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Matzにっき


2006年06月16日 [長年日記]

_ 「地方自治体に金はない、残されているのは時間だけ」--長崎県

いわゆる「長崎方式」について。

長崎県以上に、過疎化・地域格差の犠牲になりつつある島根県に住み、 島根県庁からの仕事も積極的に引き受けている関係上、 金は無く、人材も不足しているが、時間だけはなんとか捻出できそう、 という地方自治体の状況についてはわからないでもない。

が、個人的には、この「長崎方式」についてはまだ懐疑的だ。 そうでもしないと大規模ベンダーにみんな仕事を持っていかれてしまいかねない、 という懸念を理解してもなお、

  • 本当に要求仕様を県CIOが書けるのか
  • 開発者が全体を把握しなくなるのは良いことなのか
  • コードの重複、フレームワークの欠如などの問題が発生しないか

という点が不安だからだ。

まあ、「だから、こうしたほうがいい」という対案はないのだが、

  • オープンソースを積極的に利用することによって
    • コスト削減
    • 零細SIerの競争力強化

はひとつの方策としてありえると思う。 まあ、それだけで問題がぜんぶ解決するほど世の中は甘くないのだが。

_ ECナビ、自社の研究組織「ECナビラボ」で、学生のインターンシッププログラムを開始

Ruby on Railsを使ったインターンシップの話。 優秀な学生は3年間の内定保証が得られるとか。

「使える」新人確保は、うちを含めてどこでも問題になっているので、 良い考えかもしれない。まあ、あまり新人に即戦力を求めるのはどうか、 という声があるのも承知しているのだが、 零細にはなかなか「人を育てる」のが難しいのも事実だ。

今はOJTと称して、「千尋の谷」メソッドだものなあ。 ガンバレ、新人。

_ 「Google独占にはさせない」--国産検索エンジン開発へ、産学官が一致団結

「国産検索エンジンを作ろう」という話。

検索エンジンには日本語処理技術とかスケーラビリティとか興味深い技術が目白押しなので、 成果が残る形なら、そういう技術開発を行うことそのものに反対ではないのだけど、 どこまで意味があるのか、 どう意味をつけるのか、ちゃんと考えないと血税の無駄づかいに終わっちゃいかねない不安がある。

で、ちゃんと考えた意味を早い段階で公表して欲しいなあ。


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