今日はIPAの方から人が来て、昨年度の「オープンソフトウェア活用基盤整備事業」*1についてヒアリング。
IPAは今年から独立行政法人になったので、今まで以上に投資が有効活用されているかチェックする必要があるので、改善点があるか、無駄はないかなどをチェックする調査を行うことになったのだそうだ。わざわざ松江までいらっしゃるというのは本気である。
で、つらつらと普段から考えていることなどをお話しした。 IPAの事業はオープンソースソフトウェアのスタートアップを直接支援する数少ない事業なので、 ぜひ継続していただきたいと考えている。 「スタートアップを支援するだけでよいのか」という声があることは承知しているが、 企業系オープンソースソフトウェアで一番の難関は始めるためのリソースの配分であるのは事実なので、 それを支援することは有意義であると考える。「継続を支援する必要があるか」については、 別のところで今後書くことにしよう。
また、IPAは私の知っている「お役所系」の中ではもっとも対応が良い。 毎回いろんなチャレンジを行い、毎年改善されている。 現在残っている不満といえば、2点だけ。
まあ、国民の税金を無駄づかいさせるわけにはいかんので、 正しく使われたことを担保することが必要なのは分かるし、 そのために我々がきちんとレポートするのはやぶさかではないのだが、 開発に制約が付くのはあまり嬉しくない。
アイディアとしては、「300万コース」、「1000万コース」、「3000万コース」など複数のコースを設け、 「社会に対するプロジェクトの価値」を外部の有識者(PM)に評価してもらう。 応募の中から「プロジェクト(or アイディア)が応募したコースに見合う社会的価値があるかどうか」を判断基準にする、 というはどうだろう。
あまり欲を出して高いコースに申し込んじゃうとアイディアは良くても落ちちゃう。 あるいは「もうちょっと金額の低いコースに申し込みませんか」とか勧めるとか。 もちろん、最終的に無駄づかいしてないかのチェックはきっちりやるとして。
ああ、でも単年度主義が障害になるかもしれないな。 「あなた3000万コースだったけど、使わなかったから実際には1500万ね」とかやっちゃったら、 予算が余っちゃうものな。来年に回すというわけにはいかないのが日本の行政のようだから。
参考:
「経産省の2005年度オープンソース関連予算は2004年度の1.5倍」 − NikkepBP ITpro
追記
あ、今思い出した。私の立場から、オープンソースを支援することが意味があるのは確かなんだけど、 それだけじゃなくて、 支援の成果物をオープンソースにすることで、成果物が埋もれてしまう(=支援が無駄になってしまう)ことを避けることができるのは、税金の無駄づかいを避けるという立場からも有意義だと思う、というような話もした。
*1 今年はちゃんと「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」になっている