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Matzにっき


2006年07月12日 [長年日記]

_ 東京へ移動

東京へ移動。筑波で講義が終わってから羽田に向かうのでは、 出雲便の最終には間に合わないことが明らかなので米子から出発。 うちからだと米子は遠いのだがしかたがない。

しかたがないついでに実家に寄ることにする。 妻と末娘もいっしょ。彼女らは電車で帰宅する予定。

思わず昼食までご馳走になってから東京へ。

_ 会議

東京では会議。

現在進んでいるプロジェクトの反省とか、 今後の案件処理についてどうするか、とか重い話。

正直もっともめるかと思っていて、最悪のことも予想していたのだが、 予想外にスムーズに議論が進み、かなり前向きな結果が出た。 まあ、それは良いことだと思う。

_ 筑波へ移動

会議終了後、やや遅い(東京オフィスの人たちには遅くないらしい)夕食を食べてから筑波へ。

つくばエクスプレスに全区間乗るのは初めてだが、快速で45分は快適だ。 すっかり「住み心地の良い町」になってしまったな。 私のころは都心からの適度な距離感がかえって快適だったのに。

ホテルでスライドの直しと日経Linuxの原稿書き。

_ 拝啓 学生様、熱い未来へのチケットいかがですか?

IBMの学生向けイベント。

中原氏は今回のイベントについて「作られたものを使うという意識から“創る”ほうに意識を向けてほしい」と話している。

...

突き詰めて考えると、ソフトウェア技術の空洞化は、人材の空洞化にも通ずるところがある。そこで、次代を支える人材を育成する手段として、ソースコードから触れることができるOSSが注目されるのだ。近年ではFirefoxやTunderbirdなどの登場もあり、確かに一昔前と比べると、一般ユーザーでもOSSに触れる機会は増えた。しかし、日本におけるオープンソースコミュニティーを見ると、若い人が活発に活動しているという様子があまり見られない。もちろん、若い開発者がいないというわけではないが、名前の挙がるような人物は数年前から何も変化していないという気がする。VA Linuxの佐渡秀治氏も以前、日本特有の傾向について語っていたことがあるが(関連記事参照)、比較的オープンなはずのオープンソースコミュニティーであっても、なぜかクローズドなものになりがちな傾向がある。

一方、学生の現状について、「今の学生はスマート」と中原氏は語る、リポートを書かせると、Googleをはじめとする検索エンジンをたくみに活用するなど、「道具」としてITを使う術は冴えているという。単純なコーディング能力も高いと推測される学生たちに欠けているのは、独創性や将来へのビジョンではないかと指摘する。

「モノ作り」重要。


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