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Matzにっき


2004年05月20日 [長年日記]

_ [OSS][morg]メールオーガナイザー

「メールオーガナイザー」というのは、単にメールをオーガナイズするツールのつもりで呼んだので、 「その名はメールオーガナイザー」 などと期待されてしまうと、当惑する。

しかし、プロジェクトには名前が必要だ。 10年くらい前(今作ろうとしてるものとは別物だけど)、メールオーガナイザーを作ろうと思った時には、 「MMO」という名前を考えていたのだが、最近のエントリにもあるように ファイル交換の裁判で負けた会社が「日本MMO」だったりして縁起が悪い。

せっかく、「メールオーガナイザー」と呼んでもらったんだから、それを反映するのはどうだろう。

ということで「Mail ORGanizer」略してmorgというのを考えてみた。 ちょっと検索した範囲内では広く使われている名前ではなさそうだし。

名前重要

で、たださん

いきなり検索エンジン探しから入るところがまつもとさんらしいというか(笑)。

と見透かされているように、 私は名前のような表面的なところと、実装の一番奥のところ(だけ)に強く惹かれるんだよねえ。 あとはどうでもいいっていうか。

Rubyでも文法のような表層的なところと、GCとかみたいな奥底とに一番興味がある。

で、morgのバックエンドには、namazuを検討していたのだが、 ちらっとソースを読んだところ各単語のTF・IDF値を得るのは簡単ではなさそうだ。 通常のAPIでは文書スコアとして間接的にしか入手できないみたい。

どうしようかと思っていたが、かずひこさんのツッコミに紹介されている、 Estraierは私の要求を全て満たしているみたい。 これ、以前チェックした覚えがあるんだけど、なんでそれ以上追及しなかったのかな。 なにか不具合が見つかるまでは、これを使うことにしよう。

名前が決まって、バックエンドが決まったら、後はUIか。

当面、アクセスコマンドとcmail(風)フロントエンドを用意するつもりだけど、 UIについてはまだ漠然としたイメージしかない。

検索ベースのMUAは以前にも存在していたらしいけど、今まで使ったことないんだよね。 いろんな人からのUIの提案を待っている。 M2も(Operaを)インストールしてみたけど、いまいちピンとこなかったし。

とりあえず既存のMUAに十分似ていないと使いにくいってことだけは確かだな。

_ [Ruby]新パーザ

最近集中力がないので、ひとつのことを続けてやっていられない。 morgのことを考えていてもすぐ疲れてしまうので、 別のことに手を出してしまう。

で、ここ数日手を出している「もうひとつのこと」がこれ。

結局、再帰下降構文解析を使おうと決めたのだけど、 自分の知識が浅いのに愕然とする。 学生時代もっと勉強しとけばよかった。中田先生、佐々先生、ごめんなさい。

これまた遅々として進まない。

他にもM17NやらGCやら控えてるんだが....。

_ [morg]Why Morg?

以前のエントリにコメントがあった。

最近の Emacs 上のメーラは大抵 Namazu と連携できるので,検索の問題はな いのではないかと思います.

Mew -> mew-nmz.el
Wanderlust -> elmo-nmz.el
Gnus -> gnus-namazu.el

ただまあ,1GB を emacs-lisp で扱えるかというとちょっとアレですが.個人 的には,5年前からの全てのメールを保存・検索できるようにしてあって,結 構快適に使えています.

それに対する私の返答はこれ。

私の使ってるcmailではできないってのは、ツールの問題だけなん ですけど。既存のものでない理由は

  • 私の非力なマシンではフォルダのメール数が2000を越えると反 応が鈍くてやってらんない(これは運用でどうにでもなるかも)
  • キーワードサーチだけでなく、「このメールに似たメール」と いう機能が欲しい

という2点です。

今気が付いたんですけど、gnus-nmz.elはnamazu.elを使ってるんで すね。namazu.elは私が原作なので懐かしい気がしました。旧友に 再会したような。

それとは別に「検索ベース」でMUAのUIを再構成してみたいってのもあるけど。

ところで、ITmediaの「Gmailの新たな障壁? 浮上した“もう1つの特許”」という記事のタイトルを読んで、「げ、検索ベースのメーラーに特許が!?」と心配したのだが、実際にはメールのコンテキストに反応する広告が対象の特許のようだ。

一安心。そういう安易な特許が成立することの是非は置いておくとしても。

_ [OSS]ライバルに差をつけるオープンソースビジネス7つの戦略

japan.linux.comの記事より。

オープンソースをベースにしたビジネス戦略を7つ紹介している。

  • 最適化戦略
  • デュアルライセンス戦略
  • コンサルタント戦略
  • 年間契約戦略
  • パトロン戦略
  • ホスト戦略
  • 組み込み戦略

これは開発者個人の戦略でなく、企業に対する戦略であることに注意。


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