«前の日記(2006年12月17日) 最新 次の日記(2006年12月19日)» 編集

Matzにっき


2006年12月18日 [長年日記]

_ [Ruby] Ruby on Rails Won't Make It in 2007 and Forget About AJAX

Yakov Fainによる2007年の予測。

  1. Javaのオープンソース化は大勢に影響なし
  2. 2007年もRubyやRuby on Railsは来ない。移行する理由が見当たらない
  3. GWTなどにより、AJAXは私が予想したよりも広まった。 しかし、エンタープライズ分野でのAJAXへの投資はお薦めしない
  4. AdobeのFlexやMicrosoftのWPF/Eによりリッチクライアント領域で興味深い競争が見れるだろう。 AdobeがFlex Data Serviceのライセンス価格を大幅に値下げしても驚かない
  5. Javaはサーバーサイドエンタープライズ分野でのベストチョイスでありつづける デスクトップでは来ない
  6. アメリカ企業のまずいITスタッフのおかげでアウトソーシングの流れは続く その理由はコストよりもアメリカでのプログラマの不在による
  7. テキストベースからリッチなWebアプリケーションに移行はゆっくりと継続する ページに細切れにされたアプリケーションは生き残る。 バックボタンとの戦いも続く
  8. 私は早期引退はできそうもない。宝くじを買いに行こう

視点の違いか、かなり、つまらない未来予測である。 せっかくだから、外れてもいいから面白い予測をすればいいのに。

_ [言語] 最高にキモい Lisp コードを書いてみよう with 100 行リーダーマクロ

Common Lispのリーダーマクロを使って、Rubyにしか見えないLispプログラムを書く、 という話。

#@suck-lisp

defun fib (n)
  if (< n 0)
    (error "oops")
  elif (= n 0)
    0
  elif (= n 1)
    1
  else
    let
      x <- (fib (- n 1))
      y <- (fib (- n 2))
    in
      (+ x y)
    end
  end
end

defun f (lst)
  (print-lst lst)
end

defun print-lst (lst)
   when lst
      let
         x  <- (car lst)
         xs <- (cdr lst)
      in
         (print x)
         (print-lst xs)
      end
   end
end

defun walk (dir)
  let
     files <- nil
     dirs <- (cl-fad:list-directory dir)
  in
     (dolist (d dirs)
       if (cl-fad:directory-exists-p d)
          (setf files (append files (walk d)))
       else
          (push d files)
       end)
     files
  end
end

defun print-file-list ()
  (loop for e in (walk "./") do (format t "~A~&" e))
end

まあ、確かにリーダーマクロを使えばなんでもありだよね。 が、それを「良いこと」に含めるのに非常に抵抗があるのは、 私だけだろうか。

_ [言語] Pico

コンピュータサイエンスの発展的概念を非コンピュータサイエンス分野の学生に教えることを 目標にしたドイツ製プログラミング言語。 メールリーダとは関係がない、と思う。

「What is Pico ?」のページには「Schemeとinfix notationの結合」とある。 が、そんなにわかりやすいかと言うと、うーん、どうだろう。


«前の日記(2006年12月17日) 最新 次の日記(2006年12月19日)» 編集