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Matzにっき


2006年03月01日 [長年日記]

_ 開発環境はプアなほうがいい?

元ネタはアットマーク・アイティのロシア製データベースの話。

注目すべきはここ。

当時ソビエトで利用できるコンピュータのほとんどは西側に比べて性能的に2〜3世代古いものだった。こうした環境であっても、例えば政府機関や公官庁ではデータベースを使いたいという要求はあり、

  • 劣ったハードウェア性能をソフトウェアでカバー
  • 絶対的なメモリ搭載量が少ないので、小フットプリント必須。メモリリークなどもってのほか
  • 手本になる大規模RDBが存在しない時期で、まねることもできない

という三重苦の環境で、まず2年間の基礎研究とその後2年間の開発を経て完成したのがLinterである。こうしてできたLinterは、官公庁や一部軍用などにも利用されたらしい。

その後冷戦が終結して東西交流が始まると、Linterも米国に渡ることになる。すると、動作環境がいきなり2〜3世代進んだ状態で利用される形となり、少ないメモリ量と乏しいCPUパワーで動作するように設計されていたLinterは、エンタープライズ向けはおろか組み込み向けでも十分利用できることがいわば「発見」された。もともとLinterは組み込み用途ではなくエンタープライズ向けRDBとして開発されていたのだが、その動作環境が組み込み向けレベルであった(注)ため、組み込み向けに展開するのも容易であったのだろう。

注:最初の開発のターゲットマシンは、いにしえのDEC VAX/VMSおよびDEC Professional 350だそうだ。VAXの方は恐らくVAX-11クラスと思われるのでまだしも、Professional 350といえばCP/M-80やRT-11が動く16bit PCでしかない。

最近遭遇した真逆のケースはRast。Rastの開発チームの使ってたマシンは 結構潤沢なパワーのあるマシン(CPUもディスクも高速)だったので、 私のThinkpadで使うまでこれほど遅いとは認識されなかったらしい。

開発者にはあまり贅沢させてはいけないのか。...そういえば、これもJoelと違う結論だな。

_ [Ruby] Ruby 2.0の新仮想マシンYARVとは?

先日の成果報告会のレポート。YARV特集。 笹田くんのプレゼンがしっかりまとめてある。

Rubyは「 今後も目がはなせないスクリプト言語」だそうです。 ありがとう、MYCOM PCWEB。

_ [OSS] 「松江市 テルサにIT開発拠点」

1日付けの山陰中央新報(島根の地方紙)の記事。

松江市 テルサにIT開発拠点

松江市が今春からIT産業の振興に力を入れる。 ソフトウェアの設計図のソースコードを公開することで、自由に、利用できる オープンソースソフトウェア(OSS)産業のメッカを目指し、 朝日町の松江テルサに交流スペースを整備。 事業者らの情報交換や技術発進に活用してもらう。

同市には、県内IT企業の八割が集積、 また、コンピューターが動くのに必要なプログラミング言語で唯一日本生まれの 「ルビー」を、OSSで開発した世界的な研究員が市内企業で活躍している。 これら地域資源の強みを生かしたい考えだ。

今日発表するって知らなかったから、朝食後に新聞を読んでて吹き出しそうになった。 実名出てないけど、もろに私のことじゃん。

なんか「唯一日本生まれのプログラミング言語」とか「ルビー」とか、 誤解を生みやすい表現だけど、まあ一般紙ならこんなものか。

それはそうと、この記事の見出しが「世界的資源生かす」とあるんだけど、 「県内IT企業」は世界的資源ではないと思うので、 つまりそれって、私が「資源」ってこと?

まあ、確かに人的資源とかhuman resourceとかいうけどさ。

具体的に何をやるのかまだ聞いてないんだけど、 私もこの「IT拠点」に積極的に参加することになっている。 ただの飾りに終わらずなんか生産的なことができたらいいな、と思っている。

問い合わせは松江市産業振興課へ。


2006年03月02日 [長年日記]

_ マレーシア調査

とにかく日本以外のアジアに行くのは初めてなので、ちょっとドキドキする。

で、とにかく調査してみよう。

  • 通貨 マレーシアリンギット 1MYR≒30円
  • 平均気温 3月は最高で28度、最低で26度。日本だと真夏だ
  • 電源 240V/50Hz。プラグはB, B3, CF, Cがリストされている。 一国で4タイプもあるとはどういうことか
  • 時差 +800。日本とは1時間差
  • 言語 マレー語。英語、広東語なども使われている
  • 宗教 イスラム教。イスラム教国は初めて。

ふーむ。暑いのね。夏の格好で行かないといけないわけか。

スライドは既に書いたが原稿を書かねばならない。 freshmeat.netからデータを入手せねばならないな(less activeなプロジェクトの割合)。 「1年以上updateがないプロジェクト数」でどうだろうか。


2006年03月03日 [長年日記]

_ [Ruby] 面倒なバグ

コンパイル時に決まらないので、 ささだくんには不評そうだが、 local visibilityのアイディアで実装してみる。

おおむねうまくいくのだが、test suiteを実行すると rss/maker辺りのテストでへんなエラーが出る。 が、test suiteを個別に実行すると再現しない。

こういう再現性のないバグは大抵GCが原因なのだが、 今回はちょっとおかしい。

  • GCバグだと大抵segmentation faultを起こすのだが、今回はそんなことはない
  • むしろ本来と違った別のクラスのメソッドを呼び出しているみたい

