James Clark、JSONについて語る。
ネームスペースがない、という指摘はわかるようなわからないような。 確かに表現すべきデータ構造が複雑になった時に ネームスペースのようなものがほしいことは、もしかしたらあるのかもしれないけど、 ほとんどの場合には「配列、マップ(オブジェクト)、文字列、数値」で 表現可能なのではないだろうか。
それを越える場合には、確かにJSONではカバーしきれないだろうが、 ごくまれな特殊なケースのために巨大な道具を持ち込むのは間違っている、と思う。 もともとXMLも、巨大すぎるSGMLや一貫性のないHTMLへの対案として誕生したはずなのに、 今や(well-formedな一貫性は維持されてると思うけど)、 揶揄の対象になるくらい巨大になってしまったような気がする。
JSONについては、外から受け取ったデータを 安易にevalに渡してしまうようなケースの方が心配。
あまり目立たないがJRubyの立役者であるOla Biniが大学から ThoughtWorks(Martin Fowlerがいるところ)に移って、 フルタイムのJRuby開発者になる、という話。
すげー。
っていうか、 本家Ruby開発者は(私以外は)なかなかフルタイムという話はないのにな。 笹田くんは結構近いけど。 それを思うとやっぱJavaの威光はすごいな。
アスタリクスの中島社長のインタビュー。
「Google恐れるに足らず」というのは強気な発言であるが、 日本ベースであるがゆえにGoogleにはできないことはあるだろう。 エンタープライズRubyの先駆けとしてぜひ成功していただきたい。
NaClも応援している。実際に一部開発してるし。
「Twitterの中の人」Alex Payneがインタビューで
ぼくたちは世界最大のRailsユーザーだと思うけど(毎秒11,000リクエスト受けたことがある)、Railsはスケーラビリティが課題だよね。Railsは同時に複数のDBと話すことができないし(超訳)
と、発言したのに対して、DHHが
RubyもRailsもオープンソースだし、簡単に手を入れられるんだから 誰かが自分の問題を解決してくれないか、口をあけて待ってるんじゃなくて 自分で解決して世界に貢献したらいいのに
と発言。
それを受けて、解決手段であるMagic Multi-Connections をNic Williamsがリリースという流れ。
どこに突っ込めばよいのかわからない、この流れ。
DHHの挑発的な応答もさることながら、 それに対してわずか75行のプラグインで対応できてしまうNic Williamsのセンスや そもそもそれを可能にしたRailsというアーキテクチャ、 またその背後にあるRubyのパワーなど、考えるべきことはいろいろある。
「我慢して頑張る」を嫌う「新人類」型新入社員について。
かくいう私の世代は世に言う「新人類」という言葉で最初に形容された世代になるのだが、 この「我慢して頑張る」を嫌う感覚はよく分かる。 会社が一方的に押しつける都合を嫌い、「頑張る」必然性を見いださない。
っていうか、会社と従業員との関係は常にWin-Winであることを目指すべきで、 従業員が一方的に我慢する構造というのは間違っている。 この業界、徹夜しても仕事を完遂する「すばらしい」人は多いのだが、 そのすばらしい働きは、ほとんどの場合、さほど評価されない。 私にはその「報われない」責任感がよくわからない。なんで我慢できるんだろう。
あなたが(自らの身を削ってまで完遂する)すばらしい火消しでも、 たぶん、あなたは出世しない。あなたのキャリアはいつもトラブルの渦中にあるのだから。 経営者からは、あなたはトラブルとワンセットでしか見られない。
プロジェクトが火を噴いているのは、たぶん、あなたのせいではない。 でも、責任をとって徹夜するのはあなただ。 「遅れてすみません」と頭を下げるのはあなただ。
でも、会社はたぶんあなたに報いてくれない。 責任者はあなたに感謝はするだろうけど、それ以上ではない。
それでもなぜ頑張るのか。 一度や二度の突発的な事態なら仕方がないかもしれない。 でも、これが恒常的になるなら、あなたは転職を考えた方がよい、と思う。
「我慢して」も「頑張っても」、将来報われるなんてことは期待できないと思う。 今三十代より下の人にとっては「将来のおいしいパイ」なんてのは、 上の世代がぜんぶ食い散らかした後だ。
「怠けてもよい」とは言わないが、楽しんで仕事すること、充実した仕事をすること、 そして、会社とWin-Winの関係を築くことを、もうちょっと真剣に考えてもよいと思う。
長男、誕生日。10歳。ケーキを食べる。