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Matzにっき


2003年06月25日 [長年日記]

_ [OSS]オープンソース政策討論会

というわけで、参加してきました。

うーん、政策担当者と直接話せる機会が持てたことと、 これだけの面子が集まったということのシンボリックな意味はあったと思うけど、 実際の討論という意味では発散し過ぎて十分な情報が集まったかどうかは自信がない。

やはり事前の意識合わせが必要であったか。

  • 人材の育成はオープンソースに限らない
  • オープンソースを政府が支援すべきでない(手法に過ぎないから)
  • オープンソースを政府が支援すべき(alternativeとして確立させたい)
  • 経済省はライセンスについて有識者による検討を行っている。結果は近日公表
  • ソフトウェアの輸出輸入超過をなんとかしたい。マイナスをなくすだけでも
  • オープンソース技術者がユナイトする機会が必要。人材の流動性
  • 「プロジェクトX」? (...それは勘弁してくれ)

えーと、あとなんだっけ。ストリーミングで参照してください。IRCログ発見。

インサイダー情報

なお、この討論会の前に「渡邊フォント」問題の当事者である、 タイプバンクさん、日立さん、狩野さん、古川さん、かずひこさんなどなどを交えて話し合いが行われたそうです。 前向きの結論が期待できる、かも。

うまくいけばグッディーの前田社長の貢献ということで。 いや、仮にうまくいかなくても(いくと信じてるけど)、貢献という意味はあるよな。

_ [OSS]オープンソースへの政府の支援

いや、支援してくれるって言うなら断りませんよ、決して。

とはいえ、実際に現実的なのは

  • OSSをコンポーネントにした業務システムを開発する際に欠けているものの スタートアップを支援する(オープンソフトウェア活用基盤整備事業)
  • とんがった人の発掘事業(未踏ソフトウェア事業)
  • ライセンスについての日本法における研究報告(やっているとの報告あり)
  • 公的機関(大学、研究所)がOSSをリリースする際の制限の緩和、事例の蓄積(進んでる?)

というわけですでにかなりの部分が手をつけられているのではないかと。

あとは、

  • 特許制度・商標制度の改革
  • 寄付控除の拡大
  • GNU manifestoにあるところのソフトウェア税

などもありえるけど、これらは(仮に可能だとしても)時間がかかるだろう。

むしろ、善意のユーザが開発者に積極的に利益を還元するチャネルがないことの方が 問題ではないかと。これら政府の仕事ではない。Perl Foundation日本版みたいなのが、 もっと広い範囲で必要なのかも。

_ ホテル

前回といい今回といい、なぜか浅草のホテルに泊まっている。 東京オフィスの最寄り駅がが末広町なので銀座線が便利なのだ。

部屋の手配の関係かツインの部屋。広いのはいいが、ベッドがふたつあっても無駄に広いだけ。

_ [TV]0123

ホテルでテレビをつけていたら引っ越し業者のコマーシャルが流れていた。

番号っ
ゼロッ
イチッ
ニィッ
サンッ
なんでゼロから始まるねんっ

結局その業者の電話番号の一部が0123であるということなのだが、 なぜゼロから始まるのがおかしいのか理解するのに10秒くらいかかった私は もう一般人とは違う思考回路になってしまっているらしい。


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