が、メソッド探索ルーチンには間違いはない。 一晩格闘してメソッドキャッシュに問題があるとわかる。

でも、今考えたら「本来と違った別のクラスのメソッドを呼び出している」 という時点でメソッドキャッシュが怪しいのは明らかなような気がしてきたな。 後で冷静に考えるとすぐ分かることでもデバッグしている最中には分からないものだな。

それじゃあんまりデバッグしてる意味ないじゃん。

が、メソッドキャッシュのどこがおかしいのかわからない。 なにしろキャッシュを壊している時と問題が発生する時は全然違う時なので 問題が発生している場所を確認することができない。

お昼過ぎまで自宅で格闘していたのだが、とうとう分からない。 あきらめて会社に向かう。

が、会社についてフレッシュな気持ちでPCに向かうと5分で解決できた。

自宅でデバッグしていた時間は意味がなかったということか。

pointy-haired bossに「do not work harder, work smarter」とか言われそう。 ぐすん。

_ [言語] Marketing Python - An Idea Whose Time Has Come

John Sirbuという人がGuidoに「マーケティング重要」、「mobileに注力しては」と進言した話。

いや、Python陣営にそういう「焦る」気持ちを与えるというのは、 Rubyも有名になったものだな。Railsのおかげだけどな。 だけど、この人(John Sirbu)ずっと「"R" language」と呼んでRubyを名指ししてくれない。 Bruce Tateが「R」言語をほめたとは 思えないんだがなあ。

あ、マーケティングは重要だと思うよ。昔は軽視してたけど、 最近はもうちょっと重要だと思うようになった。 Pythonに適切なマーケティングがどのようなものかは分からないけど。


2006年03月04日 [長年日記]

_ [言語] YAPC::Tokyo 2006参加決定

成瀬さんのコメントを きっかけに竹迫さん、宮川さんからコンタクトを頂き、 YAPC::Tokyo 2006への 参加が決まりました。3月31日のHackathonにも参加します。 土曜日は家族と過ごしたいので 4/1はお休み。

手配していただいた関係者に皆さんに感謝します。

_ 温泉

久しぶりに温泉に行った。大満足。 近いのに、実に1年以上玉造温泉に入ってなかった。 安来苑(鷺の湯温泉)には入ったけど。

末娘のオムツを忘れる(しかも、あがってから気がつく)というハプニングがあり、 あわてて取りに帰った。いや、近いのは便利だ。

残りの子供たちはアイスを食べてから帰る。


2006年03月05日 [長年日記]

_ [教会] 迂闊

子供たちを起こして準備させ、いつもよりほんの少しだけ早い時間に教会に出発する。

しかし、途中で私がネクタイをしめていないことに気づく。 どたばたしていたのでしめわすれたのだろう。 さすがにスーツにノーネクタイではかっこうがつかない。 すごすごと引き返す。 結局、普段よりも遅くなった。がっかり。

断食証会。

集会終了後、ふたりほど面接。うちに帰る。


2006年03月06日 [長年日記]

_ 第7回アジアOSSフォーラムへ

朝一の便で東京へ向かう。久しぶりの海外、しかも初のアジア訪問ということで 緊張している。スーツケースを持って、チケット持って、PC持って。 例によってPCの調子が悪くなるといけないから、 予備のPCと(これもビデオ出力がうまくいくとは限らないんだが...)、 USBメモリも忘れちゃいけない。

羽田について、成田に移動しようとしたその時、 カバンにパスポートが入っていないことに気がつく。

がびーん。

うちに電話したら、確かに思った通りの場所にパスポートが置いてある。 すばらしい記憶力、じゃなくて、なんなんだよ、このボケ加減は。 自分にキレそうになる。

大あわてであちこちに連絡する。 会社に連絡するが、都合よく松江からこちらに移動する人はいないようだ。 いずれにしても予約した便には間に合わないので 旅行代理店に連絡して、リスケジュールしてもらう。

その間に出雲への往復チケットを購入。 当日券なのでお高い。ぐすん。窓口のお姉さんには「残念でしたね、でもマイルはつきますから」と慰めてもらう。慰めになってないよ、お姉さん。

羽田から出発直前に旅行代理店から連絡があり、 シンガポール経由の便なら明日の早朝にクアラルンプールに到着できるとのこと。 他に選択肢はないので、その線でお願いする。

そのまま出雲空港へ。 妻(と末娘)に空港まで来てもらい、パスポートを受け取る。 が、戻りの便がないので1時間ほど喫茶店でデート。 しばらく会えないはずだったのに、妻や娘と時間を過ごせるのは幸せなこと、 なんだろうけれども、今しでかしてしまったばかりの大失敗のせいで心は穏やかでない。 こんなにうれしくないデートは初めてだ。

そのまま羽田へ。日に1往復半する事があるとは思わなかった。

羽田からリムジンバスで成田へ。今まで成田への電車使ってたんだけど、 バスの方がはるかに便利だね。速いし。値段はちょっと高くなっちゃうけど。 バスの中で発表原稿を書く。私くらいの英語力だと、英語発表の時には あらかじめ原稿を書いておかないとパニックになるから。

シンガポール空港の窓口でチケット購入。高い...。

そのまま、機中へ。シンガポール・チャンギ空港につくのは夜中の1時半(現地時間)だ。

機内では引き続き原稿を書こうと思っていたが、バッテリが不安だったので、 あまり分量は書けなかった。やっぱり拡張バッテリが必要かなあ。

が、まだ動揺しているのでそのまま寝る気にもなれない。 座席のスクリーンで映画を見ていた。 オンデマンドで巻き戻し・早送り、一時停止など、自由に操作できるのがありがたい。 文明は進歩してるなあ。 見た映画は

