というわけで、参加してきました。
うーん、政策担当者と直接話せる機会が持てたことと、 これだけの面子が集まったということのシンボリックな意味はあったと思うけど、 実際の討論という意味では発散し過ぎて十分な情報が集まったかどうかは自信がない。
やはり事前の意識合わせが必要であったか。
えーと、あとなんだっけ。ストリーミングで参照してください。IRCログ発見。
インサイダー情報
なお、この討論会の前に「渡邊フォント」問題の当事者である、 タイプバンクさん、日立さん、狩野さん、古川さん、かずひこさんなどなどを交えて話し合いが行われたそうです。 前向きの結論が期待できる、かも。
うまくいけばグッディーの前田社長の貢献ということで。 いや、仮にうまくいかなくても(いくと信じてるけど)、貢献という意味はあるよな。
いや、支援してくれるって言うなら断りませんよ、決して。
とはいえ、実際に現実的なのは
というわけですでにかなりの部分が手をつけられているのではないかと。
あとは、
などもありえるけど、これらは(仮に可能だとしても)時間がかかるだろう。
むしろ、善意のユーザが開発者に積極的に利益を還元するチャネルがないことの方が 問題ではないかと。これら政府の仕事ではない。Perl Foundation日本版みたいなのが、 もっと広い範囲で必要なのかも。
前回といい今回といい、なぜか浅草のホテルに泊まっている。 東京オフィスの最寄り駅がが末広町なので銀座線が便利なのだ。
部屋の手配の関係かツインの部屋。広いのはいいが、ベッドがふたつあっても無駄に広いだけ。
ホテルでテレビをつけていたら引っ越し業者のコマーシャルが流れていた。
番号っ ゼロッ イチッ ニィッ サンッ なんでゼロから始まるねんっ
結局その業者の電話番号の一部が0123であるということなのだが、 なぜゼロから始まるのがおかしいのか理解するのに10秒くらいかかった私は もう一般人とは違う思考回路になってしまっているらしい。
一泊して、松江に。異常にくたびれたのは、睡眠不足のせいに違いない。
ITmediaより。
ITベンダー、消費者擁護団体、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が、18カ月前に米下院に提出された、映画や音楽などの著作権付きデジタル製品の私的複製を認める法案を支持する団体を結成した。
というニュース。あらゆる複製を禁止するDMCA(デジタルミレニアム著作権法)は厳しすぎる、 公正使用権(フェア・ユース)は認められるべきだ、という消費者の視点からはしごくまっとうな法案。 とうぜんコンテンツ権利保持者からは反対されている。
こういうフェア・ユースの観点から消費者の権利を保護しようという動きもある点では、アメリカの政治にはまだ健全さが残っている気がする。 日本の著作権法には「フェア・ユース」という概念がないらしいし、 政治家は権利団体のほうしか向いていないようで、気持ちが暗くなる。
もっとも、「だからアメリカ万歳」なんていうつもりはさらさらない。ほぼ同時にITmediaでは このような報道も行われているのだから。
標的はP2Pソフト作者 − 著作権侵害「教唆者」の責任問う法案
米上院の有力議員らは6月22日遅く、ピアツーピア(P2P)ソフトなど、著作権侵害行為を「教唆」する製品の作成者をアーティストやエンターテインメント企業が訴える権利を認めるための法案を提出した。
いずれにしてもダイナミックなお国だ。
数年前から旧日銀松江支店跡が「カラコロ工房」という場所になっている。 が、駐車場に不自由する街中はなんとなく足が向かなくて行ったことがなかった。
しかし、最近妻や子供たちがはまっているビーズ細工の材料があるというので、 期末試験の勉強をするという長女以外をつれて出かけてみる。
妻・子はビーズ細工を楽しみ、私はテラスで飲物を飲む。 今日は暑い日だったが思いのほか風が涼しくて快適だった。
あと、旧日銀の金庫を見学した。これは面白い。 いや、ただの超分厚い鉄のトビラだけなんだけど。
昨日問い合わせていた代理店から エア・カナダを使う名古屋便に空きがあるかもしれないとのこと。 スパムに分類されていて発見が遅れた。
セントレアを使ってみたいと思っていたし、乗り換えは楽だし、 空きがあるならそれに越したことはない。月曜に早速問い合わせよう。
しかし、小さい代理店は
の順序なので不安が伴うよなあ。 フランスに行った時もそう思ったが、あの時は無事に行けたけど。
土日は休みにしよう、と思っていたが、 Rubyのprocess.cでdetach_process_watcherがプロセスの終了を検知しても 1秒待っていたのをrb_waitpid()が成功した時点でスレッド終了させるようにした。
集会終了後、お客さんと雑談する。
彼はブラジル留学の経験があってポルトガル語が話せるのだが、 言語がわからない第三者からは「すっごい上手な人」とみなされるのだが、 実際には思うように話せずもどかしい、のだそうだ。
私も似たような経験があるので(私は英語だけど)、共感できる。
また、言語を話すことそのものを目的に言語を学ぶというのはモチベーションが維持できない、 要は何を伝えたいかが重要である、とか、 相互理解の障壁は言語よりも異文化への理解だとか。
彼は日経ブラジル人の学習支援をしているとかで、 異文化への理解のなさに日々直面しているらしい。
ふーむ。
東京出張。多いぞ。
秋葉原ダイビルの東大オフィスで ささだくんと会う。 ま、懸念材料はおおかた金曜日に片づいた(本当に?)なので、 さほど難しい話はしなかったが。
