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Matzにっき


2007年03月29日 [長年日記]

_ [Ruby] 松江市長の「資源」観

松江市の発行するメールマガジンにも私のことが載ったらしい。

以下、引用。

 今、Ruby がマスコミなどで取り上げられることが多くなりました。インタ ーネット市場の楽天がRubyでシステムを構築し直すとか、サンマイクロシステ ムズがJavaとRubyを結合させ、JRuby(OSS)を開発したり、といった動きがあ ります。また、Rubyの開発者のまつもとゆきひろさん(松江市在住)が2007年 日経BP技術賞大賞を受賞することが決まりました。これにより、Rubyはもちろ んのこと、これを支援する松江市の取り組みもいっそう注目されることになる でしょう。Rubyを使えばプログラムの作成が容易にできること、オープン・ソ ース・ソフトウエアであることから、今後Rubyの活用は飛躍的に伸びるものと 思います。

 しかし、何もしなくていいということではありません。Rubyを使いこなせる 技術者をたくさん育てることが必要です。松江市ではテルサ別館に開発交流プ ラザをオープンさせ、まつもとさんなどの指導の下、研修・交流を盛んに行っ ています。まつもとさんの指導がいつでも受けられるという本当に恵まれた環 境に松江はあるということです。こうした点に着目して、IT企業が研究開発 のスペースをテルサ周辺に求める動きもあります。松江市では、来年度予算と して情報関連企業が事務所を開設する際の経費に対しての助成制度を創設する ことにしています。松江駅周辺がアメリカのシリコンバレーのようになればす ばらしいと思います。

 また、IT企業がRubyを使った製品の開発を進め、上記の開発交流プラザで 育てた技術者の技能向上を図る必要があります。そして、基幹システムへの Rubyの活用を目指していくことが肝要です。このため、まずは行政が率先して 製品を購入していかなければいけません。松江開府400年祭のホームページは Rubyを使っています。これからも積極的にRubyの製品を使うようにしていきた いと思います。

 松江といえばRuby、Rubyといえば松江といわれるように、松江をRubyのメッ カに育てていきたいと思います。松江は、歴史、文化、自然と並んでRubyとい う大きなまちづくりの資源を手に入れました。今後、市民の皆さんへの理解を 深めていきたいと思います。

さて、これをどう読むか。

少なくとも市長は「地域資源」とは「まつもとのこと」ではなくて、 「松江にいるまつもとが開発しているRuby」と捉えていることは分かる。 また、市が率先してRubyを採用しようとしていること、開発交流プラザ(私が普段いるところ)を用意したことも分かる。

_ 松江とシリコンバレーの類似点

ところで、上の文章を見て思い出したけど、 シリコンバレー近辺の地図を90°時計回りに回転させると 松江市周辺の地形にちょっと似てる。ベイを囲む半島の様子と、 宍道湖を囲む地形が。

松江市はちょうどオークランドの辺りか。

_ TISの岡本社長の心配事:ITpro

オフショアなみの値段にならないかと値下げ交渉される話。 ひどい話だ。

いや、価格競争は当然だと思うけど、 オフショアの問題は嫌だけど値段は下げたいというのは 単なるわがままだと思う。

ところで、終始「オフシェア」と書いてあるのが気になる。

_ [言語] The Snowtide Blog >> Blog Archive >> Python 3 and Growth (or the lack thereof)

「Pythonは変化がゆっくり過ぎではないか」という心配。

これも難しいところで、仕事で使ってたりすると、 些細でも非互換な変更は許せないわけだし、 一方、新機能は欲しいし、 性能も向上してほしい。

で、RubyとPythonではおおむね違う選択をすることが多い。 どちらを選んでも100%満足する人はいない。 ある意味しょうがないわけだが。

「Pythonの方が責任感がある」ということは言えるかもしれない。

_ 平鍋さんと対談 「Ruby×Agile」

チェンジビジョンの平鍋さんと、英和永和の角谷さんと私で対談。 その内容は近日中に@ITに掲載される、はず。

キーワード

  • Ruby×Agile
  • DSL
  • Pragmatic Bookshelf

でも、ビデオとかとってたけど、ポスプロがめちゃめちゃ大変そう。 どうするんだろう?


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