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Matzにっき


2007年03月07日 [長年日記]

_ [Ruby] JRuby 0.9.8 Released - JRuby - Confluence

JavaOneでの1.0リリースに向けて着実に進化中、らしい。

_ [Ruby] ITmedia エンタープライズ:Sun、NetBeansでRubyのサポートを発表

Sunのプレゼンでも見たけど、 NetBeansのRubyサポートはけっこう頑張っている。 ちゃんとシンタックスカラーリングしてくれるし、 メソッドの範囲内で変数名の即時置換とか、 リファクタリング支援も始まっているようだ。

根っからのEmacsユーザーを自称するTim Brayも 「JavaやRubyのコードを書く時にはNetBeansに移行した」と証言していた。 もしかしたら、いつか私もEmacsを離れてIDEを使うようになるかもしれない。

っていうか、Emacs程度によくて、ちゃんとマルチスレッドに対応したエディタが欲しいぞ。 問題は私の「Emacs程度によい」という基準が高すぎることだが。

_ [言語] Eclipse,Ajaxアプリ/動的言語向けに3つの新プロジェクトを発足

NetBeansがRubyサポートなら、 Eclipseは...という話題。

EclipseもAjaxや動的言語を積極的にサポートするという宣言。 最初の動的言語として選ばれたのはTcl。ちょっと驚きである。 SunからのNetBeansが(Sunから見れば外様の)Rubyをサポートし、 IBMからのEclipseが(Sun育ちの)Tclをサポートするってのはちょっと面白い構図。

_ [OSS] 与えるべきか否か:FOSSにおける報酬のトレードオフ

この記事にもある通り、報酬って難しいよね。

以前聞いた落書き防止法の話を思い出した。 内容はうろ覚えだけど、こんな感じ。

ある老人が自宅の塀に落書きする近所の子供たちに弱っていた。 しかし、老人はある方法を思いついた。

老人は近所の子供たちに手招きをし、 「塀に落書きをしてくれたら2ドルあげよう」と言った。 子供たちは大喜びで一日中落書きし、一人2ドルずつもらって帰った。

次の日、老人は子供たちを集め、 「塀に落書きしてくれたらお金をあげよう。でも、今日は1ドルしかあげられない」 と申し分けなさそうに言った。 子供たちはそれでも1日中落書きし、一人1ドルずつもらって帰った。

また次の日、老人は子供たちに言った。 「今日は50セントしかあげられないんだ」。 子供たちは口々に不満を並べ、 「なんだ、それっぽっちじゃ落書きしてあげないよ」と去っていってしまった。

それ以降、老人の家の塀に落書きするものはいなくなった。

ま、これは「落書き」という「悪いことを止める」という話だけど、 「落書き」をオープンソースにたとえると 報酬を出すことでかえって「良いもの」が 継続できなくなっちゃうこともあるよねってことも言えるよね。

それは困る。どこで見分けるのかな。

_ [Ruby] Ruby講習会

朝の「特急おき」で新山口から松江まで。 12時半過ぎに松江について1時からRuby on Rails講習会の講師。

なんて忙しい。まるでビジネスマンみたいだ。


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