途中でB4の学生さんが来て、彼の課題である
RHC (Ruby High-performance Computing)HPR (High-Performance Ruby) について
現状を聞かせてもらった。
大変興味深いうえに、楽天技術研究所の研究テーマとややかぶっていたので 面白く聞かせてもらった。まだはじまったばかりだけど。 これは産学共同を考えるしかないか。
結城さんとの対談についてのおくじさんの感想。
「変えないほうが楽」だなんて、 まともなソフトウェア開発をやっている人間なら、決して言葉は吐かないはず
いや、まあ、多くのフリーソフトウェア開発者ならそうであるという点においては 同意しますが(だからこそ、「Rubyは変わり続けている」わけで)、 しかし、「まともなソフトウェア開発」とくくってしまうのは ちょっと広すぎるかもしれない。
「フリーでないソフトウェア開発はまともでない」という主張でない限り。
結城さんは執筆者でソフトウェア開発は本業ではない、というのもあるかもしれないけど、 「変えない方が楽」と考える職業的ソフトウェア開発者もたくさんいる。 当然だがこの「変えない」の対象は「外面からわかる点」である。 外側は変えないでリファクタリングや性能向上だけ考えていた方が楽という意味だ。
もう一つ、
分散化が必須という状況では、言語なり処理系なりが透過的な機能を提供して、それで本当に嬉しいの?と思うのです。
そりゃあ、中にはいわゆるバカチョンパラレルで十分なケースもあるわけで、そういう時には嬉しいのかもしれません。
おっしゃることはよくわかる。しかし、私は今後「いわゆるバカチョンパラレルで十分なケース」が増えると考えていて、それを支援したいと考えているので、HPCをRubyで、というわけではない。 Rubyが本質的に遅いことはわかっりきっていても、それでも「もっと速く」という人は絶えないわけで。 本気で「並列で性能!計算速度命!」とかいう話なら、そりゃ明示的な指示は必須だろうし、 そもそもRubyみたいな言語を使う気にならないだろうけど。
最近だとFortressがそういうHPC分野で透過的な言語を目指して、あまりうまくいっていないようですね。
某所にある楽天データセンター(の一つ)を見学させていただく。 データセンターってどこも住所を明らかにしないのね。 テロ対策?
規模やらなんやらに感動する。 滅多に見れない大きなコンピュータや、サーバのつまったラックの数もそうだけど(60テラのディスクとかはじめて見た)、 一番感動したのは、将来にわたって拡張しやすいように、考慮され、企画され、整然と構成された データセンターの「仕組み」である。 過去、いろいろ「痛い目」にあって学んだことが活かされているのだそうだ。 過去のデータセンターでは、ネットワークケーブルが地層になったり、 電源ケーブルとネットワークケーブルが絡んだり、 マシンが重すぎて床が沈みそうになったり、 大変なこともあったのだそうだ。
一緒に見学に参加した、うち(NaCl)の社長は、 「楽天はデータセンター設計部門を子会社化して事業化すべきだ」と 強く主張していた。本当にそうかもしれない。
おお、面白そうな記事が出たのぉ、と思って読み始めたら 自分の書いた文章だった。最近、オープンソースマガジンや 日経ソフトウェアに書いた記事がWebに転載されることが多くて(それは契約の範囲内なので何の問題もないのだけど)、
面白そう→結局自分の記事だった
ということが頻発している。うれしくない。
各種言語の簡単なまとめとリンク。
HTMLとかXMLのようなプログラミング言語でないものが含まれていたり(AcronymにLanguageを含んではいるけど)、 Euphoriaのようなあまり知られていないものが含まれていたりするのが面白い。
一方、Rubyはまだ名前さえ含まれていない。
あ、そうそう。Euphoriaは最近オープンソース化されたそうだ。 いわゆる「今風の言語」ではないけれど、要チェック。
1年ほど仕事でOCamlを使って感じたOCaml言語のダメなところ、という話。
私自身はOCamlを使っていないし、まだ『4839923116』も完読していないので、この批判が正当なものかどうか判断はできないけれど、 今まで言語批判を読んできた経験から推測すると、 大半は設計思想との見解の相違で、 ごく一部正当なものがあるというところだろうか。
もっとも、このような批判が出ることそのものは非常に健全で、 このような批判を改めて検討することで、 自分の設計思想が本当に正しいのか再確認するチャンスを得ることになるし(時間を使ってしまうけど)、 また、今まで思いつかなかった発想の源になる可能性もある。
というわけで、Rubyに対する批判も甘んじて読もうと思っているのだ。 時々、心が痛むけれども。
Python 3000に対するBlog界の反応。
なんとなくforkを懸念する否定的な意見が目立つような気がする。 ま、実際、現行PythonとPython 3000との間で(当初の予想よりはるかに小さいものの)、 非互換性があるのは確かで、結果的に、いつまでもPython 2.xにとどまる人と、 積極的にPython 3.xに移行する人の分断が、ある程度発生することは避けられないと思う。
が、それはしょうがないんじゃないかなあ。 誰かも書いてたけど、Perl5とPerl6よりは小さいわけだし。 たぶん、Ruby1.8とRuby1.9の間よりも小さい。
その辺を気にするのがPython的コミュニティってこと?
