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Matzにっき


2004年02月14日 Valentin's Day

_ [生活]バレンタインデー

いつの頃からか2月14日は女の子が男の子にチョコを渡す日になっている。 菓子業界もうまいことマーケティングしたものだ。

うちの娘たちも手作り*1のチョコなど用意している。 もっともあげる対象は(一部を除いて)同性だったりするみたいだが、小学生ならそんなものか。

これが大人だともうちょっとぶっとんでいる。やるなITmedia。

私はそんなに甘いものはたくさん食べれないので、娘からもらった「ハートチョコレート」(ピーナツ入り、80円)一枚でもう今日はたくさんという気分だ。

妻は、心のこもった「ゾウガメ型チョコレート」を贈ってくれた。 しかし、これを食べるのは残酷な気がする。どこからかじれというのだ。 頭からか、足からか。手足、頭を全部食べて「ほら甲羅にこもってます」とかやるのかっ。

食えない...。

そういえば何年か前にもバレンタインデーにもらったペンギンチョコを長らく食えなかったことがある。 あまりリアルなのはねえ。

それを見て妻は、「そう反応すると思った。しばらくしたら、あたしが食べてあげるわ」だと。 完全に読まれている。

*1  一度溶かしたものを固め直すのを「手作り」と呼ぶならば


2005年02月14日 バレンタインデー

_ [原稿]UNIX USER

朝は息子を病院につれていき、インフルエンザが治ったことを確認してもらってから病院へ。

あとは原稿書き。Linux Magazineが休刊になってしまったら、 さっそく原稿依頼があった。UNIX USERは「Ruby開発日記」の延長のようなネタ、 ということで「ハッカー」の心理や生態を取り扱うような読み物を2ページくらい。

そうなると必然「ハッカーと画家」とかと比べられてしまいそうだが、 あんな文章は書けませんから。「開発者日記」の勢いだけで書いたようなテイストは残したいのだが、 うまくいくだろうか。

_ チョコレート

最近はあまり甘いものを食べない。嫌いになったというほどではないのだが、 たくさん食べる気にならない感じ。「もう一生分の甘いものは食べたから」というのが口癖。

だが、妻と三人の娘がいるとありがたいことにもらえるわけだ、チョコレートが、この季節には。

本当にありがたいことだとは思うのだが、 ウルトラマンの形をした結構な大きさのあるチョコレートの塊をどう片付けたらよいのかと思うと 思案に暮れるところがないわけではない。

_ [Ruby] FutureMail

Ruby on Railsのアプリケーションがまた一つ。 「未来の自分にメールを書く」というのがテーマみたい。

当然スケジューラやリマインダとしても使えるが、 応用次第ではまた別の使い方もできるかも。


2006年02月14日 バレンタインデー

_ バレンタインデー

妻と娘からチョコレートをもらう。最近、甘いものはあまり好きではなくなったのだが、心がこもったものはうれしい。というか、娘の作ったトリュフが意外においしいのに感動した。妻からもらった市販品よりおいしいんじゃないか。

作ってる最中は粘土細工にしかみえなかったのに(失礼)。

_ 機械は人狼を見つけられるかな

Bayesian Filterの原理を使って人狼を発見できるか、という話。

ふむ、これは面白い。まあ、相手も知恵があるし、 Spamより発言を制御するのは簡単なので、完全には見つからないだろうが、それでも怪しい人を見つけるのに役に立つかも。

こういうパターン検出はいろんな分野に応用できそう

_ [言語] C#への期待。アンダースからの返答

C#のデザイナ、Anders Hejlsbergによるセッション。面白そうだなあ、参加したかったなあ。こういう時に田舎暮らしの不自由さを感じる。

面白いのはここ。

言語を設計してみたい人へのアドバイスはあるか?

