先日話題にした、シュマイヤーシュマイザー訴訟の最高裁判決。
一審敗訴だと思っていたのだけど、二審も敗訴していて、この度最高裁判決が出たということ。
米農業バイオ大手モンサントが、同社開発の遺伝子組み換え作物の特許を侵害されたとしてカナダ農家を相手取って訴訟していた問題で、カナダ最高裁は21日、モンサント側の主張を支持する判決を下した。
えーと、これはどういうことだろうか。
いや、遺伝子組み替え作物に特許が成立するかどうかという命題だけなら(疑問は残るが)理解はできるが、 シュマイヤーさんのような悪意もなく、むしろ被害者と呼ぶべき人物が 「犠牲」になるというのはどういうことだろうか。
私は、絶対になにかが間違っていると思う。特許制度か、(カナダの)裁判制度か、それとも別のなにかが。
もちろんモンサントが多額の費用をかけて遺伝子組み替え作物を開発したので、 それを保護したいという動機は理解できる。が、その扱いを「間違い」、 飛散してしまった(組み替え作物を望まない立場からは「汚染されてしまった」)状況で 汚染被害者を訴え、強制するのはいかがなものか。
特許保護の立場の人による見解が聞きたい。
ちょうど今朝食卓にあったマーガリンがカナダ産(ということは、おそらくはモンサントの遺伝子組み替え菜種に「汚染」されているかもしれない)キャノーラ油から作られていたことは皮肉としかいいようがない。なんとなく口にできなかった。
追記:
詳細を読むとそれほど無茶苦茶ではない、ということか。まだ納得できない点はあるけど。
報道というのは全部伝えるのはそもそも不可能なのものなので、 あまりそれだけに頼って論評するのも問題だということも意味しているのかもしれない。
ところで、KLさんのツッコミには
特許のせいというより、有事の際の法律を立法者が整備してなかったのが、農家が大会社相手の裁判闘争に脅かされることになった主因じゃないでしょうか。
とあるのだが、これは興味深い。この「有事の際の法律」とは具体的にどのようなものを想定されているのだろうか。 日本でそれを整備することは可能なのだろうか。