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Matzにっき


2003年05月18日

_ [教会]岡山

今日は岡山の教会。早朝、出発直後に後輪タイヤにネジがつきささっているのを発見して、動揺したりもするが、 タイヤ交換の後、無事に出発。

ツーリング日和のせいか、BMWバイクの集団、ハーレーダビッドソンの集団、競争用自転車の集団に遭遇する。 特に数十台並んだBWM軍団は壮観であった。 岡山はツーリングの聖地か。

最終的には4分の遅刻。4分で済んだのはさいわいと考えるべきか。 なんだかんだで、うちに帰りついたのは午後8時すぎ。疲れた。


2004年05月18日

_ [OSS]メールオーガナイザー

〆切が終わったので、なにかまとまったことをはじめようと決心する。 ここ10年、Rubyの世話ばかりしていたので、 「なにか新しいことをはじめる力」は確実に鈍ったような気がする。 1日程度で片づく仕事に関する能力は向上しているように思うんだけどな。

新しいことをはじめるためには、何日も集中を続ける必要があるんだけど、 それだけの集中力を維持できない。歳とったかな。

で、まずはメールオーガナイザーのために下調べ。 先日来、ごみ以外のメールを削除していないので、だんだん今までのソフトウェアでは切迫してきたのだ。

いろいろ調査を行うが、自分が物を知らないのにあきれる。 そうか、検索というのはこうやって行うのか。とか、特徴的単語の抽出方法とか。

できれば車輪の再発明は避けたいので、 既存のものも調べる。

基本的には、以下のような条件を満たす全文検索エンジンがあれば良い。

  1. インクリメンタルにインデックスを追加できる。
  2. メールの削除に対応できる(できれば)
  3. TF・IDF法などで特徴的単語が抽出できる(類似メール検索のため)
  4. 日本語に対応している

候補に挙がったのはGETANamazuMairixなどだ。

機能が一番そろっているのはGETAだ。 インデックスさえ用意できれば、ほしい機能は全てある。 ただ、これはインクリメンタルなインデックス操作はできないらしい。 毎回巨大なfreqファイルを作るのは避けたいなあ。

些細だが、OSD準拠でないライセンスもできればなんとかしてほしい(単なる要望)。

4. あなたは、本ソフトウェアを原子力関連、航空管制その他の交通関連、医療、救急関連、警備関連その他人の生命、身体、財産等に重大な損害が発生する危険を有するシステムに使用してはいけません。

付則1. 本ソフトウェアを利用して、インターネット上での交換検索サービス等を実施する場合には、その入り口となるようなページなど、通常利用者の目に触れると考えられる位置に下のロゴマークを掲示し、「IPAが開発した本ソフトウェアを利用している」旨を明記しなければなりません。

類似のライセンスだったGalatea Projectも ライセンス変更したことだし。

Mairixも面白そうだが、日本語には対応していないし、 対応させるのも簡単ではなさそうだ。

となると、Namazuベースか。特徴的単語の抽出とかできたかな。 ファイル削除に対応していないのは暇な時にインデックスを作り直すことで対応できるか。

できれば自前で作るというのは(楽しそうではあるけど)やめたほうがよさそうだ。


2005年05月18日

_ IPA X 2005

うちのRastが出展するので、 東京までお出かけする。末娘が風邪っぽいので心配だが、仕事をキャンセルするわけにもいきそうにない。

2便を使ったので、会場に付いたのは昼過ぎ。その後、少しだけ見て回る。

今日、目に付いたもの

  • YARV (もちろん)
  • POM - 漫画支援ツール。仕上げ工程ではなく、ネームとコマ割りを支援する。これは「未踏」かも。
  • XAA - RELAX NGでモデルを定義し、MVCモデルでアプリケーションを構築する

あと、「オープンソースゾーン」なるコーナーがあるのだが、 出展企業の中でオープンソースを主体としている企業は 「ネットワーク応用通信研究所」と「グッデイ」だけのような。 もしかすると本当にこのふたつしかないのか(そんなことはないと信じたい)。

たくさんの人と名刺交換をした。なんか、私のことを知っている人が多いのはありがたいけど、 必要以上に意識されてしまうのはちょっと抵抗が。私はあくまでも「普通の人」です。 社会人として欠けているところがいくつもあるのは確かだけど、それは置いといて。

スーパークリエーターたちは認定証をもらっていた。 しかし、百歩譲って「スーパークリエーター」は良いとして、 「天才プログラマー」と連呼しちゃうのはいかがなものだろうか。 なかには天から与えられた才能ではなく、努力の結果偉大な成果をあげた人もいるんじゃないだろうか。 そういう人を安易に「天才」と呼ぶのはもしかして失礼なんじゃないだろうか。

5時で展示は終り、レセプションがある。

大学の同級生にばったりと会う。世間は狭い。 しかし、「もう10年もコードを書いてない」なんて話を聞いちゃうと、 ああ、そういうトシなんかなあ、とか感慨深くなっちゃったりして。

もっとも、中田先生なんか退官して「これでコーディングに集中できる」とか言ってるみたいだから、 上には上がいる。私もそういう老後を目指したいものだ。

その後、Ruby関連者など十数名で二次会(というのか)。 ごめんなさい、参加した人を把握しきれてません。

面白かったのは「なでしこ」のクジラ飛行机さんこと、 山本さんとの対話。 「なでしこ」のプログラムってのは、「確かにやりたいことを表現しているが、 人間に対してならともかく、コンピュータがそれをちゃんと理解しているとはなかなか信じがたい。 マジック」という印象がある。「マジック」ってのは善し悪しで、 ちゃんと動いているうちは良いが、一度分からなくなると手が付けられなくなる。 マジックだから。

しかし、山本さんと話をしたら、ちょっとだけ「なでしこ」の動きが分かって、 「マジック」が減った。面白い。自分自身で使うのはちょっと、だけど。 日本限定なのもちょっと厳しい。

山本さんと話すうち、いろいろと面白いアイディアが湧いてきた。

  • 韓国語版「なでしこ」 - 文法的には似ているそうだから。まず、韓国留学して韓国語を身に付けるところから。
  • 中国語版「なでしこ」 - 以下同文。ただ、中国語は文法は英語に近いらしいからちょっと違うかも。
  • 秘密のアイディア。未踏に応募するかも知れないからヒミツ。

新しい言語は変化が大きくて、ダイナミズムが高い。 もう10年も続けてきて、世界中にユーザがいるとなかなか変化できなくなる。 いっそ、エメラルドか?


