私に対してのものではないのだが、yohさんの「汚し飯」から
もし、自らの立場をオープンソースコミュニティの一員として発言されているのでしたら、オープンソースコミュニティを他の企業と別扱いにする、妥当な理由があるのでしょうか。
オープンソースコミュニティの一員として発言しているのは、himiさんではなくむしろ私だと思うのだが、 さすがの私もそのようには考えていない。 「ソフトウェアを特別扱いする妥当な理由はあるかも」とは考えているのだが。
オープンソースのやり方に現在の特許制度が都合が悪いのは事実だが、 だからといって「われわれを特別扱いしろ」というつもりはない。 それはあまりに自分勝手スギ。でもそんな主張をしてる人はいないんじゃないかと。
プロプライエタリなやり方に対して、オープンソースなやり方があるように、 現在の特許制度に対して、みんながもっと幸せになる制度があるような気がするけど、 それを語るには今はまだ勉強不足。
例え直接的な利益を追求しなくても、市場に製品を投入し、他企業の利益追求に影響を及ぼしている以上、オープンソースコミュニティとこれにかかわる人達(私を含む)も、市場に参入している産業界の一員として看做され、扱われることから逃れられないと思います。
有効特許を何一つ持たない、特許回避の為の方策も実施していない、無防備な法人として扱われ、特許権が行使される日が来ないとも限りません。
うーん、現在の特許制度を立脚点にして考える限り、この指摘は正しいとは思う。
だが、しかし、オープンソース(フリーソフトウェアと呼んだ方が良いな、この場合)は、 「ソフトウェアの自由」が目的なので、 他人を制限する(=自由を奪う)特許を取得しクロスライセンスという戦略はとれないんだなあ。 自分と他人の自由を保証するための運動を守るために他人の自由を制限するようでは自己矛盾だから。
そういう意味では特許はオープンソース/フリーソフトウェアに対する一方的な武器になりえる。
我々にすぐできることと言えば、思いついたアイディアはどんどん公表して公知にしてしまうことくらいか。 あと、理不尽な特許に対して世論の注意を喚起することもできるかも。
将来的には
という対応も考えられる。どちらもお金が絡むので厄介だが。
「うっとうしいSpamを退治します」というソフトウェアの宣伝をSpamするのは考えものだと思う。 いや、効果的なのか。
今週は月曜が祝日だったし、その他いろいろ忙しかったので木曜までずれ込んだ。
妻が子供向けの話(什分の一)。ゲームはPanda Monium。リフレッシュメントはアイスキャンデー。
先日、リコール修理されたうちの洗濯機だが、 まだ調子が悪いのでもう一度サービスセンターの人に来て見てもらった。
すると、乾燥機の冷却パイプがつまっていたそうで、部品交換してもらった。 快適に乾燥するようになったよ。わざわざ来てもらったのに無償対応してもらった。
サンヨーサービスセンターの方、どうもありがとう。
月曜日のプレゼン資料ができたということで、 会社にいるかずひこくん、西田くん、大谷さんと、 それぞれの自宅にいるわたし、前田くんでSkypeコンファレンスコールを使って 発表練習。顔が見えないのが少々不安だが、 みんなが同じスライドを見ているので、そんなに困らない。
長電話は遠距離恋愛だった婚約時代を思い出すわ。
しかし、思ったより長引いて、夕食に響いてしまった。
会社組はコンファレンスコール終了後もあちこち手直ししてたらしい。 ご苦労様、いい結果が出るといいね。
手元に1993年10月号のDr. Dobbs Journalがある。 ちょうど11年前、Rubyの開発を始めた頃に入手した雑誌だ。
この号の特集が『Beyond C++』。C++の次の言語はどんなものだろうと言って、 各種言語を紹介している。紹介されている言語は以下の通り。
C+@
「cat」と発音する。
別のことで有名になって多くの人からえらく嫌われたJim FlemmingFleming氏によるプログラミング言語。
当時のUsenetでの騒ぎを覚えている人はもう少ないに違いない。 「ATT Bell研の成果を独占的にライセンスして」は決まり文句。 なんだかいろいろな売り文句があるのだが(高い性能、移植性とかなんとか)、 言語仕様の全体がいつまでたっても紹介されず、 処理系の入手方法も明らかにならず、 揚げ句の果ては連絡先として紹介されたUnir Technology Inc.が登記上存在しないらしい、 などという話が出て、結構盛り上がった。
言語仕様的には面白みはあんまりないが、Rubyの「a[1]=5」が「a.[]=(1,5)」と解釈される仕様は、 この記事を参考に決めたような記憶がある。
Parasol
