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Matzにっき


2005年04月02日 [長年日記]

_ エイプリルフール種明かし

  • 『ルビま!』休刊のお知らせ

    「Rubyist Magazine休刊のお知らせ」と読んだ人も多かったようだ。 「いろいろ頑張ってきたがエイプリルフール特集でおしまいなのね。ついに燃えつきたか」 と思われたのだろうか。

    実際は休刊するのは『ルビま!』と呼ばれるエイプリルフール専門のWeb雑誌であり、 『Rubyist Magazine』はなにごともなかったように今後も発行を続けることとなる。 発行協力者も引き続き募集している。

    来年の今ごろには『ルビま!』も復刊するかも。 「勘弁してくれ」との関係者の声も聞こえるような気が。

  • emerald 0.1

    もちろんそんな言語を作っていないが、それはリンク先を見ればすぐに分かることだろう。ここで重要なのはこのメールは私が書いたものではない点だ。これはメッセージIDを見ないと気がつかない。あるいはシグネチャの「matz」の後ろにピリオドがないところか。fmlがタイムゾーンをJSTにしてくれるせいでかえって信憑性が上がった気がする。なかなか秀逸。

    以前にも私の名を騙ったアナウンスがあったような気がするけど、見つけられなかった。

_ [言語] Stricter Whitespace Enforcement

現行のPythonでは空白の使い方に自由度がありすぎる、TOOWTDI (There's Only One Way To Do It) 原則から言えば望ましくない。よって、

  • インデントは厳密に空白4つ。タブ問題もこれで解決。
  • 冗長な括弧は禁止(例: return (1) は駄目、return 1が有効だから)。
  • 左括弧直後および右括弧直前の空白は禁止。
  • 引数括弧およびインデックス参照のブラケット直前の空白は禁止。
  • コンマやセミコロンの前の空白は禁止。
  • コンマやセミコロンには厳密に一つだけの空白(行末を除く)。
  • 行末のセミコロンは禁止(冗長だから)
  • 式の中で二つ以上の連続する空白は禁止。
  • 代入および比較演算子の前後には必ず空白が必要。
  • 演算子の左右の空白の量は等しくなければならない。
  • 式の中の空白の数に変化がある場合には演算子の優先順位を反映していなければならない。 つまり、"1*2 + 3*4" は大丈夫だが、 "1*2 + 3 * 4" は駄目。 しかし、推奨されるのは"1*2+3*4" である。
  • コロンの前の空白は禁止。
  • ディクショナリリテラルではコロンの直後に厳密に一つだけの空白。 スライスのコロンの直後の空白は禁止。
  • ブロックの短縮形式 ("if x: y") は廃止。改行とインデントを使うこと。

というルールを導入する。Pythonの互換性のルールに従い、Python 2.5ではオプショナル、 2.6からは必須となる。Python 2.5でこのルールを使うためにはプログラム先頭で

from __future__ import whitespace

と宣言する。

また、Python 3.0からは縦方向の空白ルールも導入される。

  • 関数定義またはメソッド定義の間には最低1行の空行。
  • クラス定義間には最低2行の空白。

Python 2.4でこの宣言を実現するパッチもすでに提供されている。

すばらしい。よりPython的ではないか*1

*1  しかし、Pythonの空白ルールは −当然だが− エイプリルフールネタであった

_ [OSS] オープンソースで育て! 日本のソフト開発力

オープンソースという,誰でも「ものづくり」に参加できる場が,技術力を培うかけがえのない場となっていると感じている。

という結論。我々関係者にとっては当然だと思えるが、 それが伝わっていないほど「一般社会」とオープンソース界の間の解離が大きいということでもある。 広報重要というか。

_ マツダがリコール MPV・プレマシーなど6万台

年式から言うとうちの車も該当しそうな気がするな。

車のリコールって結構多いよね。プレマシーは確か二度目だし、 もう一台(三菱)も一昨年リコールがあった。

_ [言語] Javaのメモリ消費問題の解決を目指すSunのプロジェクト「MVM」

メモリ管理に関心があるものとしては興味のある話題。 でも、記事を読んでも肝心のMVMという技術の詳細がピンとこない。

_ [原稿] UNIX USER 6月号

もう6月の話か、という気もするが。ゴールデンウィーク進行なのでますます早い。

今回は「ハッカーと仕事」。ハッカーが自分の好きなことと生活のための仕事をどう折り合いをつけるかというような話。なんか、以前にも「Ruby開発日記」で似たようなことを書いたような気がする。

「Ruby開発日記」の後を引き継いだ形の『ハッカーズライフ』は与太話が多いが、 UUの編集からは「もうしばらくしたらもっと技術的な話を書きませんか」というオファーをいただいている。 仕事の話は来るのはありがたいが、実際読者はどんな話を望んでいるんだろうか。

  1. 今のまま与太話を
  2. 方向性は今のまま、増量
  3. 方向性は今のまま、減量
  4. プログラミングの話を(日経Linuxの連載とかぶるかも)
  5. Rubyの話を

ご意見歓迎。

_ 散髪

息子と二人で散髪へ。ふたりとも久しぶりなので伸び放題。 ついでに私はヒゲも剃ることにする。 ま、私がヒゲを剃ってもRubyの行く末には影響ないだろう。


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