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Matzにっき


2003年10月30日

_ [本]コンピュータの名著・古典100冊

4844318284 献本が届く。なんかそうそうたる本のリストの中で自分の本が入っているのが 浮いているというか、恥ずかしいというか。

しかし、こうやってリストするのは大事なことだと思う。 古い(が、まだ価値のある)本を見直すことで、コンピュータ出版の あまりよくない状況が改善されるかもしれないし、 うまくすれば復刊することだってありえるかもしれない。

良い本だが絶版ってのは珍しくないものなあ、コンピュータ関係に限らないけど。

_ [K-OF]関西オープンソース+フリーウェア

明日からにせまっているのだが、資料ができていない。 今日、やろうと思ってたのだが、1.8.1の準備に意外と手間取って。 バグ入れちゃったし。

で、頭の中で考えていた構成が『日経バイト』のオープンソース特集とほとんど同じであったことに気がついて落ち込む。えー、大阪に行けない人はアレを読むと私の話の内容の大半がカバーできます、たぶん。

しかたがない、今晩かな。会場についてからスライドを用意するのはできれば避けたいなあ。

_ [特許]実施権レフト

officeさんからツッコミをいただく。

いくつかいただいたのだが、私の解釈が正しければ

まつもとが「オープンソース界の精一杯」と書いたのは不適切。 すでに特許をもっている人々に対して壁を作っている

ということではないかと。確かに。同意したので28日の日記は追記しておいた。

さらに、特許版GPLについても示唆していただいた。

面白かったので、掲示板も 見に行ったのだが、なかなか興味深かった。が、いかんせん知識が足りないので理解できない。

わからないなりに読むと、 No.1413やNo.1446は、特許権におけるGPLのようなものを想定していらっしゃるようだ。 が、「GPLのようなもの」というよりは「viralな性質を持つ特許ライセンス」かな。 これはこれで非常に面白い領域なのだと思う。普通は個別に行われる(のだと思う)特許ライセンスを GPL同様viralな性質を付与して明文化し宣言してしまうというのは、 特許運用においては画期的なのかもしれない。交渉なしのクロスライセンスのようなものなのだろうか。

だがしかし、特許に直接は触れることのない私には遠い話のように聞こえてしまう。 それが私をどのように自由にしてくれるかも(まだ)わからない。

_ [Ruby]1.8.1 preview1

出した。しかし、すぐにCVSコミットが立て続いているためすぐにもpreview2を出した方が良さそう。 大阪に行く前に出すか。

_ [会社]送別会

10月で派遣が終了する同僚の送別会。お疲れさまでした。

あと、今日はもう一件おめでたいことがあった。おめでとう。

_ [PC]ThinkPad開発責任者インタビュー

インタビューそのものもそれなりに面白いが、重要なのはこれ。

ですから、軽く、薄くなりますよ。次のXは。

買うPCがないとか言ってた私は期待しちゃいますよ。


2004年10月30日

_ [家族]親子活動

次女の親子活動。今回は(も)ドッジボール。おじさんは疲れたよ。

次女のチームは優勝、親子対決は親の負け。

_ [教会]ハロウィーンパーティ

正式にハロウィーンは31日なのだが、さすがに安息日にこの種のパーティはいかがなものかと思うので、 今年は土曜日に行うことに。

子供とその友達を教会に送り届けて、 何人かの仮装の写真を撮ってから、病院に移動し、妻と赤ん坊の名前について話し合う、が、結論は出ず。


2005年10月30日

_ [教会] お話

朝、電話がかかってくる。お話の割り当ての人が急に欠席することになったということで、 代わりになにか話してくれ、とのこと。

そういえば、高等評議員を解任になってからあんまり人前で話してないな。 引き受けることにする。

今日は先日アメリカに行っているときに買った「NEWSWEEK 10/17号」に載っていた 「The Mormon Odyssey」の紹介と教会の現状についてなどについて話をした。

この記事そのものは教会外の立場から簡単な歴史などを紹介したものである。 極端に敵意を表明するものでもなく、逆に極端に肩入れするものでもない。 ま、最近になってようやっと単なる新興宗教的な見られ方が減ったということなのかもしれない。

しかし、記事中、著明な末日聖徒が紹介されていたのだが、 『7つの習慣』のSteven CoveyやMarriott HotelsのCEOとかは知ってたけど、 DELL CEOのKevein RollinsやJetBlueのCEOのDavid Neelemanが教会員だとは知らなかった。

