NHKによる子供向け情報教育ページ「ネタブラカダブラ」が その22話でオープンソースについて扱っている。 NHKがこんな風に扱ってくれるとは時代も変わったものだ。 おおむね適切な表現に涙ぐみそうになる。
【オープンソース】
自分で作ったソフトの「ソース」を無償で公開し、多くのユーザーに自由に使ってもらって、こうすれば使いやすくなるという提案やバグを報告してもらったり、プログラマ同士が「ソース」を改良し合うことで、より優れたソフトを生みだそうという考え方。
うちの子に読ませて、「これでお父さんのやってることが分かった?」と尋ねると、 「だいたい」とのこと。その後、「どうしてソースを隠しちゃう人がいるの?」と聞いてきた。 「お金のためだよ(笑)」と答えつつ、 そうそう、ソースは公開して助け合うのが「普通」なんだよな、と改めて認識する。
昨日のWinnyの件でツッコミをもらう。
まずは、babieさん。
明日の各紙朝刊にのると思いますが、「大阪のほう助事件参考に立件判断」<http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004051100113&genre=C1&area=K00>だそうです。立件の背景ですが、朝日新聞の「挑発的な態度」と、この記事の最後の「故意と加罰性」では同じ内容でもニュアンスが変わってきますね。
蛇足ですが「特製Winnyで摘発逃れか」<http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004051100115&genre=C1&area=K00>という記事もあり、この疑いが事実だとすれば、47氏が逮捕早々から弱気だったのも頷けます。ネットワークにおける自由の行方を占う事件だけに、いやな材料です。
昨日の私の文章は基本的に疑問文である。私は知りたいのだ。 なにが幇助でなにがそうでないかを。なにが言論の自由でなにが制限されるべきものかを。 あるいは今回の件はソフトウェアの自由に関係があるのかないのかを。
私は47氏が特製Winnyを使っていたかどうかはあまり関心がない。 それは「著作権侵害の摘発逃れ」を意図したものであって、 もし彼が著作権侵害をしたというのであれば、 その法律違反にしたがった処分を受けてしかるべきだ。
私が関心があるのは、なにが幇助にあたり、なにがそうでないかだ。
プリペイド携帯電話は犯罪に利用されることがある。 携帯電話会社はそのことを認識しているはずだ。 これは幇助にあたのか。少なくとも可罰性はないらしい。 プリペイド携帯電話に犯罪以外の用途がたくさんあるからか。
ビデオデッキは著作権侵害に利用されることがある。 電機メーカーはそのことを認識しているはずだ。 これは幇助にあたるのか。少なくとも可罰性はないようだ。 ビデオデッキに犯罪以外の用途がたくさんあるからか。
暗号化ソフトウェアは犯罪に利用されることがある。 これは幇助にあたるのか。アメリカではZimmermanが戦った(幇助の罪ではないけど)。 日本ではどうなのか。
今回の件がhinaさんのおっしゃるように、
ただ、違法な用途の為にその道具を作って違法な使い方を説明して配布したなら幇助に値するという事なのでしょう。
ということであり、Winny固有の事情によるものであれば、それはそれで問題ない。
しかし、私自身は確証のないうちから、
だとしたら、法治国家としてこれを放って置かないのは当然です。力ずくの自己主張が力で封じられるのも当然だと思います。 それだから、私は法改正の言論が封じられたという印象は持てないし、日本が危ういとも思えません。
<中略>
この件をきっかけに、この国の自由が危うくなるんでしょうか。 とてもそうは思えません。
と安心してしまうことはできない。
だからこその思考実験である。
違法なことにも利用できる完全匿名のメッセージ交換システムの開発は幇助になるのかならないのか。 その特性から管理も責任の追及も不可能な場を存在させてしまうことは、その行為そのものが罪なのか。