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Matzにっき


2005年03月16日 [長年日記]

_ [OSS] 続・言い訳

先日のエントリが予想外の反響があって驚いている。 反応リンク集までできてるし。

しかし、全般に私の(たぶん、おくじさんも)意図した部分とは違う話になってしまっている。 オープンソースプロジェクトにどうやって参加するとかは、私の主眼ではなかったのだ。 ま、興味深い話だから、それは別に話そう。

わたしの会社(netlab.jp)は、 オープンソースを中心とした地方の小さなソフトウェアハウスだ。従業員数は40名強。 東京にもオフィスはあるが、主力は島根県松江市にある。 正式名称は「(株)ネットワーク応用通信研究所(略称: NaCl)」というが、 あまりに長いので業界では「ネットワークさん」とか「ネットワーク通信研究所」とか、 いろいろな「あだな」で呼ばれている。 中には「Rubyのまつもとがいる会社」としか呼ばれないケースもあるようだ。

ま、それはどうでも良いのだが(ホントはよくない)、 そういう会社にも「就職したい」という希望者はいて、 会社説明会とか開けば、それなりに聞きにくる人はいるのだ。

しかし、現在までのところ、就職希望者から「オープンソースを仕事にしたい」とか、 「最先端のソフトウェアを開発したい」とか、 「プログラマとしての自分を伸ばしたい」とかいうような前向きな動機が聞かれることはめったにない。

むしろ、「(将来食いっぱぐれがなさそうなので)コンピュータ関係に」、 「地元島根で就職したいので、松江のソフトハウスならどこでもよかった」というような動機の人ばかり 見かけるのだった(さすがに直接はそう言わないけどね)。

んでもって、「時間がない」とか言い訳する人は、決まってそういう人たちだったりするんだな。 まあ、正直に「今まで関心なかったから」とは言えないのかもしれないけどなあ。

そういう人たちの中でも、将来「化ける」人がいないとか限らないけど、 現時点でハッカー素養が発現していない人を採用するのは(結局発現しない可能性を考えると) かなりリスキーだ。日本の雇用制度では、駄目ならすぐクビとはいかないし。 だからどうしても現時点で外から見て素養が分かる人を採用せざるをえない。

オープンソース(フリーソフトウェアでもいいけど)はハッカー素養のある人をひきつける傾向があるので、 オープンソースへの気持ちを聞くのはハッカー素養の判別に役立つ。ただそれだけのことだ。

ということで、netlab.jpは、前向きな態度のハッカー(あるいはハッカー予備軍)を歓迎します。

具体的には、

  • プログラミングが好きな人
  • 自分で学ぶことができる人
  • 創造性がある(と自分で思いこめる)人
  • ブレーキが壊れた人
  • 自分の可能性をプレゼンできる人

などの条件を満たし、私たちと一緒に働きたいという人は、 jobs@netlab.jpまでメールをどうぞ。


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