ある。それは「そんなことはやめなさい」ということだ(笑)。

ふーん、この点については私とは真逆だな。私はどんどんやればいいと思っている。おそらくその言語は広く使われることはないだろうけど、それによって学べることは貴重だと思うので。

しかし、「やめなさい」という人が以下のようなことを言うのは「ズルい」と思う。

言語設計のおもしろさは、「言語の設計は、芸術と科学の組み合せである」というところにある。一方では主観的・直感的な判断が必要になる。例えば、言語を使用する開発者にとって、その言語が易しいものなのか、コーディングしやすいのかといったこと。またもう一方では客観的・厳密な判断も必要だ。例えば、その仕様が言語として妥当か、そのコンパイラを実装するうえで妥当かといったことである。

これまでいろいろなプログラミング言語を見てきたが、芸術性の面では良いが、科学の面では良くないといったパターンや、またその逆のパターンもある。この2つをうまく両立させなければならないところに、言語設計者としての妙技があるのだと思う。

これじゃ、「こんな面白いことはあなたたちにはもったいない」と言ってるようにしか聞こえない(笑)。

ところで、上記の彼に意見については私も同意する。 C#とRubyとどっちのバランスがどうか、という話はしないことにしよう。


2007年02月14日

_ [Ruby] 世界のオープンソースRuby開発者まつもとゆきひろ/Tech総研

リクナビ連載「我ら"クレージー☆エンジニア"主義!」の最新作。

先日、鵜飼さんとリクルートのイベントに出た後に 受けたインタビューをまとめたもの。

でもね、正直に言っていい? 面白くない

実はこのインタビューのときに書籍化した 「我ら"クレージー☆エンジニア"主義!」のバックナンバーを いただいて読ませてもらった。みんなキャラが立ってて非常に面白かった。

それに比べると、今回のものは正直イマイチ。 なんでだろう。文章書いてる人は同じなのに。

まあ、素材が面白くないってのは否定できないよね。 でも、それだけじゃないよな。

きっとこの記事に書かれている私はとても「フツー」だから 面白くないんだと思う。いや、もちろん、 私の実態は「フツーの人」なんで、ライターの人もそうとしか書けなかったのかも しれないけどさ。

いや、待てよ。

かつて自分が普通だと思っていて 実際にはそうでなかった経験が山ほどある私としては 「フツーだから面白くない」と感じたのは私だけという可能性があるわけか。

実際のところ、「私じゃない人」はどう感じたんだろう?

_ [言語] 第7回 「代数データ型」でいろいろなデータを表してみる:ITpro

住井さんによるOCaml連載。

大丈夫、まだついていける、なんとか。

パターンマッチはちょっとほしい気がする。 っていうか、たぶんメソッド呼び出しの引数マッチとか ブロックパラメータの束縛とかに、パターンマッチのセマンティックスを ちゃんと定義すればいいんだろうな。

どうしたらいいのかよくわかってないんだけど。

_ [言語] Java 2007: The year in preview

Javaの今年を予想。

興味深いのはここ。

For 2007, my money is on Ruby, although it's not actually my personal favorite. Python code seems to me a lot cleaner and easier to understand than Ruby code, and I think most Java programmers would agree. However, Python came out at the wrong time.

もちろん、「2007年にはRubyが来る」という発言そのものは全然珍しくもないのだけれども、

  • Java陣営で、かつ
  • 別にRuby大好きってわけでもない

人からさえも「2007年はRuby」と言われるのは、 私にとってはちょっと意味があることである。

_ バレンタインデー

世の中の風潮に流されるのはあまり「賢い」ことではないような 気もしないでもないが、今年もチョコレートいただきました。 妻と娘たちから。

個人的には甘いものはあんまりいっぺんに食べられないんで、 この日に集中するよりも、もうちょっと分散してくれた方がありがたいんだけど。

そういえば、バレンタインデーにチョコレートってのは 日本の習慣のはずだけど、アメリカのお店でもハートのケースに入って 「Valentine's Day」と書いたチョコレートが売ってた。

習慣の逆輸入?

