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Matzにっき


2004年03月31日

_ [家族]花見

午後から私の両親が来て、花見をする。 ちょうど今日が満開くらいか。

ついでに玉造の足湯につかる。

子供たちは両親とともに実家に。 春休みで親子双方にストレスがたまっているので、 ガス抜きをかねて4日ほど実家にあずかってもらうことにした。


2005年03月31日 山口3日目

_ [言語] Five-minute Multimethods in Python

Pythonに最近加えられたfunction annotationを使ってmultimethodを実現する、と言う話。

面白い。

function annotationは「@」という記号を使うし、 「あまりPythonらしくない」という印象だったが、 結構使いでがあるようだ。

Rubyがmultimethodを実現することはないだろうなあ。 上手に実現しないとduck typingを妨げかねないしなあ。

_ [OSS] 住商情報システム、VAリナックス子会社化でオープンソース分野を強化

VAリナックスがビジネスとして魅力的なことを意味しているのだと思う。 住商情報システムといえば「とんがった技術」に注目する会社だ。 Curlとか。未踏ユースのバックアップもしているはず。

ただ、

住商情報システムでは、オープンソースを活用して構築、運用する案件の目標受注金額を、2005年度20億円、2007年度100億円とする。

という大きな期待にVAリナックスの運営方針が曲げられたりしないことを切に祈る。

_ [OSS] ヒューメント、Firebirdの有料サポートサービスを開始

ヒューメントは4月1日からFirebirdの有料サポートサービスを提供することを発表した。3種類のメニューが用意され、価格は3インシデントで21万円から。

オープンソースビジネスは積極的に応援したい。 でも、「いちインシデントななまんえん」ですか。

データベースだとあり得るのかな。Rubyじゃ絶対に無理だな。

Royの社会的実験

ふたたびThoughtWorksについて。 ThoughtWorksは以下のような「通説」に反対する「社会的実験」なのだそうだ。

  • 有能な人材しかいない会社なんて無理。有能な人材が利用する平凡な人材(less able people)もミックスしなきゃだめ。
  • 頭の良い奴らは金儲けに興味がない。だから頭の良い奴ばかりの会社は生き残れない。
  • 人のいい奴が損をするような厳しい世界だ。何か理由でもなけりゃ、従業員や顧客にいい顔する余裕なんてない。
  • 有能な人材はみんなとうまくやっていけない。理屈ばかりこねて、ジコチューだから。
  • 大企業には強力なマネジメントの仕組みが必要。
  • 頭の良い奴らはB級学生に管理させなきゃいけない。なぜなら、頭の良い奴らは理想主義に走り過ぎて、実際の判断をくだせるほど、現実的になれないからだ。それができるのは、貪欲なB級の学生だ。
  • 長期的にやることはうまくいかない。
  • 会社の財務と業務の内容を内部に明らかにすることは悪いことだ。外部になんて、とんでもない。それにどうせ会社が大きくなったら、そんなことは続けられない。
  • 弱点を公開してはいけない。外部の人間には特に。
  • 国際企業になるということは、弱い国の人々を利用するということだ。
  • 現場の人間に会社を脅かすような権限を与えてはいけない。
  • 文化は二の次(長持ちしない)。優れたビジネス モデルこそが必要。

うーん、とんがっている。うち(netlab.jp)はここまで前衛的ではないなあ。 特に最初のもの(平凡な人材)について。もっともうちの場合は、

  • 有能な人材利用する平凡な人材(less able people)もミックスしなきゃだめ。

だけど。これは、おごちゃんの意向でもある。彼の主張は

  • 会社は定食
  • ハッカーはおかず
  • とんかつだけではとんかつ定食にならない、ごはんも味噌汁もあって初めて定食だ

というものだ。だからいろんな人を取ろうとするわけ。

ThoughtWorksの人は(主にJAOOで)何人にも会ったことがあるけど、 みんな優秀そうで、またハッカー魂を理解している人のように見えた。 今後もThoughtWorksには注目していきたい。

_ 松江市玉湯町

山口に来ている間に、八束郡玉湯町は合併して松江市玉湯町になった。 これで今日から松江市民となる。税金が上がりそうなのは嫌だなあ。


2006年03月31日

_ Hackathon

朝から移動。本屋で「銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)(ダグラス・アダムス/安原 和見)」と 「宇宙の果てのレストラン (河出文庫)(ダグラス・アダムス/安原 和見)」を購入。

YAPCでSF成分不足が感じられたので。

で、弾さんの家に。まあ、立派なところだ。 リビングだけで前のアパートがすっぽり入りそうだ。

さて、Perlな人たちが多いので、 特にすることもなくぶらぶらしたり、 Rubyの仕様について思索したり、 食べ物をつまんだり、 メールを読んだり、 Webを眺めたり、 Larryとダベったりしてたのだが、 夕方近くなってAudreyが話しかけてくれてから 結構いろいろと話が盛り上がる。

AudreyはPugsにYARVをバックエンドとするコードを追加しようとしていて Rubyの構文木を生成することを計画しているようだ。 とりあえずRubyプログラムから構文木を作り、 それをまたRubyプログラムに戻すRuby2Rubyプログラムを作成中。