2006年05月18日

_ “鳥根県”か“島取県”か…「合併はあってもいい」

鳥取県の片山知事がおっしゃったとか。

実は山陰両県は明治時代には合併されていた(その時の名称は「島根県」)、 が、冷静に考えると鳥取県の東側と島根県の西側とじゃ 現在でも移動にゆうに5時間はかかる(最短で)。合併が長続きしなかったのも無理はない。

かなりバーチャルな行政にでもしないと、 現実的ではないだろう。

それは最近よく言われている道州制でも同じことだが。

_ 「HOTEL」

週刊コミックモーニングの読み切り42ページ。

2700万年におよぶ歴史を描くSFマンガ。ひさびさに歯ごたえのあるマンガを見たような気がする。 思わずモーニング買っちゃったよ、何年ぶりだろう。

しかし、この作者のboichiって人、 意外とあちこちに書いているのね。絵柄がいろいろなので識別できてなかったよ。 最近、作者名とか頭に入らないので画風だけで認識してるもんなあ。

_ 『アスペクト指向入門』

先日、とあることで千葉先生とメールのやりとりをしていたら

海外のアスペクト指向コミュニティで「Rubyはアスペクト指向を取り込まないのか」という話が出ている。「Matzはアスペクト指向が好きでないのか」と。

と聞いたのだそうだ。

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いや、別にアスペクト指向が嫌いなわけではないけど、 CLOSのようなメソッドコンビネーションはともかく、 かなりの部分はアプリケーションドメインの機能のように思います、提案歓迎、 というように返答しておいた。

「それはそれとして、千葉先生の本でも読んで勉強しておきます」と言ったら、 「では、贈りましょう」ということで、今日届いたのだった。 もともと買うつもりだったので、ちょっとラッキー。

で、読む。やはりアプリケーションドメイン機能が言語に入り込んできている印象はぬぐえない。 もうちょっと整理すると、アプリケーションドメイン機能を実装するのに 必要十分な機能が抽出できるような気がする。

でも、それって単なるメタオブジェクトプロトコルじゃないかという気もするな。


2007年05月18日

_ [Ruby] Rubyist Magazine - Rubyist Magazine 0019 号

出た*1

今回はややコンパクト。 私の担当は「APLとJ」。 ま、改めて勉強するに

  • APLは読めない
  • ASCIIのみに限定したJもやっぱり読めない

ということで、APLが読めないのは必ずしもギリシャ文字のせいではないことが はっきりした。って、そういう記事なのか。

*1  って、実際に書いてるのは24日だから遅すぎるけど

_ [Ruby] 新サービスMyITproの裏側を暴露します:ITpro

Ruby on RailsでできているMyITproの実装の話。

こういう話はたいてい表で語られることはないし、 たまに話されても、あまり上手なプレゼンではなかったりするのだが、 これに関しては書き手が記者の人であるだけあって 特殊な内容というわけではないが、読み応えがある。

面白かった。

_ Andy Tanenbaum hasn't learned anything

Andy Tanenbaum教授はあいかわらずマイクロカーネルの信奉者だけど、 世の中はその方向に進んでないよね、あんまり(最近の状況を)学んでないんじゃない、という話。

この指摘の真偽はともかく、 確かに世の中の動きの方向はなかなか予想できないから、 過去の成果によっていると置いてきぼりにされちゃう危険性はいつもあるよね。 「過去の栄光」がある人ほど危ない。

言語分野でも

  • ベクトルプロセサ上で進化したベクトル化コンパイラ(Fortran)が ベクトルプロセサの不人気と共に凋落。
  • ごく一部の分野でしか使われていなかった古い言語(Erlang)が マルチコア時代に人気獲得(しつつある)
  • 遅い遅いといわれてた動的言語がエンタープライズ領域で使われるようになる

などという「予想外」が発生してるし。これからも予想は裏切られるに違いない。

_ [OSS] オープンソースサロン

しまねオープンソース協議会月例のオープンソースサロン。

今回はサン・マイクロシステムから技術者の藤槻 泰宏さんをお呼びして、 Project LookingGlassについて。

正直、「ビジュアル系」にはあまり強くないのだが、 これは面白いと思った。 「APIも簡単」ということだったので、興味深かったのだが、 Javaなんだよねえ(苦手)。

いずれにしても見かけのインパクトがあることは重要である。 10年以上鳴かず飛ばずだったRubyは、やはりデモで華がない。 あれはダメだよね。いくらなんでも「Hello World」じゃ。

それに比べて、Ruby発展の起爆剤になったRailsのデモのインパクトのあること。 「15分でWebアプリケーションをゼロから作ります」とか。 マーケティングの極意はやはり「見せて理解してもらうこと」にあると感じた。

その後、懇親会。「ひらメソッド」のひらさんと 隣の席で、いろいろ面白い話が聞けた。マルチコア時代の新しいOSについて、とか。 そういうOSができたら、ぜひそこでRubyが効率良く動くようなことを考えたい。


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