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Matzにっき


2004年08月27日 [長年日記]

_ U-20プログラミングコンテスト審査会

朝から東京に移動、U-20プログラミングコンテスト の審査委員の一人として参加するためだ。

審査会は10時から始まるのだが、少し遅刻してしまった。東京10時は早すぎる。

個人部門で41件、団体部門で34件の応募があった。ちょっと少ないか。

これらの中から各地方のソフトウェアセンターで一次審査が行われ、 選抜された個人部門8件、団体部門9件が我々の審査対象となる。

審査委員は以下の通り。

石田 晴久(委員長)多摩美術大学
小泉 力一 		東京都立墨田川高等学校
田丸 忠夫 		株式会社アルゴ21
新部 裕            独立行政法人産業技術総合研究所
西村 宜起          東北芸術工科大学
古堅 真彦          岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー
まつもと ゆきひろ  株式会社ネットワーク応用通信研究所
吉岡 弘隆 		ミラクル・リナックス株式会社
浅井 宗海          財団法人日本情報処理開発協会

10月1日に発表が行われるまで、私から詳細を出しちゃいけないだろうけど、 気がついたところ。来年応募を考えている人は参考にしてほしい。

  • 一次審査したソフトウェアセンターの担当者によると、 応募されたものの中には、全然動作しないもの、 どこぞの課題のプログラムをそのまま提出したような工夫のないものがかなりあったとのこと。 そういうのは、絶対一次審査を通らないので出すだけ無駄。
  • 審査員自身は応募されたプログラムを自分で操作する時間はない。 一次審査の担当者が動作デモをしてくださるのだが、 細かなところまでは分からない。 それを見越して応募時に「アピールポイント」を書いてもらうようにしたのだが、 十分に書かれているとは言えなかった。 短い時間で評価してもらうために「どこに苦労したか」、「どう工夫したか」、 「どこが独創的だと思うか」などをきちんと詳しく書いた方が有利だと思う。
  • 残念ながら、今年は「本当に独創的だ」と舌を巻くほどのものは応募されなかった。 ただし、かなり大規模な労作や、面白い発想のものはいくつかあった。 全体としては団体部門の方が面白いものが多かったかなあ。
  • 自分の作品をフリーウェア(残念なことにフリーソフトウェアではない)として、 いくつも公開している高校生からの応募もあった。頼もしい若者はいるものだ。 他にも、セキュリティキャンプとプロコンに同時に参加という強者も。
  • 実装に工夫したように思われるものは、私や新部さん、吉岡さんたちがソースコードに目を通した。 ほとんどのものは、なんかすごい力業。プロコンに応募する(そして一次審査を通る)ような 高校生はたぶんまわりに相談できる人なんかいなくて、我流でがりがり書いちゃうんじゃないだろうか。 マジックナンバーがちりばめられていたり、抽象化が行われてなかったり。 コードレビューを行う「プログラミングキャンプ」とかの必要性を感じた。
  • 全部がWindows環境上のソフトウェアであった。ちょっと残念。審査した中ではひとつだけ、 Apache + PHP + MySQLというものがあって、これはそのままLinuxとかの上でも動きそう。
  • いくつかの応募作品は、HSP - Hot Soup Processorで書かれていた。 これのソースを読むのはつらすぎ。ソースコードを読む審査員に負荷をかけるぶん、ちょっと不利かも。 30年前ならともかく、もう21世紀なのにこの言語はないだろう。 逆に言うと、Windows環境でお金をかけずにプログラミングしようと思ったら、 こういう言語しかないのだろうか。

追記:

よしおかさんもプログラミングキャンプについて書いている。 来年あたり、本気でどうだろうか。

参加する人には、まず前もってコードリーディングと、 達人プログラマーは読んでもらっておくとして。


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