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Matzにっき


2004年09月25日 [長年日記]

_ [教会]鳥取訪問

普段は日曜日だけ訪問するのだが、今回は特別に依頼されたので土曜日から出かける。 鳥取市内で迷ってしまって遅刻してしまったのは秘密だ。

扶助協会の教師改善集会の講師というのが依頼内容だったのだが、 おおむね満足いただけたようだ。教会における教師ってのは、 学校の教師とは違う側面が多いので難しいよね。

集会終了後、弟のアパートへ。今晩は泊めてもらう。 おかげで年が離れた弟とゆっくり話す機会があった。 今まで、あんまり年が離れ過ぎててゆっくり話す機会が無かったのだが、 良い機会であった。

_ [言語]すべては初心者のために

先に私自身の考えを言っておくと、 個人的には「初心者(だけ)のための言語」ってのは駄目だと思っている。 langsmith MLでも書いたし、以前にここでも書いたような気がするけど。

理由は以下の通り。

  • 初心者と言えども言語の全ての機能を一度にマスターする必要はない。 よって言語が初心者向きでない機能を持つことは、あまり問題にならない。
  • 初心者はいつまでも初心者ではない。 初心者にだけ嬉しいツールを設計してしまうと、 いずれ学習が進むにつれツールの移行が余儀なくされる。 過去の経験から言うと、言語の場合、初心者に近い人ほど移行に困難を伴い、 避けたがる傾向がある。となると、初心者に(だけ)優しいツールは、 初心者をいつまでも初心者レベルにとどめてしまう効果があることになり、 上達を疎外すると言う意味で初心者にふさわしくない。
  • 言語に機能(or 文法)が多く、高度な機能が駆使されていると、 その言語で書かれたプログラムを読解するには高度な知識が必要になる。 しかし、そのような機能が必要な局面は そもそも「初心者向け」の機能だけでは実現が難しいものではないだろうか。 「小さな言語」を目指すならばアセンブラが最適だ。 しかし、ほとんどの人はアセンブラを使わない。

そうはいうものの、実は私が間違っていたり、なにかを見落としている可能性まで否定はしない。 「初心者の言語かくあるべし」という人の意見をぜひ聞きたいものだ。


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