いや、邪推が過ぎるか。
こっちにもPython 3000リンク集を発見。
かつてSmalltalkerであったRick DeNataleがRubyに対して思うところ。
いろいろ面白いことがあって、言語に興味があって英語にさほど抵抗がない人には ぜひ読んでいただきたいのだが、個人的に一番面白かったのは以下の引用部分。
I always thought that Smalltalk would beat Java, I just didn't know that it would be called "Ruby" when it did.
私はいつかSmalltalkがJavaを打ち倒す日が来ると信じてきたが、 そうなった時には、それがRubyという名前で呼ばれるとは思いもしなかった。
−Kent Beck
ま、実際問題、Rubyはいろんな意味でSmalltalkではないのだが、 それなりに(頭の柔らかいSmalltalkerに嫌われない程度には)、 Smalltalkの精神を受け継いでいる、らしい。
David Alan Blackによるエッセイ。
新たにRubyを学ぶ人は今まで慣れ親しんだ言語との違いが気になって、 「ここがおかしい」、「あそこを直したい」と感じるみたいだけど、 ちょっと待って。Rubyにはそれなりに歴史と理由があるんだから、 しばらくとどまって、「Ruby流」に慣れてからそのことを考えようよ。 決して後悔しないから。
というような話。
ま、実際「Rubyを変えたい」という話の大半は 「私の知ってる言語XXXとここが違う(から直したい)」というものであるので、 そうしていただけると、私は助かる。
が、そういうリクエストの中にも有意義なものがあったりするから油断がならない。
パフォーマンス(の多く)は処理系の性能よりもアプリケーションアーキテクチャで決まる、という話。 割と当たり前。
The performance boosts associated with a “faster” language would give us a 10-20% improvement, but thanks to architectural changes that Ruby and Rails happily accommodated, Twitter is 10000% faster than it was in January
より「高速な」言語を使うことで性能は10-20%程度向上するだろう。 しかし、RubyとRailsで容易に実現できるアーキテクチャ変更のおかげで Twitterは1月と比較して10000%高速になっている
10000%って100倍だよね。
ソフトウェアシンポジウム2008のために高松へ。
今回は「エンジニアの幸福についてキーノートで話してください」との依頼。 SSでキーノートを話すのは2002年の松江のとき以来、2度目。 ただし、あの時はあくまでもRubyの紹介だった。
あれから6年。今ではRubyについて紹介することも少なくなった。
とはいえ、「幸福」について語る日が来るとは予想もしなかった。 「技術者の幸せとはなにか?−エンジニアサバイバルガイド−」というタイトルの話は、 技術的な内容は全然なかった。
梅田さんとの対談などで語ったことを膨らませた感じか。 とはいえ、自分でも「こんな胡散臭いことをしゃべってていいのか」と スライドを準備しながら自問自答したこともあり、 やや断定的な口調を避けたきらいがある。度胸がない。
あと、オープンソースとビジネスというパネルに(かずひこくんと一緒に)参加。 あんまり盛りあがったような気はしない。
かずひこくんからは「オープンソース開発者のロールモデルとしてMatzは 特異すぎる。いわばスーパーモデル」などと呼ばれる。どんなんだ、スーパーモデルってのは。
で、じゃあ、誰がロールモデルになるのか、という問いに 「えーと、わたし(かずひこ)?」とか答えてた。
それはそれで違うような気がする....。
お昼、夜とさぬきうどん。夜はかずひこくん、ひろのぶさん、鵜飼さんと一緒に。 懇親会であれだけ食べた後に、まだうどんをたべるかと思うと あきれる点ではあるが、まあ、いいか。