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Matzにっき


2007年07月21日 [長年日記]

_ お見舞い

今度は妻と息子と末娘を連れてお見舞いへ。 姉たちはやはり部活。

コルセットが効果を発揮して、すいすいと歩けるようになっていた。 外すとまだグダグダだそうだが。見かけ上かなり健康そうに見える。

_ 人気のAPI/フレームワークを作るための39カ条 - @IT

39は多いので全部は紹介しないけど、 これはAPIとかフレームワークに限らず、ソフトウェアデザイン全般に有効であろうと 思うものがほとんどであった。

少なくとも言語設計には応用可能である。 まあ、考えてみれば、言語を構成するものは 文法とライブラリであるが、割合としてはライブラリ(つまり、API)なのであるから 当然と言えば当然か。

_ [Ruby] やむにやまれず:Rubyは遅いから使えるのです

Rubyを使うのはその柔軟性や生産性のためで、 他の言語でそれを達成するためには、結局自分でそれらを実現しなければならない。 野良フレームワークでそれを実現しようとすると

  • 一人(or 少数)で作っているから、品質が高くならない
  • パフォーマンスが目的で野良を選んだはずなのに、結局、だんだんパフォーマンスが低下する

破目になってしまいがち。つまり、Rubyが遅いのはそれなりに理由があるということ、という話。

実際にはRubyが遅いのには別の理由(まつもとの能力の限界)もあったりするんだけど、 それはそれとして、グリーンスパンの第10法則というのはそうやって あちこちで繰り返されるんだねえ。

_ スターロジック,人月商売の悪弊がはびこるSI業界に成果物価格で挑戦 - ものづくりとIT - Tech-On!

顧客にマジカで分析してもらって、タスクカード1枚8万円と言う値付けで開発する というビジネスモデルを採用、もう人月モデルには戻らない、という話。

諸悪の根源は見積もりの不確定さだと思うので、 顧客によるある程度の分析が行われることで、見積もりの確度が上がれば、 人月モデルとサヨナラできるのかもしれない。

予想される問題は、このビジネスモデルは「顧客の怠惰さ」を過小評価している点ではないか。

SI屋: まず、業務を分析してください。その結果のタスクカード1枚ごとに8万円で開発します。

顧客: えー、分析ぃ? めんどくさい。そんなにコストがかけられないから開発をお願いするわけで。分析も設計もそっちでやってよ。

これもまた、見積もりの問題である。


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