総務省がDRMの開発する、とか。国内だけでDRM規格を作って本当に物になるのか、という疑問はぬぐえないが、 DRMと言えば、権利者保護、消費者そっちのけ、という印象が多い中で、
新たに開発する著作権保護技術は、家庭内LANに限ってコンテンツの二次利用を許可し、LAN内のほかのパソコンやテレビ、携帯端末でも視聴できるというもの。
という消費者のことを少しは考えた態度は評価したい。
そもそも、CCCDとかコピーワンスとはコンテンツ権利者のことしか考えていない。 我々がなにかを買う時には基本的にその所有権を買ったと考える。 これは長年の商習慣の中で培ったイメージであり、 (明示的にそうでないと示されない限り)我々消費者が当然と感じる権利である。
「マイクロソフト日本法人で法務本部長を務める弁護士の水越尚子氏」は、 「ユーザー側はダウンロード販売の時点でもはや『物を買っている』という意識はなく、ASPに至ってはソフトを複製しているという意識すらなく、完全に利用に主眼が置かれている」とおっしゃるが、 サービスを売っているASPはともかく、 ダウンロード販売によって「入手」したものに対して、 そんな風に思ってる消費者が本当にそんなにいるだろうか。 むしろ「買ったものは自分のもの」と思ってるんじゃないだろうか。 私には、彼女の意見はコンテンツ権利者の願望から生まれた幻想のように感じられる。
ところが、音楽、テキスト、プログラム、など情報にすぎないものについては、 コンテンツ権利者は、そういう幻想に基づいて、彼らの当然の権利のように 「我々のものは我々のもの、あなたたちは我々の所有物にアクセスする権利を一時的に買っただけ」と 押しつけてくる。それもけっこうな値段で。
もちろん、コンテンツを作るのにはお金がかかり、 一方で情報のコピーにはほとんどコストがかからない以上、 なんらかの保護を行わなければならないことには同意しよう。
だからといって、今まで認められてきた私的利用を制限し、 かつフェアユースの概念の導入は拒否すると言う世の中の流れには反対したい。
海の向こう、コンテンツ権大国のアメリカでさえ、 DMCRA(Digital Madia Consumers' Rights Act)で消費者保護の揺り戻しが起きている。
DMCRAについては「妖精現実 フェアリアル」が参考になる。簡単にまとめると
技術的保護手段の回避: 非侵害的であれば合法
誰にも迷惑をかけていない行為をいちいち禁止しない。
侵害的技術の開発等: 実質的な非侵害的用途があれば合法
「侵害に用いられている」というだけでは 携帯プレーヤーや iPod や Windows や P2Pソフトなどの開発を違法呼ばわりできない。
プロテクトされた音楽: 消費者の利益を不当に害してはならない
音楽CDでない円盤を音楽CDと紛らわしい仕方で販売して、CDプレーヤーを故障させたりしてはいけない。
ということだ(「妖精現実」から引用)。これまたしごくもっともだ。
デジタル放送のプロテクトの運用(インターネットでの配布は黒、私的利用は白)といい、 ところどころでまともな判断が出てくるところが、アメリカという国の不思議なところだ。
日本でもパブリックコメントの募集が行われている。消費者側の立場に立ったコメントが集まることを期待したい。私もなんか書きたいけど、どうしようかなあ。
18日はRuby講習会の講師をする予定であったが、 突然の天からの声により、この日はプレゼンのための出張になってしまった。普段は3日くらいの候補から選べるのに、 今回に限っては18日限定なのだそうだ。
「18日は間違いなく私が教えます」なんて書いたのに、 私は教えられない。急遽、講師は前田くんにお願いする。 今朝までに夜更かしして40枚のスライドを用意しておいたので(後日公開予定)、 これを前田くんに渡して、あわてて引き継ぎ。
で、出張のプレゼンのための用意がはじまる。 これはこれで大変だったりする。
Linux Magazineも残ってるしなあ。