これでAudreyはRuby陣営に取り込める、かも(笑

まあ、Perlに比べて変態な仕様が少ないので助かるとは言ってたけど。

あと、Larryとelse ifネタと、pack templateの話をした。

pack templateについては対称性から言うと足りないtemplateがあるのだが、 Perlと異なるものはあまり導入したくない。 Larryも「どうしたものかねえ」という顔をしていた。 pack templateはPerl6において設計が手付かずの領域らしい。

なんてぎりぎりまでそんな話をしてたら、飛行機に乗り遅れそうになる。 6時30分発の飛行機に乗るのに、羽田に付いたのが6時20分だった。 普段なら絶対に乗り遅れるところなんだが(しかも、今回パックの航空券なので振り替えが効かない)、係員のお姉さんがよしなに扱ってくれる。ありがたい。

しかし、浜松町の駅でも空港内でも思いっきり走ってしまった。運動不足のからだにはキツいわ。

ようやっと飛行機に乗って安心したが、前日のフライトで落雷を受けたとかで、 出発が1時間近く遅れる。でも、いいんだ。帰れるから。


2007年03月31日

_ 姪、誕生

二番目の妹のところに女の子が生まれた、と聞いた。 めでたい。本当に「女の子は早生まれがトク」かどうかは知らないが、 はからずもそうなったね。

これで、一族が、えーと、何人になったんだっけ。

_ [言語] Objective Caml 入門

関数型言語アレルギーを克服すべく勉強しよう、というリンク。

でもねぇ、なんだろう、この理解できなさは。

絶対、先入観が原因だと思うんだけどな。 OCamlならそんなに「普通の言語」から遠いはずはないし。

実はOCamlのソースコードは読んだことがあるのだが、 そっちはすんなり読めたという。やはり、C言語だから? どんな言語でも内臓は大差ないから?

_ [Ruby] Headius: Can Your Ruby Do This?

JRubyのマルチ言語サポート。すげーっ。

「私のRuby」ではできませんとも、もちろん。

_ ITmedia News:「つまんない」「暇」を検索入力・会員100万人は簡単−−携帯ネットの意外な“常識”

私の理解できない世界があるということは、なんとなく分かった。

あまりお近づきになりたくない気もする。

追記:

「お近づきになりたくない」だけではあんまりなのでもう少し考察してみた。

なぜ、「お近づきになりたくない」かというと、あまり知性が感じられないからだ。 暇なのは分かるが、それを検索エンジンに愚痴られても。

が、そこは我慢してもうちょっと考えてみよう。

なぜ知性を感じないかというと、我々が理解している検索エンジンの仕組みを考えると 「暇」とか「つまんない」とか言われても、それは検索語としてまったく意味がないからだ。

が、上の事実は、世のケータイユーザの大半は検索エンジンがどのようなもので、 どのようなテクノロジで動作していて、 どのような検索が得意なのかということについて、 まったく知識がなく、想像力も働かないことを意味している。

長らくPCを中心としたコンピュータテクノロジは、

  • すごく知ってる人
  • ちょっと知ってる人
  • 知らなくて困ってるから周りに尋ねる人

くらいに分類されるユーザにリーチしていた。

しかし、ケータイの普及により、新しい層が登場してしまった。 すなわち、

  • 自分も知らないし、周りも知らない。 なんとなく分からないまま使ってるし、 分からないことは分からないままでも困らない

彼らは(過去の経緯を)なんにも知らないし、 知ろうともしないから、過去の文化を尊重することもないし、 新しい慣習(場合によっては迷信)を作ってしまう。 しばらく前に話題になった「読み逃げ」なんかはその例だろう。

「読み逃げ」は、話題のきっかけになったOKWebの質問は「釣り」だったけど、 そういう文化があるのは事実のようだし。 あと、バトンとか。最近では変なタイトルを使う「悪質」なものも登場している。

もちろん、以前にもこういう迷信を支える層は存在していたけど、 割合としてはごく小数だったし、 PCというのは「分からないままなんとなく使う」には難しすぎるツールだった ので、大勢に影響することは決してなかった。

が、今やこの層が国内だけでも数百万人である。

これだけの人数が持つパワーを考えると、 なにか「手を打つ」必要性もあるのかもしれない。

言語オタクの立場からだと、思いつくのは ケータイユーザ用スクリプト言語?

なにそれ。


2008年03月31日

_ コペンハーゲンに移動

コペンハーゲンへの移動日。

午前中、ちょっとだけ観光して(足が痛いよ)、 すこしだけおみやげを買ってから、 空港で。

空港で残った最後のチェコ・クラウンを使い切る。 といっても、冷蔵庫に張るマグネットを買った(80Kc)だけだけど。 2Kcだけ残った。

コペンハーゲンではDr.Nicに遭遇。 ホテルではDave Thomasたちにも会った。 そういえばDaveに会うのは久しぶりな気がするな。

TriForkの人たちにディナーをおごってもらう。 楽しかった/おいしかった。


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