えー、もうみんな忘れてると思うけど、 昔ここには「Matzにっき」というタイトルのブログのような日記のようなものが あって、1週間くらいズレながらもなんとかかんとか続いていたんだよ。
それが、エイプリルフールのデンマークで路頭に迷うという エントリを最後に更新が止まってしまったもんだから、
などと(ごく一部で)いろいろと憶測を読んでいたそうな。
申し訳ない。言い訳をすると、帰国後、現行の〆切が重なって、 すごく忙しかった上に、その直後に体調を崩して(単なる風邪)、 一段落ついた時には2週間以上間が空いてすっかり更新に対する情熱を失ってしまった というのが真相。
が、RubyKaigiのキーノートで、上記の言い訳をした上で、 なんとなく場の雰囲気で 「更新します。更新するまでがRubyKaigiです」 なんて約束してしまったのだが、 減退したやる気はそう簡単には戻らないものだ。
「RubyKaigi'08は(自分の中で)永遠に不滅です」などとうそぶいていたが、 まあ、自分に言い訳するのにも疲れたので更新することにする。
いろいろとご心配かけました > 一部の人たち
ヨーロッパからなんとか帰国したまつもとを待ち構えていたのは 原稿の催促攻撃であった。それもなんとかかわした直後、 まつもとは病魔に襲われてしまう。
しかし、Rubyのメンテを待っている世界中の人々のため、 まつもとは体調の回復もそこそこに、 バグ取り、原稿書き、講演、などに奔走するのであった。
ゆけゆけ、まつもと。世界の平和のために。
取材月。 通常の原稿のほかに、 雑誌などの取材が4件もあった。
4月22日からは各種Ruby実装者が一堂に会する デザインミーティングを 定期的に開催することにした。
まだ取材多し(3件)。
後半は講演もそれなりに(4件)。
「CodeGear,OSJ,ネットワーク応用通信研究所がRubyの普及に向け提携:ITpro」というプレス発表もした。
講演は3件のみ(RubyKaigi, SS2008, 島大)
全体になんだか忙しいけど、体をこわすほどではない。
で、Ruby会議2008、0日目。 最首さんとの対談。ビジネスにおけるRubyの使われ方、について。
Rubyは10年前のJavaに似ていると言われる。10年前,皆ワクワクしながらJavaを使っていたと思う。でも今,Javaをワクワクしながら使っている人が減っているように感じる。Javaの悪いところはその轍を踏まないように,いいところは受け継いでいきたい
で、この中で私が使った「ワクワク」という表現に違和感を感じる人もいるようだ。 どうも、
というロジックのようだ。ふーん。
まず前提になっている「ワクワクするのは未知との出会いによるもの」というのは、 どうなんだろうね。私はプログラミングする時にはほとんどいつもワクワクしているが、 別にいつもいつも未知の言語で未知の領域を開拓しているわけではない。 まあ、ワクワクというのはまだ見ぬ未来に対するポジティブな期待を持っている時に 感じる感情だと思うので、「ワクワクは未知との出会い」が間違いとまでは言わないけど。
で、私は10年たってもRubyに「仕事だからワクワクしないのは当たり前」というような 文化が伴うような言語になってほしくない。それは別に言語そのものが劇的な変化を続ける ということを意味しないはず。むしろ、「楽しいことや新しいことに果敢に取り組むことを 応援する文化」でありたい。そういう態度は安定性がなくて困るという人たちは (すでに安定重視の文化を獲得している)Javaとかを使えばいいんじゃないかな。かな。