たまには良いニュースを。妥当な判決だろう。
これを機会にソフトウェア特許の弊害に関して世間の認知が高まると良いのだが、 一審にくらべると世間の注目はどうしても低いだろうなあ。
商標登録を取り下げたのは良いことだと思う。
結局反発を受けたのは、 「コモンズ(共有財産)」であるとみなされているモナーを商標登録することによって私物化しようという態度なのだと思う。逆に言えばコモンズであるので、Avexが利用することも当然可能だというわけだが、一部の強硬な態度に影響されたか「特典映像も収録中止」という行動まで至ったのは残念だ。「羹に懲りて膾を吹く」という諺の通りなのか。
しかし、ここはコモンズであることを前面に押し出して積極的に利用し、 ついでにその成果物を文化として還元してもらえた方がwin-winの関係が成立して望ましかったのではないかと思う。
ようやっと筑波大のレポートを採点する。遅いぞ。
2日間の集中講義で1日ひとつずつレポートを書いてもらったのだが、 なかなか優れたレポートが多い。が、合計150通以上のレポートすべてに目を通すのは苦痛でもある。しかし、有意義でもある。
2日目のレポートのテーマは「20年後の言語を想像する」というものであった。 当然、Paul Grahamの「100年の言語」に影響を受けたものだが、 100年は難しくても20年なら想像可能ではないかと考えたのだ。 今から100年前にコンピュータ言語は存在しなかったが、 20年前(1985年)なら現在も生きている言語の多くがすでに存在していた。
そこから現代までの変化(言語の歴史とその変化の傾向については講義で説明した)を考えると、 20年後の言語の姿が浮かびあがってくるのではないかと。 事実、なかなか鋭い考察をした学生がたくさんいて、 20年後の言語の在り方、および将来のRubyの変化の方向へのヒントになりそうなものもあった。
もうちょっと考察してみよう。