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Matzにっき


2004年04月12日

_ [OSS]日本オープンソース推進機構が活動を開始

日経ITProの記事。『「自治体へのオープンソース導入やLinuxでのCOBOL資産活用を支援したい」−−NPO法人が活動開始

以前OSSAJについて書いたが、この日本オープンソース推進機構はまったくの別団体。 少なくとも設立趣旨はこちらの方がわかりやすい。

とはいえ、おんなじオープンソースで複数の団体があってどうするつもりなんだろうか。

窓口が多くて混乱するようになるのか、 あるいは窓口が多くてそれだけ多く注目を集められるようになるのか、 私には予測できない。こちらも5月からという「本格的活動開始」に注目したい。


2005年04月12日

_ [原稿] 日経Linux 6月号

ゴールデンウィーク進行で〆切は11日だったのだが、 入学式に参加してたりしてなかなか時間が取れず、徹夜する破目になった。 書き終わったのは早朝4時。体壊しそう。 もうちょっと早めに仕事が片づけられるとよいのだが。

で、6月号の「まつもと直伝・プログラミングのオキテ」の内容は、 先月の「ポリモルフィズム」に続いて「抽象データと継承」について。

オブジェクト指向のおおざっぱ(で、やや不正確)な歴史と、 抽象化とDRY原則をベースに、構造化プログラミングの延長線上として 抽象データと継承についてボトムアップに語ってしまうという怪作。

一面的な見方であるのは自覚してはいるが、あまり語られない視点なので面白いと自画自賛。

_ [言語] バールのようなもの

「C言語 ポインタ完全制覇」で知られる 前橋和弥さんによる、 「プログラミング言語を作る」という企画。

作ろうとする言語に対する愛が足りないのが少々不満だが、 言語処理系の学習には実際に動くサンプルをいろいろといじるのが一番なので、 大変役に立つだろうと思う。言語名はcrowbar、そのこころは「バールのようなもの」だそうだ。


2006年04月12日

_ 中国へ移動

第4回北東アジアオープンソース推進フォーラムだかなんだか*1に 出席するため、中国に移動。

まずはホテルから成田へ移動。朝8時半集合ということを考えると 成田泊は正解であった。その後、NH905で北京へ。

飛行時間が3時間半しかないということで、 あんまり余裕はない。結局ほとんど映画を観てた。 見たのは『ナルニア』。なかなか原作を忠実に映像化しているように 思えた。が、実際に読んだのはずいぶん前なので、 また読み返してみないとな。

北京首都国際空港はたいそう立派なものであった。 ところどころ中国っぽいディスプレイがある以外は 西洋の空港と違わない。 ケンタッキーフライドチキンやらスターバックスもあるし。

それからバスで天津へ移動。3時間くらいあるらしい。 バスの中ではかなりうとうとしていた。 が、延々と続くポプラ並木が印象的であった。 下草とかほとんどないんでほうっておいても植物の生えない地域なのかなあ。 ずいぶん乾燥してるみたいだし。

で、会場は天津の中でもFree Trade Zoneと呼ばれる地域らしくて、 中心街からは車で30分以上かかるところらしい。 大変りっぱなホテルではあるが、 とりあえず周囲には倉庫とかしかない。 おみやげ買う場所も時間もなさそうだ。

夕食は中華料理(やっぱり)。 周囲の人は「ビールが冷えてない」と言っていた。 酒を飲まない私は「水を」とお願いしたら、 グラスにお湯をなみなみと注がれた。

フルーツポンチがらしき食べ物が温かかったりと、 温度に関する感覚が我々とは少し違うらしい。

部屋はツイン。雰囲気はアメリカのホテルに似てるね。 プラグはA, C, O, O2あたりが差せるマルチタイプ。 実際、部屋のテレビはA、ランプはAのものとO2のものの両方が置いてある。

とりあえず天津のホテルでは変換コネクタは不要、と。

*1  「だかなんだか」というのは資料ごとにミーティングの名前が微妙に違うから


2007年04月12日

_ [OOP] Why OO Sucks

「Erlangの人」Joe Armstrongによる、「なぜOOは良くないか」。

  1. Data structure and functions should not be bound together
  2. Everything has to be an object.
  3. In an OOPL data type definitions are spread out all over the place.
  4. Objects have private state.

2と3はちょっと誤解っぽいけど、残りは 関数型プログラミングの視点からはもっともだと思う(特に4)。 だけど、世の中にはそれに耐えられない人もいるのよ。

現実世界に「状態」があるのに、プログラミング言語がそれを表現できない (ということは、間接的に表現しなければならない)というのは、 私の脳内モデルとプログラムの距離が遠くなって大変つらい。

現実世界から副作用のない関数モデルへのマップが脳内でできる(関数脳)状態の人には 関数型言語が最適なのだと思う。 問題はどうやってそれを構築するか、だれも言語化していないことだ。 「習うより慣れろ」とかいう精神論しか聞かない。 それはあまりにスパルタな。

それとも私が知らないだけ?

_ [Ruby] Java News Brief - April 2007: JRuby

JRubyの紹介。JRubyを介してJavaな人の視野にもじわじわとRubyが進出してきているようだ。

たとえ、仕事ではJavaしか使わないにしても、 Rubyを知っておくことは無駄ではないと思うよ、実際。

ただ、仕事でJavaを使うのが苦痛になるという副作用があるかもしれないから、 それには注意。

_ [Ruby] Compute Node Ruby for Bluegene/L

Bluegene/LのノードでRuby 1.8が動いた、という話。

考えてみれば、全体としては世界最速のスーパーコンピュータだとはいえ、 各ノードはLinuxマシンなわけで、別に珍しいことではないかも。

ただ、Bluegene/Lのノードはスレッドに対応していないので、 YARVは動かないらしい。そういうものなのか。


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