであることは疑いはない。
でも、Rubyなんて「わかりにくいテクノロジー」に対して 「普通の人」はどう思ってるんだろうね。
先日の対談が記事として公開された。後編は明日。
グーグルのブラックホール化について、語っているが、 別にグーグルに恨みがあるわけではない、念のため。
で、あまりに対談が楽しかったので、 「もっと話したかったです」とメールしたら 第二弾が企画された。というわけで、年が明けたら、 もう一度梅田さんと対談することになった。
今度はどんな話をしようかなあ。