  • チキン・リトル
  • イーオン・フラックス
  • Shinobi

「チキン・リトル」は事前の予想通り、全然趣味に合わなかった。 が、できがわるいとかそういう問題じゃないよな。

「イーオン・フラックス」は非常にスタイリッシュな映画。 冷静にストーリーについて考えると腹が立つので考えないことにして、 瞬間瞬間の映像を楽しむとなかなかよろしいのではないかと。 なんか原作付きらしいんで、ダメなストーリーはそっちの責任だよね。 そういえば、まだ国内未公開なんだっけ。 あと、シャーリーズ・セロンってこんな顔だったっけ。

「Shinobi」はあまり見るつもりはなかったのだけど、 前の席の人が見てるのが目に入って、思ったより良さそうだったので。 確かに面白かった。私は山田風太郎の原作は読んでないので、 「バジリスク」と比較しちゃうんだけど、骨格以外は違った話になっていた。 どっちが原作に近いのかな。 いずれにしてもよくできていたと思う。英語字幕で「oboro-sama」とか書いてあったんだけど、 「-sama」は国際語化してきているのか。


2006年03月07日 [長年日記]

_ 第7回アジアOSSフォーラム(1日目)

深夜1時半にチャンギ空港に到着。 こんな深夜にも動いているんだねえ。 さすがに店はほとんど開いてないけど。

チャンギは無料のインターネットアクセスがあると聞いていたので、 期待していたのだが、無線LANは提供していないみたい。 クレジットカードで1時間いくらで購入することはできるけど。 2001年の情報では無料無線LANと書いてある(空港のページにも記載が残っている)ので、 その後変更になったのだろう。

ただ、端末はあちこちで提供されているので、 gmailを使ってメールチェックはできる。

あと、イーサーネットの有線のアクセスは提供されているのだが、 今回はイーサーネットケーブルは持ってきてなかった。 チャンギで自分のPCをネット接続させたい場合にはイーサーネットケーブルの持参を忘れずに。

この国のコンセントはBFのようだが、数ヶ所にあるパソコンデスク (イーサーネットコネクタ、電話コネクタ、電源、赤外線ポートが提供されている)は、 ユニバーサルコンセントになっているので、AとかCとかでも電源が取れる。

しかたがないので、基本的にパソコンデスクで原稿書き。 ときどきインターネット端末へ移動してメールチェック。朝まで。

6時半の飛行機でクアラルンプールへ。 飛行機が離陸した直後、意識を失う。目が覚めたのは到着直後。 もっとも飛行時間は1時間ちょっとしかなかったんだけどね。

空港で迎えのタクシーにピックアップしてもらう。 市内までは70Kmくらいあるらしい。

ホテルにチェックインしたのは9時半。 あわててシャワーを浴びて会場へ(開場は9時半だった)。 今年のテーマは「オープンソースエコシステム」なのだそうだ。

11時50分ごろから私の発表。予定よりも30分ほど遅れている。 私は「Establishing the Communiy」というテーマで発表した。 スライドはこちら。 発表原稿のほうは恥ずかしいから公開しない。

その後はメールチェックしたり、セッションを聞いたり、 いろんな人とOSSコミュニティ運営について話したり。

気がついたこと。

マレーシアは女性参加比率が高い。 運営組織MIMOS(日本の産総研みたいなもの?)のボスも、 担当大臣(経済産業大臣相当?)も女性だったし、 会場の女性比も他のオープンソース関連のイベントに比べて明らかに多い。 イスラム系の女性はスカーフをかぶっていて目立つというのを置いても 明らかに多い。g新部さんによれば、今回CodeFestにも初の女性参加者が(三人も)いたとのこと。 なんか理由があるのかな。

食べ物はおおむねおいしい。南方系なんだけど、 日本の食べ物からかけ離れてはいない。 ただ、味のベクトルが甘い方と辛い方にだいぶズレてる気はするけど。 焼き鳥と思ったら牛だったり、麻婆豆腐が甘かったり、 ちょっと予想しない味つけが楽しい。

赤道近くだというのに、会場は暑くない。 季節的には雨季が終わったばかりでまだ雨が多い時期らしい。 室内にいたからわからなかったけど、夕方にはかなり降っていたようだ。

スピーカーと関係者はディナーに招待された。 バスに乗って近隣のレストランへ。 またブュッフェか、と思わなくもないが、おいしかった。 また、マレーシア芸能(なのか、インドネシア風味だった)も興味深い。

ホテルに戻ると、リュックサックを忘れていることに気づく。 パスポートも入っているのに。また落ち込む。 MIMOSのスタッフをつかまえて、レストランに連絡してもらう。 しばらく気をもむが、結局カバンはレストランの従業員によってすぐに発見され、 保護されたとのこと。ただし、MIMOSスタッフのものだと思われたようで、 ボス(女性)が自宅に持って帰ってしまったとのこと。 「明日渡すからね」と言われてとりあえずひと安心。

しかし、なんと忘れっぽいことか。とはいえ、これだけトラブルを起こしておいて 致命的な事態にならないのは、とんでもない強運かもしれない。

PCもないし、今晩は疲れたので寝ることにする。


2006年03月08日 [長年日記]

_ おみやげ

会場では各種ワークショップの報告会やクアラルンプール宣言(The Kuala Lumpur Statement)の策定が行われていたようだが、そういう外交的な集会にはあまり縁がないので、部屋でメールチェックおよびちょっとしたハック。

