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Matzにっき


2007年06月13日 [長年日記]

_ [Ruby] Ruby開発ストーリー

先日の日経BP技術賞受賞にともなう、 開発ストーリーが公開された。

ま、あまり目新しい情報はないけど、 とりあえず今の正直な気持ちも含めて改めてまとめておいた。

_ [Ruby] 思っているよりもずっとずっと人生は短い。: 6年後のStanding ovation

6年前、アメリカでfirst Ruby Conferenceで私が受けたStanding Ovationを 今年は日本でDave Thomasに返すことができてとても良かった、という話。

こういう話を聞くにつれ、Daveのキーノートは本当に感動的だったんだなあ、と思う。 ただ単に「面白い話」では、人の心は動かない。 彼が真摯に愛について語ったからに違いない。

_ So that's what 128 gigabytes of RAM looks like ... - The Something Awful Forums

128ギガバイトのメモリを積んだマシン。 えーと、なんか想像を絶する感じ。

_ [言語] Scott Rosenberg’s Wordyard >> Blog Archive >> Code Reads #10: Guy Steele, “Growing a Language”

Guy Steelの語る「成長する言語」について。

しかし、成長する言語って設計するのがすっごく難しいと思う。 既存の文法や機能が簡単に将来の可能性を狭めてしまうから。

原理的には(Common) Lispのような「なんでもあり」の言語が 一番「成長する言語」でありつづける可能性があるわけだが、 それはそれ、括弧が(別の意味で)障害になったりするわけで。

  • 「普通の人」にも受け入れられる
  • かつ、将来の成長の可能性を疎外しない

ような言語を設計するためには、

  • 保守的な文法 (受け入れられるため)
  • 高い抽象化機能 (高階関数とかオブジェクト指向とか)
  • ライブラリで機能が提供できる枠組み

は必須だと思う。マクロは...悩ましいところだ。


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