FSFの法律顧問にして、コロンビア大学教授であり、 SFLCの所長でもあるEben Moglenが来日した、という話題。
一番興味深く、私にとって重要なのはここ。
SFLCの直近の重要なタスクとしては,FSFと共同で進めるGPL(GNU General Public License)v.3.0の策定がある。GPLは,Linuxなどが採用しているオープンソースのメジャーなライセンス。現行バージョンのv.2がリリースされたのは1991年で,14年もの間,改定されていない。「当時とは社会的にも技術的にも状況が大きく変わり,見直すべき時期に来た」と Moglen所長は語る。ただ,「今までのGPLの成功をベースにし,混乱をまねくような変更はしない」(Moglen所長)。使用される地域の拡大を背景として「国際性を反映しているか」,携帯電話からスーパーコンピュータまで広い分野で使われるようになったことを背景として「すべての分野をカバーしているか」といった点を確認することになるという。数カ月後をメドに,透明性を確保した策定プロセスをFSFと共同で発表。2006年いっぱいかけて広くディスカッションを行い,2007年始めにGPL v.3.0をリリースする計画である。
GPL 3.0の登場は2007年とな。楽しみに待つことにしよう。
先願主義、異義申し立てなど、「まっとうな」特許システムにしようという法案のようだ。 っていうか、アメリカってまだ先発明主義だったのね。 もうとっくに「世界標準」の先願主義になっていると思っていた。
ただ、異義申し立てはともかく、先願主義は(私の感じている)特許問題とは直接関係ないように思える。 むしろ「先に届け出ちゃった方の勝ち」という先願主義の方が、 一度トラブルになった時に「真の発明者」が救済されない危険がある。 もっとも、先発明主義で本当に救済できるかといわれれば、それもまた疑問なのだが。
いずれにしても、アメリカに比べたらまだマシな日本のシステムでも問題がないわけでない以上、 「特効薬」としての効果は期待できないんでないかねえ。 なにもしないよりは良いことだと思うので、反対はしないけど。
まだ、これから研究会を作って「特許を保有する企業に対し、誰もが必要と認める基盤技術は安い料金で広く開放するよう求める」というような方針なので、いったいどういう風に転ぶのか予想するのは困難だけど、 少なくともソフトウェア特許に問題があると経済産業省が認めた(ように読める)のは朗報ではないかと。