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Matzにっき


2004年01月20日 [長年日記]

_ [Ruby]getaddrinfo(その2)

数値的なホスト名を getaddrinfo に渡した場合には ai_canonname はセットされないのが仕様であるように見える」んですか。実はそれを確認するのが恐くてFreeBSDのソースに当たれないでいるのです。

とすると、RubyのSocket#gethostbynameのような、通常のホスト名からも数値的なホスト名からも、 区別なくホスト情報を得たい場合にはどうするのが正統なんでしょうねえ、FreeBSDにおいて。

素直にgethostbyname(3)を使うのはsocket.cにあるitojunさんがIPv6対応した時の

/*
 * NOTE: using gethostbyname() against AF_INET6 is a bad idea, as it
 * does not initialize sin_flowinfo nor sin_scope_id properly.
 */

というコメントを見る限り避けた方が良さそうな気がするし。

_ [OSS]Nokia to release Perl for smartphones

NokiaがケータイにPerlを載せてしまおうと計画しているという話。

組み込みにはPythonかLuaくらいがせいぜいと考えていたのだが、Perlが載るならなんだって載るぞ。 それこそRubyでも。

_ [Ruby]getaddrinfo(その3)

getnaminfo(3)を使えば良いのでは?」というツッコミをもらったが、 私がやりたいのは別に逆引きがやりたいわけではないのだが。 繰り返しになるが、私がしたいのは、 「通常のホスト名からも数値的なホスト名からも、区別なくホスト情報(hostent)を得たい」ことである。 これくらいgetaddrinfo(3)がやってくれてもバチは当たらないと思うんだけどなあ。

これをgetnameinfo(3)を使って実現するためにはどうすればよいのは私にはいまいちわからない。 どういう手順を想定しているのかな。

_ [OSS]オープンソース技術者の流動化

wakatonoさんのツッコミ:

「それを現状に甘んじているから搾取されるんだ。」とありますが、このあたりについて声を上げられるかどうかは当人の資質もあるんでなんとも言えない気も…。 今いる会社を離れて果たして食っていけるか?ということを気にする人も(たぶん)多いでしょうし、自分の資質や市場価値を過小評価している人も多い気がするんですが(汗)。 クチをあけてまってるだけの人は放置してOKだと思うんですが、自分の存在証明(そして価値証明)を何らかの形で実施している人のところには、そういう向きの会社が積極的にアプローチしてもよいと思います。

まあ気持ちはわかるんですが、

  • ただ単にオープンソース技術者であるだけでは雇用の対象にならない
  • ヘッドハンターじゃあるまいし、本人の意向を無視して雇用できない

ことを考えると、最初の一歩を踏み出すのは本人以外にはあり得ないように思います。 結果的に「現状に甘んじている」人を第三者が助けることはできないでしょう。

はっきり言えば、 オープンソース技術者は、ヘッドハンティングしなければならないほどには売手市場ではない現実を考えると、 「そういう向きの会社からの積極的にアプローチ」を期待するのは、 現時点では「クチをあけてまってるだけ」とほぼ同じだと思います。


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