あ、そうそうなくしたカバンはちゃんと確保できた。

それからおみやげを買いに外に出る。暑い。やはり赤道近辺だ。 ホテルでは全然暑いと思わなかったのだが、 これはむちゃくちゃ冷房が効いているせいだったのだ。 どうやらこの国(他の国も?)では、豊かなことは暑くないこととイコールで、 ホテルやお金持ちの家はがんがん冷房をかけることがステータスのような。 なるほどわかりやすい。環境にはやさしくなさそう。 いや、寒くて暖房をかけっぱなしの家に住む私には彼らに対してどういう言う権利はないけど。

ホテルの向かいにあるスーパーマーケットに移動するだけで、すっかり汗ばんでしまう。 日本の真夏並みだな。

スーパーではいろいろと買い物をする。50RM(マレーシアリンギット、1RM≒30円)以上買わないと クレジットカードが使えないということで(今回一切両替をしなかった)、 おもわぬ買い物をしてしまった。 いかにもまずそうなジュースや、お菓子などジャンクフードが中心だが、 カップラーメンなども物色する。 しかし、タイグリコ社製のRockyなるお菓子はパチモンなのか、 それとも正当なOEMで単に「Pocky」という単語がどこかでは忌み言葉だったのか。 プリッツがPRETZというスペルだったので、これも偽物かと思ったが、 調べたら日本でもPRETZであった。 「タイ風ピリ辛サラダ・ラーブ味」(日本語で書いてある)というのはどういう味なんだか。

スーパーを出て、ゲームを売ってる店に寄ってみたのだが、 「ゲームボーイアドバンス用ゲーム180本入りカセット」とか謎の商品が189RMくらいで 売っている。知的所有権のようなものはあまり浸透していないようだ。

そういえば、今回モンゴルから来た人が「モンゴルではオープンソースソフトウェアの方が高い。Windowsとそのソフトはどこにでもある(コピーし放題ということらしい)が、オープンソースソフトウェアはわざわざ入手する必要があるから」だそうだ。うーむ、国が変われば事情も変わるもんだ。

午後はMIMOSが主催するツアーに参加する。 マレーシアのオープンソース振興センターであるOSCCの見学は面白かった。 立派な建物で本当にペイするのか不安な気がするのだが、 少なくとも力の入れ方は本物だ。 ちょうど行っていたLinuxアドミンセミナーを見学させてもらったが、 それなりに真剣にIPアドレスやDNSについて学んでいるようだった。 セミナーはテキストも講義もすべて英語であった。 マレーシアくらいだと自分の言語(マレー語)で、 コンピュータサイエンスを維持できないのかもしれない。 ホテルのテレビ番組もほとんど英語だったし(たまに字幕がつく)。

それから(知っている人には)有名なモスクを見学する...と思ったのだが、 外側から見るだけで、謎のガイドおじさんが延々と話し続ける。 マレーなまりの英語であまり興味のない歴史の話を続けるので弱った。 結局中は見せてもらえないし。モスクの中、見たかったのになあ。

で、その後新興開発都市らしい領域をバスを走らせながら、 おじさんしゃべりつづける。もうなにをいっているのか理解しようとする気持ちもない。 マレーシアは地震がないのか、建物がすごく脆弱に見えるなあ、とか思いながら そのまま寝てしまう。

気がつくとバスは元のモスクに戻っている。でも結局見学はできないみたい。残念。 ありがとう、おじさん。なにを言ってたのかほとんど理解する気もなかったけど。

ここで帰国組とホテル組に分かれて、帰国組は空港へ。

空港ではチェックイン後、おみやげを買うために歩き回る。 私、八田さん、風穴さんはうろうろと歩き回るが、 なかなか決められない。

なんだか中華風のような、南国風のような、やや日本の影響もあるような 謎のお土産物を眺めているうちに、やや催眠状態になってきて、 わけのわからないものを買いそうになる。 「そのうち、あのペナントを買う、とか言い出しそうなんで、そしたら止めて」とか言い合う。 しかし、結局八田さんはやっぱり変な物を買っていた。

ゲートをくぐる。バーガーキングで夕食。ここは無線LANが使える。 無料で使えるぶんチャンギより便利だなあ。

23:05発の日本航空で成田に向けて出発。


2006年03月09日 [長年日記]

_ 帰国

帰国、羽田、出雲、帰宅、疲労、体調不良、寝る。

_ 映画

機内で見た映画

  • レジェンド・オブ・ゾロ
  • コープス・ブライド

2006年03月10日 [長年日記]

_ 市長訪問

先日の、「松江駅前にIT拠点」という話に絡んで、松江市長がうちの会社を訪問して下さる。

オープンソースについては事前のレクチャーがあったようだが、 それがどうビジネスにつながるのかまでは理解できてなかったようだが、 今回の説明である程度納得していただいたようだ。

本当に松江がオープンソースのメッカとなれるかどうか、 期待したいところだ。まるで他人事のような書き方だが、 実際は私もいろいろしなくちゃいかんのだろうな。

なにしようか。

_ [原稿]オープンソースマガジン5月号

今回はGTD、 というよりも、その前段、ToDoやスケジュールの管理をどうしているか、という話。 howmとか紹介しているが、メインはいまだにvisor edgeというのは、 意外に思われるかもしれない。


2006年03月11日 [長年日記]

_ [原稿] 日経Linux 5月号

今日はステーク大会土曜の部だったのだが、 体調がすぐれないためお休みすることにした。

で、原稿を書く。日経Linux5月号。 今回は「パフォーマンスチューニング」がテーマ。

改めてまとめると、「これがよさそう」と思うことはことごとくはずれるという ドンデン返しの連続という原稿になってしまった。 ま、高速化なんてものはそんなものかもしれない。