だけど、きっと男の子が女の子に贈るんだろうな、アメリカなら。


2008年02月14日

_ デブサミ2日目

昨日が最終セッションで日帰りできず、 明日は別件で前泊が必要だったので、 今日は東京で過ごさざるをえない。

午前中、広尾で教会の用事をすませて昼食を両親と取り、 午後はデブサミへ。

特に見たいと思っているセッションがあるわけではないので 展示を中心に。

Pythonのブースでは、 柴田さんから「『たのしいみんなのPython』にサインしてください」と依頼される。 Guidoのサインの下というのもどうなんだろう。 一部で価値が出るのかもしれない。

ついでに(?)、PHPブースではPHP本にサインする。 フレンドリー。

_ [言語] PythonをDISる。

デブサミ会場で、雑談していると「PythonはDISらないんですか」と柴田さんから。 なんか自虐的じゃない?

とは言うものの、Pythonは基本的に良い言語で、 不満な点はかなり微妙だ。一般人にはどーでもいいような点だと思う。

一応リストを。

  • 式と文の区別が明確。
  • インデントベースだとeRubyのようなテンプレートが難しい
  • ブロックを含む式を持てない。Haskellみたいにブレースを使えば式にできるといいのに
  • reduceがなくなる
  • generator難しい。yieldを書くと戻り値が変化するってのはどうよ
  • list comprehensionが難しい。英語人には人気みたいだけど

list comprehensionはLINQにつながる「イヤらしさ」がある。 「俺の言語を汚すな」って感じ。

[x for x in ary if cond(x)]

ってのはわからないでもないけど、

ary.map{|x|cond(x)}

の方がすっきりしている、と思う。

もっとも、波村さんによると、 このブロックを積み重ねる方法ではJOINが書きにくいというのが LINQ導入の理由だったそうなので(Andersは最後まで抵抗したとか)、 RubyでもJOINへの要求で、そういうようなことにならないとは言えない、かもしれない。

_ Pre New Generation Chronicle:上野康平−−3次元空間を統べる若き天才プログラマー - ITmedia エンタープライズ

−− 大物ハッカーといえば?

Rubyのまつもとゆきひろさん。ハッカー理想像を実践されているところにあこがれます。技術力だけをみれば、まつもとさんより優れた方も多く存在されるかもしれませんが、日本人であそこまで自分の信念を持って行動されるハッカーってなかなかいないんじゃないかなと思いますし、自分でしっかりとしたコミュニティーを運営されていることなどもリスペクトしています。Ruby 1.9で過去の遺産をバシバシ捨てているのは素晴らしいなぁ。ああいう覚悟がC++にあれば、もう少し違っていたでしょうが。

いやあ、ほめられちゃった。 でも、そんなに信念持ってたかな。

それはそれとして、過去の遺産ってのはなかなか難しい問題で、 Rubyでもやっぱり苦しんでいる。 「バシバシ捨てて素晴らしい」っていうよりも、 ちゃんと互換性を維持する能力が足りない、ような気がする。

_ New Generation Chronicle:べにぢょ−−ギークプロトコルの解読を試みるサイバーヤンキー - ITmedia エンタープライズ

えーと...、女性から見てギークに魅力があるって話は 残念ながら他で聞いたことないなあ。 例外中の例外の話、なのかな。

あえて魅力に感じられそうな点といえば

  • 頭良さそう
  • 物知りそう
  • 収入良さそう

くらいかなあ。一方、

  • 自分を大切にしてくれなそう
  • 人間味が薄そう

とかのネガティブ要因もあるし。

まあ、どっちにしても個人に帰属する要因が大きいので、 ギークだからどうこうということは必ずしもないだろう。

根っからのオタクの私だって、結婚して子供までいるわけだし。 弾さんもそうだ。

もっとも、女房子供以外からモテたためしがないのだが。


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