先日受けたインタビューがもうウェブにアップロードされている。すばやい。
全4回のうちの第1回目にあたる。まあ、いつものような内容をいつものように話しているわけだが、 今回は直接顔を合わせてのインタビューなので(英語では初体験)、 今までのインタビューよりもだいぶ充実した内容になっているような気がする。
しかし、Billはずいぶん上手にまとめてくれたので、ちゃんとした英語になっている。 実際にはカタコトで意思疎通できるのがやっとというレベルだったのだが。
ま、読んでみてください。
以前のインタビュー
国産新言語だそうだ。開発元のセブンネットによると、
AQUAは、WEBサーバー用のオブジェクト指向対応スクリプト言語です。
習得が容易
言語仕様を、絞り込むことによって習得が容易なスクリプト言語となっています。 HTMLにスクリプトを、混在記述出来るので静的なホームページを、簡単に動的なページに作りかえる事が出来ます。
オブジェクト指向
言語仕様としてクラスタイプのオブジェクト指向命令を、備えています。 クラス定義で、メンバー関数とメンバー変数を、記述する事によってソフトウェア部品として再利用することが可能です。
セキュリティ機能
とても簡単に使えるセキュリティ専用の変数フィルタリング命令を、備えています。 フォームからの入力値を、容易にフィルタリングして排除することが可能です データを、悪意があるユーザーの行動から守る事が、出来ます。
デバッガ内蔵
スクリプトを、デバッグするために専用デバッガを、内蔵しています。 デバッガで、ステップ実行やブレークポイント設定や強制停止や変数閲覧が可能です。
WEBサーバー拡張対応
WEBサーバーのIISエクステンションとApacheモジュールに対応しています。
ということなのだが、これらの特徴はあまりアピールしてこない。 特にこの言語処理系が有料であることを考えると。
マニュアルを読むと、 なんだか15年前のBASICに戻ったみたい。確かにオブジェクト指向機能は持っているけど。
この言語はいくつもの点で、私の「成功する言語の基準」を満たさない。
拡張可能性
AQUAのプログラムは基本的にコマンドの羅列になるのだが、 その基本コマンドをユーザが定義する方法がない。ユーザ定義関数はあるのだが、 ドキュメントを読む限りでは組み込みとは扱いが違う二級市民である。
フリーな実装
無料の試用版は用意されているようだが、ソースコードは公開されていない。 言語の進歩のために必要なコミュニティの形成にソースコードの公開は(たとえ必須ではないとしても) 非常に有効である。フリーな実装が存在しない成功した言語を思いつかない。
とはいえ、私が間違っている可能性はいつもあるわけだ。 プログラミング言語は非常に寿命が長いため、短期的な評価は不可能だ。 長い目で見守っていきたい。 私の予想に反して大成功しないとも限らない。
ただねえ、言語ビジネスは死屍累々なんだよねえ。
で、AQUAのように(あるいはRubyのように)新言語を作った場合、 こんなところが優れている、というところを示さなければ誰も使ってくれない。
Rubyの場合には「なにができる(what)」という部分で勝負することはやめて、 「どう感じるか(how)」を全面に出している。いかに気分が良いかが重要ということだ。
これはこれでユニークなアプローチだと自負しているのだが、 今日、本屋をぶらぶらしていて、より新しいアプローチを思いついた。
「感じる」では生ぬるい。「私の人生がどうなるか」が重要だ。ということで、 名づけて「開運プログラミング言語」。
曰く、
この言語でプログラミングするようになってからは、上司の機嫌もよくなり、 先日は大幅な昇給までしてもらいました。 また、家庭でもよいことが立て続いて、とってもラッキーです。
その上、なんの気なしに買ったサマージャンボが大当たりです。 これもすばらしい言語を作ってくれたmatzさんのおかげです。
ありがとうございます。
とかどうだろうか。
本言語処理系は世界有数のハッカーが一枚一枚気合いをこめてCD-ROMに焼き込んであります。 風水と中国四千年の伝統と、コンピュータの原理でもある八卦が織り成す超自然的なパワーが、 あなたのプログラミング能力を向上させるだけでなく、 運気を向上させ、幸福を呼び込みます。
てな感じで。なに、どうせ、効果があってもなくても確認のしようがないんだし、 ペンダントとか表札とか壷とかと同じレベルで受け入れてもらえるんではないだろうか。