しかし、今日中には書き終わらなかった。13日までにはなんとか。


2006年03月12日 [長年日記]

_ [教会] ステーク大会

ステーク大会。電話があって「1時間早く来て下さい」と言われてあせる。

新見まで移動。始まるのが午後からなので、出発はいつも教会に出かけるのとさして変わらない。

米子から181号を使って新見へ。100Km、約2時間。

面接。両親や弟たちと一緒に昼食。

ステーク大会。松江ワードの監督会が再組織。 また副監督に召された。今度は第一。

若い人、そうでもない人などいろいろな人からお話を聞いた。 大変興味深い。今回はわかりやすい話が多かった気がする。

松江に帰る。無事に帰れてよかった、よかった。


2006年03月13日 [長年日記]

_ [原稿]パフォーマンスチューニング

引き続き、日経Linuxの原稿書き。

しかし、パフォーマンスチューニングは奥が深い。 「これが有効そうだ」と思っても実はボトルネックはそこではなかったり、 あるいは「こうすると速くなる」と思っても、実は別の因子の影響が大きくてあまり改善されなかったり、 逆に「これではうまくいかないケースがある」と思っても、 うまくいかないはずのケースでもうまくいったり。

要するに先入観とか予断とかは禁物で、 データに基づいて判断しなさいってことなのだろう。 しかし、マシンが変わればデータも変わるという。

それでもちょっとしか改善で処理速度が数千分の一になったりすることがあるから、 やめられなくなるプログラマは多いんだよな。

_ 携帯・デジカメ操作画面も権利保護、意匠法改正へ

インタフェースに「権利保護」を許す法案。最低の改悪だ。

どこの世界にアクセルとブレーキの順番が違う車に載りたがる人がいるのだろうか。 そのような「工夫」を強制する法案には反対する。


2006年03月14日 [長年日記]

_ 確定申告書類作成

ようやっととりかかる。直前にならないと取り掛かれないこの性格はなんとかした方がいいな。

ここ数年は役場で係りの人にお願いしていたのだが、 今年は合併の影響でいつもの会場では行わないそうだ。 仕方がないので国税庁のサイトで自分で作成することにする。

電卓叩いて、経費を計算し、フォームに入力する。 控除額を間違えて追加納税しなくてはいけないという結果が出て かなりあせったりもしたが、なんとか終了。

そんなにできの悪いサイトでは無かった。

_ PG vs JS

「Paul GrahamとJoel Spolskyの10の違い」。 似ているようで全然違う二人の違いを浮き彫りにしようという試み。

私に一番しっくり来たのはコメント欄にあった「Joelはエンジニア、Paulはハッカー」というものだ。まあ、私の感じた不快感はそれだけでは説明できないけど。

第一、私はエンジニアって人種、嫌いじゃないものね。


2006年03月15日 [長年日記]

_ 確定申告書類提出

提出。大量の支払い調書をステープルでとめてくれ、と言われて手間がかかったが、 それ以外には何の支障もなく終わり。これで幾許かは払い戻される、はず。

しかし、今日が最終日だというのに会場はそれほど混んでいない。 もっと悲惨な状況を予想してたのにな。

_ [原稿] OSMゲラ

OSM5月号のゲラをチェック。いろいろ手直ししてもらったり、 脚注を追加してもらったりして、きれいに2ページに収まっている。 ありがたい。ほんのわずか間違いを修正して戻す。


2006年03月16日 [長年日記]

_ 新居視察

新居といっても引っ越しが確定したわけではない。

今住んでいる家は、この冬、めちゃめちゃ寒かったし、 おかげで子供たちがひんぱんに風邪を引いたので、 良い家があれば引っ越そうと考えはじめた。

とはいうものの、うちの人数がちゃんと住める家ってのは なかなか見つからない。子供たちを転校させたくないので、 選択肢は余計にせばまってしまう。

今回3LDKのアパートを見てみた。新築でカウンターキッチンで、 なかなかよろしいのだが、やはり狭い。特にキッチンと洗面所。

どーしよーかなあ。

_ [原稿] 日経Linuxゲラ

今日は日経Linuxのゲラ。こちらは長い分、いろいろと手を入れるところがあった。 だいたい毎月こっちの方が難しいよね。長いし、内容も高度だし。

っていうか、「ハッカーズライフ」の方が与太話ばかりってことなんだけど。 でも、なんとなくあっちの方が人気があるような気がするんだよねえ。 日経Linuxの方が4,5倍は苦労してるんだけど。

世の中は理不尽だ(笑)


2006年03月17日 [長年日記]

_ 卒業式

次女の小学校の卒業式。歌を歌ったりなど、私の小学校時代とはずいぶん違うようだ。 時代というよりも土地柄かもしれないけど。 私の行ってた小学校には制服も無かったし。 っていうか、小学校に制服ってなによ。

今回はずっとビデオカメラを回していたのだが、 実際には行事のたびに回すばかりで、 あんまり見返してないんだよなあ。記録としての価値はあるのだろうが、 結局見ずに終わるものも多い。

_ YAPC::Asia 2006

チケットを手配する。29日に30分ほど発表することが決まったのだが、 一体なんの話をしたもんだか。

普段ならRuby関連の馬鹿話をして終わるんだが、 聴衆が聴衆だけに気を使ってしまう。

偉そうなことを言えるほどにはPerlのことを知らないしなあ。 もうちょっと知識か調べる時間があれば 「Perl6におけるRubyの影響」みたいな話ができるかもしれないけど。