個人コンサルタントであるRobert Jervis氏が開発していた、 ネットワーキングとパラレルコンピューティングを重視した言語。 原稿執筆時点では処理系は公開されていなかったが、 結局公開されたのだろうか。
Sather
前田くんが好きな言語の筆頭。当時のSatherのバージョンは0.2だが、 原稿はSather 1.0を対象に書かれている(とあるが、実際の1.0の仕様とは違っているような)。 仕様の継承と実装の継承を明確に分離したり、一風変わったイテレータを持っていたり、 いろいろ面白い言語。私も個人的に気に入っている。静的型のオブジェクト指向言語の中では一番好きかも(でも、大きなプログラムを書いたことはないから、使いやすいかどうかは知らない)。
Berkley International Computer Science Instituteで開発されていたが、 開発者が卒業するとともにフェードアウトしてしまった。 後継者がつかなかったのがSatherの不幸だ。
Liana
Base TechnologyによるWindows上でのプログラミングを主眼にしたオブジェクト指向言語。 型が省略可能なC++という感じで目新しさはない。
Beta
Simulaの直系の子孫にあたるオブジェクト指向言語。ただ、あんまりSimulaには似ていない。
言語仕様としてはINNER(つまりサブクラスのメソッドをスーパークラスから呼び出す)という仕掛けが面白い。 普通は逆(つまりsuperでスーパークラスのメソッドをサブクラスから呼び出す)だよね。 他にも面白い(他では見たことがない)仕様が盛り沢山なのだが、 この短い記事では全容は理解できず、かといって、きちんと調べてもいないので いまだに謎のままなのだ。
Betaはどうやら北欧を中心にしてそれなりに生き残っているらしい。 あんまり知られていないけど。 というか、彼の地ではいまだにSimulaのユーザもけっこういるのだ。 Simulaの父である故Kristen Nygaard教授に聞いたから間違いない。
Eiffel
一部では超有名な言語。今はどうなってるんだろうね。
Drool
「Dave's Recycled Object-Oriented Language」。 XLISPなどで有名だったDavid Betz氏の(当時)最新言語。 アドベンチャーゲームのスクリプティングのために作ったそうだ。 プロトタイプ型オブジェクト指向なのが興味深い。
ていうか、この言語は絶対「次のC++」を目指してないよね。
しかし、これらの言語がいずれも「次のC++」にはならなかったのは興味深い。 「言語の将来を予測するのはそれほど難しいことだということか」と、 いう思慮深げな結論を出したいところだけど、 正直なところ、DDJの編集は本当は「次のC++」なんかに関心はなくて、 当時あまり知られていない言語をリストしたかっただけなんじゃないかと。
当時の視点で見ても、紹介された言語のうち曲がりなりにもメインストリームになりそうだったのはEiffelだけだったような(次点: Bata, Sather)。ここで当時発表されたばかりだったJavaとかにフォーカスしてればお手柄だったのに。
いずれにしても「言語って本当に面白いですね」。では、また来週。
Daniel Amelangにお願いして一番近い教会に連れていってもらう。 Danielの奥さんと子供も一緒だ。ありがたい。
というわけで、日曜午前中のPanel 5は聞けなかった。
聞けなかったのは以下のプレゼン。
教会での話はRuby Conferenceの話よりもずっと難しい。 半分くらいしか分からなかったなあ。
監督さんの名前がどこかで聞いたような名前だなあ、と思っていたのだが、 聖餐会で配られていたプログラムに「我がワードから出ている宣教師に手紙を書こう」として、 同じ名字と日本広島伝道部の住所が書いてある。 どうも以前松江で働いていた宣教師のお父さんのようだ。
聖餐会終了後、監督さんと話してみると、大変喜ばれて、 奥さんを紹介される。奥さん(宣教師のお母さん)も感激していた。 しかし、偶然訪問したワードに知人の関係者がいるというのは世間は狭い。
お母さんが言うには「息子から松江で行われたバプテスマ会の写真をもらった。 赤ん坊を抱いた監督の奥さんがとてもきれいで、みんなに見せて回った」とか。 松江の監督の奥さんとは私の実の妹なので、「そんなにきれいかなあ」と思ったのだが、 実際に写真を持ってきてもらって「ほら、この人」と指さされたのは、 たまたま監督の隣に座っていた末娘を抱いている我が妻であった。びっくり。 「そんなにきれいかなあ」というのはあまり変わらないけれど(いや失礼か)。 うちの奥さんってアメリカ人に気に入られるタイプだったのね。
後で妻に報告したらまんざらでもなかったみたい。まあ、誉められて嫌な人は少ないよね。
