笹田くんのYARV(Yet Another Ruby VM)が未踏ユースに通ったと言う報告を受ける。
めでたい。これでRiteの実行系は任せることができるかもしれない。 楽できる。というか、モノをつくり出す能力が減退しているので、 笹田くんのような若い力はありがたい。
未踏ユース公募結果を見ると、 「Ruby.NET コンパイラの開発」なんてのが見受けられる。 面白そうだけど、実用的なのができるかなあ。これも見守ることにしよう。
「日本語プログラミング言語の開発」のようなのもあって、 面白そうだけど、既存のものと一線を画すようなものが作れるだろうか。
「ユース」だからいいのか。
2週間前に借りた本を返しに、松江市立図書館へ。 そのまま、県立図書館に行ってみる。
まあ、田舎の図書館だから。
そういえば、米子には昔「JC図書館」という小さな図書館があって(今でもあるのか)、 私が子供のころには愛用していた。小さいから蔵書は少ないんだけど、 子供向けSFが充実していて、毎日のように読んでいたっけか。
最初に断っておくが、私は「迷ったらGPL」と言っているが、別にGPL至上主義でもなんでもない。 実際に、RubyはGPLソフトウェアではない。
そんな私からBSDライセンスを見ると、すばらしい点が多いと思う。短いので全文引用する
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要するに「私が書いたということだけ明記してくれれば、後はなにをしても構いません」というニュアンスだ。 「私が書いたもので私だけ利益を独占するのではなく、全人類の資産として活用してほしい」と解釈してもよいのではないだろうか。しれは高尚な精神であり、尊敬に値する。
しかし、高尚な態度には時としてコストが伴う。それがたとえばGPLコードをBSDライセンスのコードに取り込めない点だ。しかし、他人の「所有物」の権利を勝手に取り去ることはできないから当たり前のことだ。 「私には高尚な理想があるから」というのは理由にならない。
だから、BSDライセンス・ラブの人がやるべきことは、 「GPLには(私に都合の良い)自由がない」と文句つけることではなく、 「我々の高尚な理想に君も賛同しよう」と啓蒙することではないか。
確かにGPLにすると、 たまに「BSDライセンスソフトウェアに取り込めないからライセンスを緩めてくれ」というメールをもらってうっとうしいというデメリットがある。 しかし、いやなら黙殺すればよいことで、 BSDライセンスを選択してGPLソフトウェアを取り込めないというデメリットとは比較しようがない。
幸いにしてほとんどオープンソースライセンスはGPLコンパチなので、
BSDライセンスをはじめとしてGPLコンパチのオープンソースライセンスは多いので、
GPLソフトウェアに対してソースコードを取り込むことに対する制限は(逆の場合よりも)少ない。
どのライセンスにしたらよいか迷うような、ライセンスについてあまり難しいことを考えたくない人は、 とりあえず実利的な点からも、GPLを選択しておいた方が良いと思う。
もちろん、BSDの高尚な理想に賛同して、人類全体により積極的に貢献したい人は、 (そのコストを理解しつつ)BSDライセンス(または類似物)を使ってほしい。
追記:
あのー、ほとんどのオープンソースライセンスはGPLコンパチってのはいくら何でも強弁が過ぎてるのではないですか?
確かに。「ほとんど」はあまりにも軽率な物言いでしたね。訂正します。