聞きたいテーマとかあったら、ここにコメントして下さい。 ご期待に応えると約束はできないけど、参考にはします。


2006年03月18日 [長年日記]

_ [Ruby] Creating DSLs with Ruby

英語版「Rubyist Magazine」とでもいうべき、 『Ruby Code & Style』の最新記事。 こちらは「るびま」と違って、 単発の記事を増やしていくスタイルらしい。

Creating DSLs with Ruby」は、数少ないRuby Conference皆勤者でもあるJim Freezeによる。

RubyがDSLにいかに向いているか、とか、RubyをDSLっぽく使うには、とか、そんな感じ。

_ 片づけ

引っ越しするかもしれないんで、片づけ。 いらない本とか雑誌とかを処分。

だいぶ一生懸命作業したのに、全然減ってない。 もうちょっと大胆にものを捨てることを考えないと駄目みたい。 っていうか、うちの家人の性格だと、もはやあまり狭い家には住めないってことか? そういえば、うちの実家も何年もの荷物がたまりにたまっていたものなあ。

高校時代にイオンクラフトを作るために古いテレビを探したら、 倉庫から使ってない白黒テレビが5台も見つかったし。


2006年03月19日 [長年日記]

_ [教会] 新監督

先週のステーク大会に出席しなかった人もいるので、 新監督(会)から改めて挨拶。

といっても、今までの監督会のメンバーが変わったわけでもないので、 急に方針が変わるわけでもなく、 なにか特別なことと言う感じもないな。

淡々と集会をこなす。

むしろ、集会後に気になることが。

_ [教会] バプテスマ会

集会終了後、米子に移動する。

松江の教会堂はバリアフリーの点で欠点があるので、 米子の教会堂を借りようと言うのだ。

今回は男女一人ずつのバプテスマ。 米子のみなさんありがとう。

男性の方はガールフレンドが遠方から参加。 弟さんがバプテスマを施した。

女性の方は宣教師が。

実にすばらしい集会であった。

新しい仲間を心から歓迎したい。

後は、弟と姪っ子に会ったり、実家に寄ったり。


2006年03月20日 [長年日記]

_ LUMIX DMC-TZ1

B000ES0OFY

今のデジカメに不満があるとすれば、

  • ズームが3倍しかない(ぜいたくかな?)
  • 手ぶれ、暗さに弱い

点だ。最近は光学式手ぶれ防止機構や高感度撮影が流行しているので、 いいのが欲しいところだ。が、うちにはすでに3台もデジカメがあるわけだし(今、2台はほとんど使ってないけど)、私は物欲番長ではないので、なかなか踏み切れないところだ。

が、そんなところで、光学式手ぶれ防止付き、10倍ズーム、高感度撮影(ISO800)も可能な B000ES0OFYがAmazonで妙に安い。

ちょっとほしいかも。

ジャストとの件は結審したし、 Panasonic製品にそれ以上の恨みはないので、買ってもいいかな。

後は大蔵大臣の許可さえ出れば。 ...でも、出そうにないな。

あと、レンズバリアがないらしいとの情報あり。どこで読んだんだっけ。 キャップはあんまり好きじゃないんだよなあ。


2006年03月21日 春分の日 [長年日記]

_ 休日

のんびりとした一日。

午後からは買い物。 以前閉鎖されたショッピングセンターが 名前を改めて再開したということで。

まあ、どうということのないショッピングセンターだし、 開店直後で人が多いのはわかるのだが、 ドラッグストアが入ったのと、 手芸店が入ったの以外は店の構成があまり変わらないし、 それに本屋とゲームコーナーがないのは、 客への訴求力に問題になるのではないだろうか。

私が心配することではないのかもしれないけど。

店内では、多くの客がスクリーンを見つめていた。 野球の大会の決勝戦らしい。 スポーツには全然関心がないのだが、 みんなが一生懸命応援している姿は見ていて興味深い。 たまに「やったーっ」という声が聞こえると 「ああ、一体感を感じているんだなあ」と思う。 その応援の声が選手に届いていると思うほど ロマンチストではないが。

結局優勝したらしい。おめでとう。

でも、背後に「大人の事情」が見え隠れしているらしいのが ちょっと気分が良くないかも。

いや、大人はそういうのは見なかったことにするのかもしれないけど。


2006年03月22日 [長年日記]

_ 事故

会社に向かう途中によったコンビニの駐車場から出る時に、 うっかりよその車にぶつけてしまう。 こちらはほとんど被害なし、先方は運転席側のドアがへこんでしまった。

あーあ。

警察と保険屋に電話する。向こうには迷惑をかけたけど、 とりあえずことなきはえたけど、また落ち込みそうだ...。

なんだか最近「うっかり日記」になっている。 もしかして若年性認知症かなにかではないかと不安になるなあ。


2006年03月23日 [長年日記]

_ [Ruby] 多値

寝ても覚めてもRubyのことを考えているわけだ。

最近は多値について考えている。 真の多値(LispやSchemeにあるようなの)を導入しようと考えていたのだが、 現状、単値の配列を多重代入で受けるケースがあまりにも多いので (たとえばString#scanの結果は多値であるべきか/配列であるべきか)、 いくつかのコーナーケースに目をつぶって配列が多値であるとするのはどうだろうかと 思うようになった。

コーナーケースとは

  • 多重代入右辺に単一のsplat operator(単項*)が存在した時に 展開ではなく「配列であることの確認」になる
  • return, yield, break, nextでも同様
  • yieldはyield []と同じ。yield 1はyield [1]と同じ。 でも、yield [1]はyield [[1]]ではなく、yield [1]のまま。