日本だと(あんまり知られてないけど)東京スター銀行の頭取Todd Budgeが教会員だよね。


2006年10月30日

_ 家庭の夕べ

二日遅れで末娘の誕生をお祝いする。

「ケーキ、ケーキ」と喜んでいたが、 実際にはそれほどでもなかったらしく、クリームをなめた後は残していた。

まあ、この2年、健康でいてくれたことと 笑いとなごやかな空気をもたらしてくれたことをありがたく思う。

_ [Ruby] Visualization of Ruby's Grammar

RubyConfのKeynoteにあったparse.yはuglyというところに呼応して Rubyの文法図をかいてくれた人がいる。

ただ、これを見て、Rubyの文法が複雑というのは 実は当たらないと思う。これはたとえばRubyではprimaryに ifやwhileなどの他の言語で「文」のレベルにあるものが来ることができるので、 再帰がきついせいだと思う。

いや、どう言い訳してもやっぱり複雑なのは確かだけど、 だけど人間に優しい複雑さだと思うな。

そんなものが存在することを信じられない人もいるかもしれないけど。

parse.yがuglyなのは、この図で表現されている文法を yaccで素直に表現できないせいだろう。 とはいえ、yaccの制限に合わせて文法を設計したくないし。


2007年10月30日

_ [OSS] MogileFS

オープンソース分散ファイルシステム。 レプリケーションも自動でやってくれるらしい。

来るべき未来に備えて、あちこちで分散やら並列やら メニーコアやらが話題になっている、のかもしれない。

_ 【IPCM】iPhone,ディズニーランド,スタバの共通点は?──人気ブログ「Life is beautiful」の中島氏が講演:ITpro

共通点は「エクスペリエンス(おもてなし)」だそうだ。

ソフトウェアを比較する時には、つい「なにができるか」という 機能リストによる比較になりがちである。 しかし、産業が成熟してくると機能による差別化というのは 難しくなる。すべてのライバルが大抵の機能を備えてしまうからだ。

同じような機能を持っていても それぞれに違う「使ってどう感じるか」というのは軽視されがちである。 が、これからの「差別化」のためには、 そここそが重要なポイントになる、という話。

自動車とかそんな感じだよね。 もちろん細々とした機能の差(カーナビとかCVTとかバックモニターとか)が 登場することもあるけど、それも今やある特定のメーカー限定ということは ほとんどなくて(例外はマツダのロータリーエンジンくらいか)、 結局は、予算、デザイン、フィーリングなど機能でない部分で 車種が決定される。

プログラミング言語も似ている。

「チューリング完全」の壁がある以上、最終的に出来ることには大差ないんだから、 プログラミングしている時にどう感じるか、ということこそ重要なポイントになる、 んだと思う。これからは。

まあ、ライブラリなどが十分に充実したら、というのが前提だけど。

_ [OSS] 外に出よう,コミュニティへ,研究室の外へ,世界へ---2007年度日本OSS貢献者賞 表彰式より:ITpro

今年のOSS貢献者賞の授賞式。参加しなかったけど。

今年の受賞者は

  • 小山哲志さん
  • 笹田耕一さん
  • 佐藤嘉則さん
  • 松本裕治さん

の4名。今年は私は審査員をおおせつかっていたので、 「身内」である笹田くんを推薦するのは少々抵抗があったのだけど、 開発とコミュニティ貢献の両方をこなしているということで、 他の審査員の賛成多数で決定した。

他の方も順当だと思う。ただ、4名という枠があったので 「与えるべき人に届かない」という問題はある。 「来年以降でお願いしよう」と先送りした人がたくさんいた。

_ [Ruby] String#to_proc

Ruby 1.9にはSymbol#to_procが導入されるけど、 String#to_procはどうだろうか、という話。

こんなコードが書ける。

square = 'x*x'.to_proc;
square(3);
     → 9
square(4);
     → 16

とか

'x y -> x+2*y'.to_proc[2, 3];
     → 8
'y x -> x+2*y'.to_proc[2, 3];
     → 7

とか。面白いなー。標準で取り込むには マジックが強すぎるような気もするけど。

_ AT&T Labs Research - Hancock Project

Cをベースにした文法を持つ、 統一的な構造を持つ大規模なデータを扱うことができるDSL。 要するにデータストリーム操作言語だと考えればいいだろう。

MapReduceにしろ、このHancockにしろ、 やはりストリームという概念は いろいろと使い勝手がよさそうだ。

そういえば大学時代、研究室の先輩が ストリームを主要なデータ構造にした、 その名もStreamという言語を設計していたなあ。

今思えば先見の明があったということか。 まあ、今では研究成果は埋没しているわけだが。


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