その他、息子さんのこと、日本のことなど少し話した。 それから今晩のディナーに招待される。日曜はカンファレンスディナーがないから どうしようかと思っていたのだ。ラッキー。
私はContinuationの方に参加した。これで継続についてはじめて理解した人が多数いる模様。 今後「なくす」とか言いにくい状況になったか。
Danielたちと一緒に監督さんのうちに夕食を御馳走になる。 おいしかった。しかし、フレンドリーな家族である。 私の家族もこうなりたいものだ。
その後、お手製の日本(風)庭園やらいろいろと見せてもらう。 また下の息子さんがラテックス手袋に頭を突っ込んで膨らませる芸(?)に大笑いする。 いろいろ御世話になりました。御親切は忘れません。
最後に、サンディエゴ神殿を見学。写真をたくさん撮る。 今回の旅行での唯一の観光的活動であった。
日曜日に欲しいということだったが、終りきらなかった。 月曜日にようやく完成してメールで送る。 また遅れて申し訳ない。
まだまだ仕事が残ってるんだよなあ。
なんか、もうプログラマじゃないよな。ジョブチェンジしたようだ。
オープンソースコミュニティに時々出現する「困った人」への対処法。
心当たりがあることがたくさんある。
オープンソースプロジェクト運営者は必読のドキュメントだと思う。刮目。
どうなんだろうなあ。 「著作権」って言葉が乱用されるのはいつものことだが、 これはその中でもひどい方だと思う。
百歩とか千歩とか譲って岡田氏になんらかの権利があるとしても それは著作権ではないよね。だってアイディアには著作権はないし、 それを言うならレコーディングダイエットそのものが彼のオリジナルとは言いがたい。
「レコーディングダイエット」の商標とってるのかどうか調べていないけど、 それもちょっと怪しい感じ。
あとは宣伝文句に名前が使われてたということで「氏名表示権」とか 「パブリシティ権」とかかなあ。あまり定着している権利ではないみたいだけど。
いずれにしても権利を振り回していいことはなにもないと思うんだけど。
オブジェクトを渡すというのは前から考えていたのだが、 evalできる表現にしてUNIX pipeでつなげるというのは ちょっと「コロンブスの卵」。
私自身はRuby自身でパイプをつなげるというイメージだったのだけど、 コマンド(プロセス)間をパイプでつなげるというのは シェルの得意技なんだから、それを活用する方が自然だよね。 脱帽。
二回目のSkypeによる開発ミーティング。
なんかいつも「ほぼ完成」という脳内イメージを持っているのに 実際に議論を始めるとぼろぼろ穴があいてるというのはどうなのかなあ。
「見積もりはいつも甘い」と根は同じ気がする。 楽観的すぎるのかな。
16日の日経夕刊に(恥ずかしい写真と共に)私を扱った記事が掲載されている。
検閲と戦ってきた歴史を持つからか、新聞記者はけっして事前に記事を見せてくれることはない。 間違いが訂正できないんだけどなあ、と不満を持つこともあるが、 まあ、「言論の自由」のために払うべきコストなのかもしれない。
というわけで、補足と訂正。
ご存じのように、私は現在松江に住んでいますが、Rubyを作り始めた時には浜松、 最初に公開した時には名古屋に住んでました。「松江発」はあまり真面目に受け取らないで。
ってなんだかよくわかりませんが、まあ、「Webアプリ開発によく使われる言語」程度の意味でしょう。
といいですね。かなり希望的観測を含んでますね。
縦書きの新聞ではしょうがないのでしょう。地元紙でもいつも「ルビー」と表現されるので、そろそろあきらめてきました。
勘弁してください。
当然ですが、Rubyの開発を始めた1993年にはまだウェブは一般的ではないので、 最初からウェブを対象にしていたわけではありません。 効率良く書きたかったのは、ウェブ(アプリ)ではなく、プログラム全般、特にテキスト処理プログラムですね。
勘弁してください。
まだこんな表現が残ってたんですね。「フリーソフトウェア」または「オープンソースソフトウェア」と読み替えてください。
間違いじゃないんですが、歴史的には「モルモン」は差別的に用いられてきたので、 自ら名乗る時には「末日聖徒」という単語を使います。一般人には伝わらないかもしれませんが。
私は雇われで「仲間と設立した」わけではないです。 NaClの設立を計画する会合に出席はしていましたが。
このエントリを読んで、どこかで「日経の記事はひどい」と書いてた人がいるけど、 上の文章をちゃんと読んでもらえばわかるように、記事そのものは、やや不正確なところはあるものの、 そんなにひどくはない。明らかな間違いはないし。
記者の人の名誉にかかわるんで、 私が「日経はひどい」とか「この記事はひどい」とか まったく思ってないことは明確にしておく。