である。特に最後のが邪悪だ。

もっとも、実際問題として多重代入の右辺が単一の*であることは希だし、 yield [1]が[[1]]でなく[1]を渡すことで起きる不具合はほとんどないはず。

ここは統一性よりも実用性を選ぶべきか...。

実際にコードを動かしてみないとわからないのでハックしてみよう。


2006年03月24日 [長年日記]

_ 弟訪問

弟が大学を卒業して実家に帰っている。

せっかくの機会だからということで、 一晩ほどうちで泊まってもらうことにする。 一緒に食事をしたり、おしゃべりしたり。

無機ELについて熱く語る弟はいつもよりも頼もしく見えた。

考えてみれば私と弟の年齢差は16歳で、 16年前、私はまだ結婚してなかったし、 Rubyも作ってなかったし、 将来について何の予想もしていなかったなあ。

人生とはわからないものだ。

彼の人生に幸あれと願うものだ。


2006年03月25日 [長年日記]

_ 漢字一文字

弟が今度入社する会社では、新入社員への課題(レポート)として、 「自分を漢字一文字で表現しなさい」というものがあるのだそうだ。 毎年年末にやる「今年の漢字」のようなものか。

弟とか末娘とかは名前の上の漢字を取るとわりとそのままのような気がするが、 他の人はそんなに簡単じゃない。

たとえば私は....なんだろう?

「今の自分」ではなくて「なりたい自分」だと「匠」かなあ。

追記

このエントリにそれなりに反応があるらしい。 が、弾さんが「弾」で、よしおかさんが「よ」ってのは...。

みんなストレートすぎ(人のことは言えないが)。

_ 米子

久しぶりに近くに居る一族が集まって昼食。 えーと、16人か。娘たちは実家に泊まる予定だったが、 風邪引きが出たので急遽中止。ちょっと残念そう。

春休みのうちにまた泊まれるといいね。

妹夫婦が新居の棟上げだということで、見学。 なかなか立派なものができている。


2006年03月26日 [長年日記]

_ [教会」 管理・司会

監督が海外旅行に出かけたので、 副監督たる私が集会の管理・司会を行うことになる。

監督会の一員になって約1年、 監督会の出席が私一人だけになったことなく、 管理などすることがなかったので、緊張する。

とはいえ、いつもと違うことがあることがあるわけではなく、 ごく普通に乗り切った。

あ、聖餐のパンを持ってくるのを忘れたので、 お昼ご飯用に持ってきていたメープルパンが用いられた。 (主に子供に)好評であった。....。


2006年03月27日 [長年日記]

_ [原稿] 某紙原稿

現時点では公開できない某Web雑誌の原稿をしあげる。

短い時間でしあげたが、なかなか読み応えのあるものになったのではないか。 今回のテーマは「Rubyの紹介」なので、よく知ったことはやはり書きやすい。

『るびま』の「他言語探訪」は、事前の調査が必要なぶん大変だし、 『日経Linux』の「プログラミングのオキテ」は慣れないことを書いているので 一番しんどい。


2006年03月28日 [長年日記]

_ YAPC::Asia 2006 Tokyoスライド

明日からYAPC::Asia 2006 Tokyoである。 今日まで話すテーマが決まらなかったので内心あせっていたのだが、 とうとうスライドに取り掛かる。

タイトルは「Ruby on Perl(s)」というものだが、 これは単なる駄洒落で内容とは全く関係がない。 具体的には「PerlはUSCだけど、CSIは不可能ではなく、Ruby M17NはCSIで行く」というようなもの。 追い詰められて、一部、昨日書いた原稿を流用してしまった。 あんまり良くないなあ。

_ [Ruby] 多値実装

先日書いたで書いた多値を実際に実装してみる。 当然と言えば当然だが、かなりテストが失敗するようになる。


2006年03月29日 [長年日記]

_ YAPC::Asia 2006 Tokyoへ

朝から移動。空港まで山陰道(高速)で移動しようと思ったが、 ぼーっとしていて一般道に降りてしまう。あわててUターン。

なんとか間に合って、東京へ。

会場は京急蒲田の近く。駅が近くてありがたい。

ついたら、Ingyが話をしていた。 Pugsの話は聞きそこなったなあ。

その後、MighTyVの話の後、 私の番。

今回のタイトルは「Ruby on Perl(s)」。ただ、これは単なる駄洒落で深い意味はない。 今回はトラブルなく表示された。

今回の主要なテーマは以下の通り。

  • RubyはPerlを参考に作られている
  • PerlはRubyのお兄さん(or お姉さん)
  • PerlはUnicodeを使ったUCS*1だが、RubyはCSI*2
  • 日本の伝統芸能である「日本語化」の技術により、困難と思われていたCSIは不可能でないことは証明された

で、「不可能でない」ことを示すと負けず嫌いのPerl陣営がPerl6でCSIを実装してくるかもしれない。

昼食はwakatonoさんたちと中華料理の店(金春)へ。 食事が終わってから先日雑誌で見た「餃子の名店」であることに気付く。 しまった。餃子を頼むべきであったか。

後はいろいろと話を聞きながら、ハック。 先日の多値を実装し、テストケースの修正まで行った。 まあ、こんなものか。 統一性という意味ではまだまだ不満だが、 現状で(ルールが複雑でわかりにくいという以上には)あまり不満が出ていないところに あまり力を入れてもしょうがないのかもしれない。

