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Matzにっき


2007年06月20日 [長年日記]

_ [Ruby] 人工知能学会招待講演『Rubyのチカラ』

福岡から朝一番の便で宮崎へ。 宮崎空港からシーガイアへ。

昼食後、招待講演。タイトルは昨年末に福岡で講演したものと同じだが、 中身は2/3は新しくなっている(でも、同じ誤字が残ってた)。 また、スライドの1/3は今回のための新作。

さて、人工知能ってことで緊張したが、 あまりアカデミックでないRubyの話が学会の出席者(主に学生)に どのように通じたのだろうか。

後で話す限り先生方にはおおむね好評であったようだが。

_ [言語] Python 3000 Status Update (Long!)

Python 3000 (コードネーム、リリースされる時にはPython 3.0)は 今年前半の終わり頃(ってことは6月末?)に最初のアルファリリース。 正式リリースはその1年後を予定、という話。

Python 3000ネタはずっと引っ張ってきているので あまり目新しいことはないのだが、現実路線のPythonらしいといえば Pythonらしい。

Python 3000が始まった頃の「なにかすごいことが起きそう」という 興奮はもうないよね。まあ、アルファリリース直前まで興奮と混乱に あふれていても困るばかりだろうけど。

これが済んだら、今度はPython 4000を始めるんだろうか?

_ [Ruby] Ask Reddit: Why can't Ruby people just admit Ruby is slow? (reddit.com)

「なぜRubyな人たちはRubyが遅いことを認めようとしないのか」という話。

えー、そんなことないと思うけどなあ。

ただ、100万回ループとか竹内関数みたいなマイクロベンチマークの成績だけで遅いといわれても、 実際の仕事を十分に速けりゃいいや、という話はよくする。 で、おおかたの場合にはRubyも十分速いんだよね。

言語処理系の速度ってのは使い方に大きく左右されるので、 たとえば、私はPHPについて、「とても速い」という人と 「とても遅い」という人の両方に会ったことがある。

どちらが間違っているというわけではないだろうが、 ある人がある言語のことを遅いと言っていても、 それが自分にあてはまるかどうかはわからないということだけは言えるだろう。

_ [Ruby] ongoing・Tim Brayによる日本レポート

目新しい点としては

  • 私のTシャツについての言及。JRuby Tシャツはあちこちで人気であった。 また前夜祭でのPython Cookbook Tシャツの件に言及したのもTimだけだった
  • m17n。Timに即席のデモスクリプトを実行してみせて、 ちゃんと文字単位で実行しているのを見せた。 気に入ってもらえたようでうれしい。 combined characterについて質問してみたのだが、 文字列処理の前に正規化されているはずだし、 combined characterを1文字として処理するのはinsaneなので コードポイントを文字とみなして構わない、という意見をいただいた。 UnicodeについてはTimが私より私がTimより正しいということはないだろうから、 素直に従うことにする(その方が楽だし)。

かな。

_ 宿泊

夕方の飛行機で福岡に戻って二泊目。

電気屋好きはヨドバシカメラを散策して大満足。 夕食は4Fの天ぷら屋。おいしかった。

客がぜんぜん居なくて不安だったけど。


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