同じようなことを考えている人を見付けてちょっと嬉しい。
もちろん、単に閉鎖的な姿勢を貫くだけでは、将来、テレビ業界が萎んでいく可能性もある。携帯電話のコンテンツ充実や、インターネットの利便性や娯楽性が上がっていけば、必然的にテレビ視聴に使える時間は短くなってくるからだ。その上、コピーワンスによってタイムシフト録画以外の使い方、つまりコンテンツをライブラリとして溜め込んで楽しみたいという視聴者に大きな不便を強いている。
しかし、コンテンツホルダー側だけの論理で作り上げられた仕組みが、ユーザーの利益を生むことはないと個人的には信じている。音楽出版社主導で行なわれている音楽配信サービスは、果たして1曲いくらで提供されているだろうか? B-CASカードが必須のデジタルチューナは1台いくらで販売されているだろう? デジタル放送の一律コピーワンスは、不便を強いる代わりにユーザーに何らかのメリットをもたらしただろうか?
そうした自問自答を繰り返すにつれ、ブロードバンド天国、もっともブロードバンドネットワークサービスの可能性が大きな国と言われる日本は、このままではアドバンテージを生かし切れず、そのうち彼の国に追い抜かれる気がしてならない。もちろん、最悪のシナリオなど誰も望んではいないはずなのだが。
むしろ思い切った自由とメリットを消費者に与えることで開ける世界もあるはずだ。
現在の日本は、むしろアメリカでの動きよりも硬直化していて、未来を感じさせない。IPacがんばれ。
IPacの理念は率直な内容だ。
- 考案および発明物の作者は、その成果物の対価を得る権利を有するが、政治的表現の制限、技術革新の拒否、教育と科学研究の制約を行う権利はない。
- 知的財産法は、アメリカ合衆国憲法で定めるとおり、新しい創作性を促進する可能性に基づいて審査するべきである(憲法第8項第8条では、「科学および有用な技芸の発展を促進するために、作者および発見者に、その著作および発見物に対する一定の期間に限られた独占的権利を与える」権限を連邦議会に与えている)。
- 知的財産法は、誰もが訴訟を恐れずに創作活動を行えるよう、明確かつ明示的でなければならない。
しごくもっともだ。