懇親会は、また別の中華料理の店(ニーハオ)へ。 ここもwakatonoさんの選択だそうだ。地元なんだって。

中華料理はおいしかったが、おなかいっぱいになった。 私のテーブルは隣がDamian Conway、その隣がLarry Wall、 向かい側に弾さんとえらい濃いポジションであった。 隣のテーブルにはIngyとかいるし。

Damianと言語設計の話をする。私にもLarryにとってのDamianのような人がいるといいなあ。

*1  Universal Character Set

*2  Character Set Independent


2006年03月30日 [長年日記]

_ YAPC::Asia 2006 Tokyo 2日目

ちょっと寝坊した。ついたら弾さんのUnicodeの話はほとんど終わっていた。

それから第二会場に移動して

  • AudreyのHaskellの話
  • svkの話
  • 混合語
  • DamianのSAT

それぞれに大変面白かったが、レポートはPerlな人たちに任せよう。

Lightning Talk。どれも面白かったが、話を聞いているうちに 「Perlにelse ifを」という昔のネタがあったことを思い出す。 申し込んでおけば良かった。

最後がLarryのキーノート。 マシンが不調でスライドが表示できない。今回私は大丈夫だったが、 彼に「呪い」がうつったらしい。

面白い発表であった。まあ、個人的にはちょっと物足りないけど。 日本人はあまり聞いたことなかったろうしね。

ところで、このカンファレンスの発表のほとんどは英語だったわけだが、 スライドに日本語訳が付いているものが多かったとはいえ、 満席の会場にいた聴衆はどのくらい理解できてたんだろう。

他の国では当たり前だが、日本国内では画期的なような気がする。 それだけ国際化したってことか。

_ [Ruby]次の検討事項

YAPC::Asiaの間に尋ねられたこと

  • M17Nはいつ1.9に入るか
  • 呼び出し側のsplat operatorは複数使えないか
  • block parameterのブロックローカル化

いずれも真剣に考えたい

_ [Ruby] P language

LAMP (Linux, Apache, MySQL, {Perl, Python, PHP})という流れから、 スクリプト系言語のことを「P言語」と呼ぶこともあるが、 RubyはPでは始まらないから仲間はずれである、...と今まで思っていた。

が、YAPC::Asiaでその謎が解けた。

RubyのRはロングテールの付いたPであった*1

なんて、Web2.0的な。

*1  「ロングテールの付いたP」について誰が発言したのか忘れちゃった。Ingyだったっけ

_ 中華三昧

昨日の昼食が中華で、昨日の懇親会が中華で、 さらになお今日の昼食に中華に連れていかれてしまう私は中華にしたわれているのか。

それとも、そのすべてを選んだwakatonoさんが中華に染まりきっているのか。

ちなみに弾さんやLarryたちと食べた夕食も中華であった。 どんな食生活だ。

_ [Ruby] Ruby on Railsの教育コースを“Rubyの本家”ネットワーク応用通信研究所が開始

プレスリリースを出したら、 日経ITProと、 アットマークITがとりあげてくれた。ありがたい。

というわけで、NaClでセミナーをします。 ちゃんとお金をもらうセミナーなので、「金返せ」と言われないような充実した内容にするべくスタッフ一同張り切ってます。

早期割引があるとか、おみやげがあるとかいろいろ計画してます。

早期割引のレートは以下のようになってます。

  • 4/7 までの申込 定価の70%
  • 4/14 までの申込 定価の90%

カリキュラムはもうじき正式発表になると思いますが、 おおむね

  • 1日目。概要。基礎知識。Rails overview
  • 2日目。Railsの内容。懇親会
  • 3日目。ActiveRecord, ActionPackなどRailsの中身

のような感じでしょう。


2006年03月31日 [長年日記]

_ Hackathon

朝から移動。本屋で「4309462553」と 「4309462561」を購入。

YAPCでSF成分不足が感じられたので。

で、弾さんの家に。まあ、立派なところだ。 リビングだけで前のアパートがすっぽり入りそうだ。

さて、Perlな人たちが多いので、 特にすることもなくぶらぶらしたり、 Rubyの仕様について思索したり、 食べ物をつまんだり、 メールを読んだり、 Webを眺めたり、 Larryとダベったりしてたのだが、 夕方近くなってAudreyが話しかけてくれてから 結構いろいろと話が盛り上がる。

AudreyはPugsにYARVをバックエンドとするコードを追加しようとしていて Rubyの構文木を生成することを計画しているようだ。 とりあえずRubyプログラムから構文木を作り、 それをまたRubyプログラムに戻すRuby2Rubyプログラムを作成中。

これでAudreyはRuby陣営に取り込める、かも(笑

まあ、Perlに比べて変態な仕様が少ないので助かるとは言ってたけど。

あと、Larryとelse ifネタと、pack templateの話をした。

pack templateについては対称性から言うと足りないtemplateがあるのだが、 Perlと異なるものはあまり導入したくない。 Larryも「どうしたものかねえ」という顔をしていた。 pack templateはPerl6において設計が手付かずの領域らしい。

なんてぎりぎりまでそんな話をしてたら、飛行機に乗り遅れそうになる。 6時30分発の飛行機に乗るのに、羽田に付いたのが6時20分だった。 普段なら絶対に乗り遅れるところなんだが(しかも、今回パックの航空券なので振り替えが効かない)、係員のお姉さんがよしなに扱ってくれる。ありがたい。

しかし、浜松町の駅でも空港内でも思いっきり走ってしまった。運動不足のからだにはキツいわ。

ようやっと飛行機に乗って安心したが、前日のフライトで落雷を受けたとかで、 出発が1時間近く遅れる。でも、いいんだ。帰れるから。


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