CNET Japanで明日から「末松千尋・オープンソース戦略」
というblog連載が開始されるらしい。CNETは山岸編集長がblogに力を入れて、
面白いものが出て来つつあるので期待したい。
連載直前ということで「オープンソースに関する仮説」という記事がアップロードされている。
詳細は実際に読んでいただくとして、要約すると
ごく自然な論陣である。なにも反発する点はない。 たったひとつを除いては。
正確には反発ではなく「気づき」である。
末松さん自身が実際にどう考えていらっしゃるかはともかく、 「普通の人」にとっては、まだオープンソースは「不思議な現象」であり、 「怪物として映る」ものなのだと。 首までどっぷりオープンソースに使っている私のような人間にとっては、その視点はかえって新鮮であった。
確かに改めて考えると「不思議」と言えないことはないが、 私にとっては、どんどんモノの値段が下がるデフレ現象とか、 なんでも100円で手に入る100円ショップの方がよっぽど不思議だ。
パッケージソフトがきれいな箱に入って1980円で売られているソースネクスト現象 *1を考えると、 ソフトウェアそのものはもう日用品と同じように どこでも安価に手に入るものになってしまっている。
ソフトウェアを生産する手間とコストを考えると不自然かもしれないが、 これが現実だ。世の中はそうなってしまった。 ソフトウェアそのものはもはやほとんど価値がないのだ。 例外は、独占的なポジションのソフトウェアや薄利多売できる体力を持つプレイヤーだけだ。 残念なことに。
こんな世界で 私たちのような「スモールプレイヤー」が生き残るための有効な武器が オープンソースである。
もちろん多くの人はそのやり方にリスクを感じたり、 仕組みが理解できず(不思議な怪物のように感じられて)尻込みしてしまい、 その武器を使うことができないだろう。 あるいは、たとえその武器を手にしたとしても使いこなせない人もいるだろう。
それは自然なことだ。ビジネスは誰にでも簡単にできるわけではない。 オープンソースをうまく使いこなせることが差別化となり、 生き残りの重要な要素になる時代が来ていると感じている。
なんてなことが、この先、上記の連載で論じられるとよいな、と期待している。
*1 PCゲームCD-ROMが100円ショップで売られている「ダイソー現象」でも良いが